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3418 バルニバービ

東証G
1,404円
前日比
-36
-2.50%
PTS
1,407.1円
11:19 04/19
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
24.2 3.99 0.53
時価総額 127億円
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稼げる空間「カプセルホテル」と関連株、大活況のなぜ <株探トップ特集>


―短工期・割安で資産活用先としても人気化、新規参入相次ぐ―

 訪日外国人の増加や、2020年開催予定の東京五輪などの影響から、ホテルの建設が続いている。新設だけではなく、商業ビルや賃貸マンション、はたまた学校や家電量販店などがホテルに姿を変えるケースも増えており、ホテル業界はまさに建設ラッシュの様相を呈している。

 この傾向は当面続くとみられており、18~19年度にかけて、ホテルの開業がピークを迎えるといわれている。一方で最近では、五輪後の市場縮小によってホテルが供給過剰となる、いわゆる「オーバーホテル現象」が起こるとの見方も出始めた。開業したホテルのなかには設備投資が回収できないケースも出てくるのではないかとの噂がホテル業界内には流れている。

●「狭苦しい」「不衛生」といったイメージから脱却

 こうしたなかで注目を集めているのが、カプセルホテルをはじめとする簡易宿泊所業態だ。日本が世界に誇るミニマムな宿泊スタイルであるカプセルホテルは、1979年に大阪市梅田で第1号店が開業した。それ以降、「出張経費を浮かせたい」「飲み過ぎて終電を逃した」といったビジネスマンを長い間、主な利用者としてきた。

 しかし近年では、女性の一人旅が増えてきたこともあり、女性が宿泊可能なカプセルホテルが急増。さらに、旅行費をコト消費に多く振り分けるため、「宿泊費を抑えたい」というニーズや、日本ならではの宿泊スタイルから、カプセルホテルを利用する外国人観光客の利用も増加している。

 それに伴い、80年代から90年代のカプセルホテルの「狭苦しい」「不衛生」といったイメージも払しょくされている。高級感を打ち出した施設や、独自のコンセプトを持つ施設も増えており、新規参入企業も相次いでいる。

●「稼げる空間」としても注目高まる

 企業にとっても、カプセルホテルは魅力的だ。施工コストがビジネスホテルよりも割安であり、短工期で事務所ビルなどからのコンバージョンもしやすいことなどから、資産活用の一つとして選択するケースが増えているという。

 ティーケーピー <3479> [東証M]は昨年3月、コンパクトホテルを展開するファーストキャビン(東京都千代田区)に出資。これをきっかけにして、高級感のあるカプセルホテルを名古屋で開業し、さらに来年4月には東京・市ヶ谷でも開業予定だ。会議室を利用する企業に宿泊場所を提供することで、翌日の会議室の利用を促しており、同社が進める会議×宿泊のハイブリッド化加速が期待されている。

 また、JR西日本 <9021> も今年1月にファーストキャビンとの合弁会社を設立し、駅周辺の資産活用の一環として高級カプセルホテルの展開を進めている。

 このようにカプセルホテルは「稼げる空間」としても注目が高まっており、仮にオーバーホテル現象が起こったとしても活況は続きそうだ。

●運営会社を買収したビーロット

 このほかの関連銘柄としては、今年1月にカプセルホテル運営会社を買収したビーロット <3452> [東証M]や、子会社バグースが10月に東京・秋葉原にカプセルホテルを開業したDDホールディングス <3073> などが代表格といえる。

 さらに、コミック融合型カプセルホテル「コミ×カプ」を展開するランシステム <3326> [JQ]、JR大津駅にカプセルホテルを含む「ザ・カレンダー」を開設したバルニバービ <3418> [東証M]、子会社ジャービスが「スマートホテル」の企画・開発・運営を本格稼働させたリミックスポイント <3825> [東証2]なども挙げられる。

 一方、カプセルホテルの設備面を手掛ける企業は未上場のものも多いが、カプセルベッド「エコキャビン」を展開するオリバー <7959> [名証2]や、カプセル型客室設備「まゆ玉」の企画・開発を手掛けるTBグループ <6775> [東証2]などには、ビジネスチャンスの拡大が期待されている。

●世界的に広がるカプセルホテル

 カプセルホテルは世界的にも広がりを見せている。既に中国では重慶市や済南市、西安市などに次々とカプセルホテルが建設されているほか、シンガポールやタイ、インドネシア、ベトナムでも日本のカプセルホテルを参考にした宿泊施設ができている。

 特に有名なのは、マレーシ・クアラルンプール国際空港のLCC(格安航空会社)専用ターミナルにある「カプセル バイ コンテナ ホテル KLIA2」で、利用者には専用ロッカーもあり、宿泊だけでなくデイユースも可能だという。クアラルンプール国際空港敷地内には他のホテルもあるが、料金が割高なことから、こちらを利用する人も多い。

 さらにアジアにとどまらず、イギリスやロシアなどにもカプセルホテルは広がりを見せている。「元祖カプセルホテル」の日本としては、これをビジネスチャンスとする企業が出てくることが期待されている。

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