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NVC Research Memo(7):一時の苦境を抜けだし、増収増益基調で推移


■業績動向と財務状況

(1)業績動向

a)売上高

ネットワークバリューコンポネンツ<3394>は、2005年12月期に株式公開し、積極的な事業提携や買収を行ったが、売上は伸び悩んだ。加えて、2008年にリーマンショックが発生し、それまでの積極投資が裏目に出てしまった。このため、2008年12月期から2010年12月期にかけて拡張路線を見直し、事業を再構築し、3期続けて最終損失を計上するというリストラを行った。その後は、2013年12月期こそ子会社の不振で減収となったが、おおむね増収傾向にある。なお、2016年7月に発表された2016年12月期2Q決算では、当初見込んでいた大型案件が下期にずれ込み前期比減収であるが、通期では増収見込みであり、勢いが継続している。

b)事業別売上高

事業別売上を見ると、Fortinet、FireEyeを始めとするセキュリティ製品や、無線LANのAruba社製品の好調さにけん引され、ネットワークソリューションの売上が右肩上がりである。また、ネットワーク構築等のサービス及び保守を行うネットワークサービスも堅調に推移しており、業績の好調さを下支えしている。

c)売上高経常利益率

売上高経常利益率を見ると、2014年12月期以降急上昇しており、収益力が大きく向上しているが、これには以下の3つの要因が考えられる。

1)優良顧客へのリソースの集中
同社は約50人の限られたエンジニアを優良顧客に集中させ、案件の早期対応や的確なソリューション提案等に取り組んだ。これらにより顧客満足度を向上させ、価格競争を回避することができ、利益率の向上につながった。

2)ディールレジストレーション制度の有効活用
各機器メーカーではディールレジストレーションという制度を取り入れていることが多い。これは、案件情報を最も早く登録した販売パートナーに対し、特価での仕入れを行うという制度である。同社は優良顧客に注力する中で、案件情報をいち早く得ることが増えたため、この制度を活用し仕入額を抑え、利益を向上させた。

3)エンジニアの作業時間削減
同社ではエンジニアの作業時間管理が不十分で、特定のメンバーに作業が集中し、かえって作業時間が増加し、原価が過大となるケースがあった。このため、マネジメントの仕組みを導入し、エンジニアの原価管理意識の向上を図り、作業時間削減に取り組んだ。その効果が一部出ており、今回の利益率向上につながった。

(2)財務状況

a)自己資本比率

2008年12月期、2009年12月期にリストラに伴う赤字が発生したことで、純資産が減少し、自己資本比率が大きく低下した。2010年12月以降は業績回復とともに純資産が増加し、自己資本比率も上昇し、安全性は上昇している。

b)利益剰余金

利益剰余金は2010年12月期に大きく落ち込んだこともありマイナスが続いていたが、近年は業績好調で改善してきていた。そして、2016年12月期1Qに資本準備金を取崩して利益剰余金のマイナスを補填し、続く2016年12月期2Qの黒字により2008年12月期以来8期ぶりに利益剰余金がプラスに回復した。

c)有利子負債

有利子負債は2008年12月期に投資により大きく増加し、その後、2010年12月期に赤字が発生した際にも増加したが、その後は順調に返済を重ね減少している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山 崇行)

《HN》

 提供:フィスコ

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