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3416 ピクスタ

東証G
866円
前日比
-11
-1.25%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
7.2 1.75
時価総額 19.9億円
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決算発表予定日

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ピクスタ Research Memo(6):子会社スナップマートを設立、新事業「Snapmart」を譲受け。今後に注目


■ストックフォト事業の現況

(4)成長戦略

ピクスタ<3416>は成長戦略として「顧客基盤の拡大」、「動画素材市場への本格参入」及び「海外販売の強化」の3点を掲げている。顧客基盤の拡大に関しては、素材の品揃えの充実と新規顧客層の開拓によって単品ユーザー層をさらに拡大することと、より高単価でより継続性の高い定額制ユーザーの拡大が中心施策となっている。前述した「ネットワーク外部性」の正の循環が同社においてはワークしている状況にあるため、同社の思惑どおり顧客基盤は拡大していくと弊社ではみている。動画素材市場は前述のようにこれから最も成長率が高い分野と目されており、同社も素材調達と販売の双方で営業を強化するとみられる。海外については、対応言語を英語、中国語、タイ語へと順次拡大してマーケットとしての海外展開を行うほか、ベトナムに子会社を設立し、開発拠点としても海外展開を追求している。

上述の3つの基本戦略のもと、同社は具体的な取り組みを行っている。「fotowa」や無料テンプレートの現状については冒頭の第2四半期決算の項で述べたとおりだ。一方、今期において、注目すべき進展があった。子会社スナップマートの設立と事業譲り受けだ。

a) Snapmart事業
同社は2016年8月23日、子会社スナップマートの設立と、スマートフォンで撮影した写真を購入するサービスであるSnapmart事業を9月1日付で(株)オプトインキュベートから譲り受けることを発表した。

Snapmart事業はオプトインキュベート社内のベンチャー事業として2016年6月に立ち上がったばかりである。

デジタル一眼レフカメラで撮影されたものを対象とする「PIXTA」と、スマートフォンから投稿されたものを対象とする「Snapmart」とでは、想定されるユーザー層や利用目的、個々のデジタル素材に求められる要素や画質など、言わばビジネスとしての世界観において大きな差がある。それを踏まえて同社はSnapmart事業を「PIXTA」に吸収せずにスナップマートにおいて「Snapmart」ブランドで展開することを選択した。

弊社は、かねてよりスマートフォンにより撮影されたデジタル素材の取扱にもビジネスチャンスがあるのではいないかと考えていたが、早くもそれが実現した形となった。スマートフォンとデジタル一眼レフカメラについて、日常的に持ち歩く人の数の違いは明白だ。それゆえ、画素数などで差はあっても、面白い写真や動画はスマートフォンの中にこそ数多く眠っていると考えられる。実質的な事業開始はこれからであり収益貢献を判断するに十分な材料はないが、中期的には一定の存在感のある収益規模に成長するポテンシャルはあると弊社では考えている。

今後も成長のための様々な施策が生み出される可能性がある。それらは自社開発のほかに、今回のような事業譲受・M&Aや事業提携など、様々な手法が考えられる。特に事業提携のチャンスは豊富ではないかと考えている。そう考える大きな理由は、「PIXTA」がカメラを趣味とする人に対し、お金を稼ぐ仕組みを提供している点にある。カメラはどちらかと言えばお金を消費する趣味だが、「PIXTA」の登場で“実益を兼ねる”ことが誰にでも可能になった。このインパクトは大きいと弊社では考えている。

例えば、カメラの販売会社やカメラメーカーと提携し、「PIXTA」のクレジット(コミッション)をカメラの購入に活用するような仕組みが考えられる。また、同様の仕組みをDPE事業者や印刷業者との提携につなげることも可能であろう。同社が既に行っているAPI※導入策は「PIXTA」の写真購入者の増加目的としたものだが、弊社が想像するようなケースはクリエイターの増加に寄与する施策と言える。「PIXTA」事業にはネットワーク外部性が認められ、投稿素材点数と販売とが、車の両輪の関係で伸長していくという構造となっている。そのためには様々な形のアライアンスを積極的に行う必要があると弊社では考えている。

※Application Programming Interfaceの略。外部サービスの中にPIXTAを組込み、当該サービスのユーザーがそのサービスから直接PIXTAを利用できる仕組み。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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