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2016年02月22日16時04分

メドレックス Research Memo(3):ILTSRとNCTSRの2つの技術を使い分け、創薬の開発を進める


■会社概要

(2)事業内容

主に、既存の経口薬・注射薬の有効成分などを基に、独自の経皮吸収型製剤技術による貼付薬や塗り薬などの開発を行っている。経皮吸収型製剤には薬効成分の徐放・持続性、ファーストパスの影響を受けない(経口薬の場合、肝臓通過により薬効減退や副作用発現のリスクが高まる)、服薬コンプライアンスの向上(嚥下障害等の患者でも投薬可能、飲み忘れ防止等)、Painless(痛みがない)といった特徴があり、こうした特徴を生かせる領域において、新たな付加価値(薬効の極大化、副作用の低減、患者のQOLの向上、医療従事者の利便性向上)を提供できる創薬の開発を目指している。経皮吸収型製剤の対象領域としては疼痛領域が中心となるが、その他にもアルツハイマーやパーキンソン病、うつ病、多動性障害、過活動膀胱といった領域でも医薬品が上市されており、メドレックス<4586>もこれら領域が開発の対象領域となる。

ビジネスモデルとしては、同社が開発している医薬品候補製剤を上市していくまでの過程で、製薬会社等との間で開発・販売・製造に関する契約を締結し、契約一時金や開発の進捗に応じたマイルストーン収益、及び上市後の製品売上、ロイヤルティ収入を得ていく格好となる。臨床試験については、自前で行っていくことを基本方針としており、当初は研究開発費用がかかるものの、上市された場合のリターンは大きくなる。

同社の有する主要な製剤技術としては、ILTSRによる経皮吸収型製剤技術、ナノコロイドを活用した経皮吸収型製剤技術(NCTSR)、及びマイクロニードルアレイがある。

○ILTSR(Ionic Liquid Transdermal System)
ILTSRとは、同社が開発したイオン液体を活用した経皮吸収型製剤技術を指す。イオン液体とは融点が100℃以下の塩(えん)のことで、低融点、高イオン伝導性、高極性、不燃性等の特徴を有しており、現在は太陽電池やリチウムイオン電池などの工業製品の材料として主に用いられている。同社はこのイオン液体の特性に注目し、医薬品の製剤技術に活用することに成功した。薬物をイオン液体化、あるいはイオン液体に薬物を溶解することで、当該薬物の経皮浸透性を飛躍的に高めることを可能とした。従来は経皮吸収させることが困難であった高分子(核酸、ペプチド)を始めとする難溶性薬物もイオン液体化することで経皮吸収が可能となり、新薬開発の対象となる薬物候補も広範にわたる。

同社では人体への使用実績がある化合物などイオン液体のライブラリーを100?200種類保有しており、対象薬物の経皮浸透性向上に適したイオン液体の選択に関するノウハウや、薬物を含有するイオン液体をその特性を保持したまま経皮吸収型製剤(貼付剤、塗り薬等)にするノウハウを有しており、薬物特許も開発品目ごとに取得している。

現在の主な開発パイプラインは、「ETOREATR」、「MRX-1OXT」(中枢性鎮痛薬)、「MRX-5LBT」(帯状疱疹後の神経疼痛治療薬)、「MRX-4TZT」(痙性麻痺治療薬)などがある。

○NCTSR(Nano Colloid Transdermal System)
ナノコロイドを活用した経皮吸収型製剤技術となる。ナノコロイドとは粒子の径を100ナノサイズと超微細化し、溶液状態としたものを指す。薬物をナノコロイド化することで高い経皮吸収性が得られるほか、液体のまま貼付剤化することで即効性が期待できるといった特徴がある。

現在の開発パイプラインには「MRX-4MIGL」(偏頭痛治療薬)、「MRX-5DML」(アルツハイマー治療薬)がある。このうち偏頭痛治療薬については、2013年度に独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「平成25年度イノベーション実用化ベンチャー支援事業」の助成事業に採択され、補助金を得て開発を進めている(助成対象期間2014年5月?2015年2月、補助金は2015年12月期に特別利益として計上)。また、アルツハイマー治療薬については、現在、ファイザーが上市している薬剤を基に開発を進めている。前臨床試験についてはこれからだが、動物実験では薬剤の経皮吸収作用が確認されている。

同社では薬物の性質の違いによってILTSRとNCTSRの2つの技術を使い分け、創薬の開発を進めていく方針としている。

○マイクロニードルアレイ
マイクロニードルアレイとは、生体分解性樹脂から成る長さ500?600μm、径10?30μmの微小針集合体のことで、現在は注射しか投与手段のないワクチンや核酸医薬・タンパク医薬等の無痛経皮投与デバイスとなる。ニプロ<8086>や富士フイルム<4901>、スリーエムなども開発を進めているが、医薬分野での実用化はまだない。針に薬剤を塗布し、表皮まで確実に穿刺(せんし)する技術の確立が課題となっている。穿刺するには表皮に対して垂直に刺す必要があるが、この課題をクリアできないためだ。

こうした課題に対して、同社では針形状を工夫しているほか、表皮に垂直に穿刺するためのアプリケータを開発し、技術的課題は既に克服している。ただ、共同開発先であった帝人<3401>が事業上の戦略により2015年10月に提携関係を解消したため、現在は新たな提携先を国内で探索中で、複数の候補先企業に絞って今後、交渉を進めていく予定となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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