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3392 デリカフHD

東証S
587円
前日比
+4
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-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.7 1.14 1.70
時価総額 96.1億円
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黒谷
決算発表予定日

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デリカフーズ Research Memo(2):業務用の野菜卸しとカット野菜で業界最大手


■事業概要

1. 事業内容
デリカフーズホールディングス<3392>の事業は、契約農家や市場等から仕入れた野菜を顧客の要望に合わせて加工し配送するカット野菜事業と、仕入れた野菜をそのまま配送するホール野菜事業、その他事業に分けられる。2016年6月より本格量産を開始した真空加熱野菜※1については売上規模がまだ小さいこともありカット野菜事業に含めている。また、その他事業には日配品(卵、豆腐、冷凍食品等)の販売や業務委託※2のほか、子会社で展開する物流サービス、農産物の受託分析サービス、コンサルティングサービス等が含まれる。

※1 真空加熱野菜…野菜のおいしさと鮮度を重視した加熱調理済みの野菜であり、「焼く」「蒸す」「煮る」に次ぐ第4の調理方法として、食材と調味液をフィルム袋に入れて真空密封し、調理器で材料に応じた時間と設定温度にて調理する。外食産業等においては、湯煎や電子レンジなどで再加熱するだけで提供でき、人手不足が慢性化するなか、調理時間を短縮することができるほか、メニューの拡充が可能となる。また、主に根菜類を材料とするため天候不順時における価格変動の影響を受けにくいこともメリットとなる。
※2 業務委託:同社が現在物流拠点を有していない北海道、東北の一部エリア、中国・四国地域等において協力企業に配送を委託しており、その部分にかかる売上高のこと。


同社は持株会社制を取っており、2017年10月1日付で社名をデリカフーズ株式会社からデリカフーズホールディングス株式会社へ社名変更するとともに、主要子会社3社(東京デリカフーズ(株)、名古屋デリカフーズ(株)、大阪デリカフーズ(株))を1社に統合、新たにデリカフーズ(株)として新たな経営体制をスタートさせている。2017年12月時点で仙台から福岡まで9事業所、16拠点で事業を展開する。その他の子会社としては、グループの物流事業を担うエフエスロジスティックス(株)や外食企業などへのコンサルティング及び抗酸化研究を行うデザイナーフーズ(株)、農産物の受託分析サービスを行う(株)メディカル青果物研究所※がある。

※メディカル青果物研究所は、2018年6月にデザイナーフーズの受託分析サービス部門を分離移管し、再稼働している。


2. 部門別、業態別売上高
2018年3月期第2四半期累計の部門別売上構成比は、ホール野菜が47.8%、カット野菜が39.9%(うち、真空加熱野菜は0.3%)、その他が12.3%となっており、カット野菜の占める比率が年々上昇傾向にある。人材不足に悩む外食企業において、調理が簡単で時間も短縮できるカット野菜の需要が増加していることが背景にある。

また、業態別売上構成比では、ファミリーレストランが59.6%と最も高く、次いでファストフード11.5%、パブ・居酒屋10.0%となり外食産業向けが全体の84.9%を占めている。全国展開している主要な大手外食チェーンとはほとんど取引実績を持つ。残りの約15%は食品メーカーや、弁当・惣菜事業者向けを中心とした中食産業向けとなる。配送先は全国で約10,000店舗あり、青果物専業の流通企業としては業界で最大規模となる。

3. 同社の強み
同社の強みは、業務用野菜の卸しや、カット野菜の製造で国内最大手ということだけでなく、外食チェーンなど顧客企業が繁盛するためのコンサルティング業務(メニュー提案)も同時に行っていることが挙げられる。同社は10年以上にわたって、野菜の機能性を研究しており、特に、日本中から取り寄せた野菜に関する栄養価などの分析データベースでは国内最大規模のデータを蓄積している。この分析データに基づいて、健康増進につながるメニュー提案をできることが同業他社にはない強みとなっている。

また、卸売事業者として、国内外で開拓してきた多くの契約産地(仕入高の60%超)から安定した仕入れを行うことができる調達力と、高品質で安全、確実に商品を顧客のもとに配送する物流網を全国に構築(委託業者を含む)していることも同社の強みとなっている。業界初となるスーパーコールドチェーン※1を東京第二FSセンター(2013年7月稼働)以降に開設した事業所(奈良、西東京)で導入しているほか、食品安全マネジメントシステムの国際標準規格となるISO22000や、さらにその上位規格となるFSSC22000※2の認証も各事業拠点で取得するなど、食の安心・安全を確保するうえでの取り組みでは業界で最も先行しており、顧客からの高い評価につながっている。

※1 スーパーコールドチェーン:野菜の入庫から出荷、配送までの全工程を1~4℃の低温度で管理するシステム。野菜の鮮度が保持できるため、カット野菜の賞味期限を従来比2 倍に延長することが可能となった。
※2 「FSSC22000」:「ISO22000」に食品安全対策(フード・テロ対策、原材料やアレルギー物質の管理方法など)や、「食品安全に関連する要員の監視」「サービスに関する仕様」などを追加したもの。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《MH》

 提供:フィスコ

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