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3392 デリカフHD

東証S
584円
前日比
-6
-1.02%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.7 1.14 1.71
時価総額 95.6億円
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大光
決算発表予定日

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デリカフHD Research Memo(2):業務用の野菜卸しとカット野菜で業界最大手


■会社概要

1. 事業内容
デリカフーズホールディングス<3392>は業務用野菜に関する仕入販売及びカット野菜の製造販売で業界トップ企業である。2017年10月に持株会社に移行しており、野菜の仕入販売やカット野菜の製造販売を行うデリカフーズ(株)、野菜やその他日配品等を配送するエフエスロジスティックス(株)、野菜の分析業務や顧客企業へのコンサルティング業務を展開するデザイナーフーズ(株)及び(株)メディカル青果物研究所の4社を子会社として持つ。2018年5月時点で仙台から福岡まで9事業所、16拠点で事業を展開しており、エリア協力企業も含めて約1万7千店舗の顧客に日々、新鮮な野菜を安心・安全に供給している。

事業セグメントは持株会社移行に伴って、従来のエリア別から事業別に変更しており、2018年3月期の売上構成比で見ると、青果物事業(デリカフーズ)で92.7%、物流事業(エフエスロジスティックス)で5.3%、研究開発・分析事業(デザイナーフーズ、メディカル青果物研究所)で0.4%となっており、そのほか持株会社で1.7%の構成となっている。

部門別の売上構成比では、仕入れた野菜をそのまま配送するホール野菜が47.3%、顧客の要望に応じて形状を加工するカット野菜が40.5%(うち、真空加熱野菜は0.6%)、その他が12.2%となっており、カット野菜の占める比率が年々上昇傾向にある。人材不足に悩む外食企業において、調理が簡単で時間も短縮できるカット野菜の需要が増加していることが背景にある。

また、業態別売上構成比では、ファミリーレストランが57.8%と最も高く、次いでファストフード11.2%、パブ・居酒屋10.6%となり外食産業向けが全体の83.9%を占めている。全国展開している主要な大手外食チェーンとはほとんど取引実績を持つ。残りの約15%は食品メーカーや、弁当・惣菜事業者向けを中心とした中食産業向けとなる。配送先は全国で約17,000店舗あり、青果物専業の流通企業としては業界で最大規模となる。

2. 同社の強み
同社の強みは、卸売事業者として国内外で開拓してきた多くの契約産地(仕入高の60%超)から安定した仕入を行うことができる調達力と、高品質で安全、確実に商品を顧客のもとに配送する物流網を全国に構築(委託業者を含む)していることが挙げられる。業界初となるスーパーコールドチェーン※1を東京第二FSセンター(2013年7月稼働)以降に開設した事業所(奈良、西東京)で導入しているほか、食品安全マネジメントシステムの国際標準規格となるISO22000や、さらにその上位規格となるFSSC22000※2の認証も各事業拠点で取得するなど、食の安心・安全を確保するうえでの取り組みについて業界で最も先行しているほか、カット野菜の鮮度を保つための技術力も有しており、顧客からの高い評価につながっている。

※1 スーパーコールドチェーン:野菜の入庫から出荷、配送までの全工程を1~4℃の低温度で管理するシステム。野菜の鮮度が保持できるため、カット野菜の賞味期限を従来比2 倍に延長することが可能となった。
※2 「FSSC22000」:「ISO22000」に食品安全対策(フード・テロ対策、原材料やアレルギー物質の管理方法など)や、「食品安全に関連する要員の監視」「サービスに関する仕様」などを追加したもの。


さらには、生産者と外食・中食企業をつなぐ情報流通機能を持つことも強みとなっている。生産者に対しては、どのような野菜が求められているのか、どれだけの需要量があるのかという情報を提供し、また販売先となる外食・中食企業に対しては野菜の市況やトレンド、高騰した野菜に対する代替メニューの提案などを行っている。特に、ここ数年、天候不順による野菜価格の高騰は、外食企業の収益悪化要因にもつながるだけに、同社のメニュー提案力は高く評価されている。同社は10年以上にわたって、野菜の機能性を研究しており、日本中から取り寄せた野菜に関する栄養価などの分析データベースで国内最大規模のデータを蓄積している。この分析データに基づいて、健康増進につながるメニュー提案も行っており、同業他社にはない強みとなっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《TN》

 提供:フィスコ

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