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3387 クリレスHD

東証P
1,059円
前日比
-33
-3.02%
PTS
1,058.9円
14:59 04/19
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
36.5 6.19 0.76 0.62
時価総額 2,254億円
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クリレスHD Research Memo(1):買収した2社の連結貢献、磯丸水産を軸とした前期出店分が業績寄与


クリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>は、ショッピングセンター内のレストラン及びフードコートの運営を主力とするとともに、M&Aにより獲得した居酒屋業態や飲食店業態も展開している。集客力の高い立地へのこだわりとそれぞれの立地環境(地域特性や顧客属性、競合状況等)に見合った業態の組み合わせによるマルチブランド・マルチロケーション戦略に特徴があり、それが同社の主力事業を支えてきた。現在の店舗数は約190業態で846店舗となっている(2016年8月末現在)。また、最近では、駅前好立地での24時間営業により人気業態となっている海鮮居酒屋業態「磯丸水産」※1など、積極的なM&Aを通じて成長性のある業態を同社の成長に取り込む「グループ連邦経営」※2により高い成長性を実現しており、同社は新たな成長フェーズに入っている。

※1 2013年4月に買収したSFPダイニング<3198>が展開している。
※2同社が推進しているグループ経営のことで、ホールディングスの「求心力」と各グループ事業会社の「遠心力」のバランスを取りながら成長を促進するものである。

2017年2月期第2四半期の業績は、売上高が前年同期比28.9%増の56,982百万円、経常利益が同3.5%増の3,747百万円と増収増益であった。期初予想に対しては、売上高が若干未達となったものの、利益では上回る結果となっている。前期に買収した(株)KRフードサービス(以下、KR)※1及び(株)アールシー・ジャパン(以下、RCJ)※2の連結貢献に加えて、「磯丸水産」を軸とした前期出店分が期初から寄与したことや第2四半期出店分(前倒し8店舗を含む69店舗)が増収要因となった。ただ、売上高が期初予想に若干届かなかったのは、既存店売上高が前年同期比96.0%(予想は97.8%)とやや低調であったことによる。消費者の節約志向の高まりによる消費低迷のほか、台風等の天候不順、リオ五輪の影響などにより居酒屋業態や地方郊外のビュッフェ業態で客数が想定を下回った。一方、利益面では、連結貢献を含めた増収による利益の押し上げや海外事業の損益改善に加えて、円高による原価低減及び原油安を背景とした水道光熱費の低下等が想定を上回る増益に寄与した。同社は、2016年9月1日にグループ内組織再編を実施※3。首都圏都市型商業施設の高価格帯ダイニング事業の集約化による専門性の向上等が目的である。

※1関西圏に高い認知度を誇る和食レストランチェーン「かごの屋」を展開する(2015年7月に連結化)。
※2商業施設イクスピアリでの人気レストラン「レインフォレストカフェ」など4店舗の飲食店舗を運営する(2015年8月にオリエンタルランド<4661>から株式を取得)。
※3 RCJを合併法人及び分割承継法人として、(株)クリエイト吉祥(以下、CK)と(株)上海美食中心(以下、SBC)を合併させるとともに、クリエイト・レストランツ(以下、CR)の事業の一部(首都圏ダイニング事業)を承継。RCJは「(株)クリエイト・ダイニング(以下、CD)」に商号変更。

2017年2月期の業績予想について同社は、期初予想を据え置き、売上高を前期比14.3%増の118,000百万円、経常利益を同7.6%増の7,900百万円と3期連続の増収及び経常増益を見込んでいる。引き続き、好調な「磯丸水産」や専門ブランドによる店舗数の拡大が業績の伸びをけん引する見通しである。なお、新規出店は99店舗(退店42店舗)、既存店売上高は前期比97.8%を想定している。弊社では、既存店売上高がやや苦戦しているものの、新規出店の前倒し効果や利益率が改善している状況等を勘案し、業績予想の達成は可能であるとみている。

同社は、3ヶ年の中期経営計画を推進している。1)オーガニックな出店、2)国内M&Aの実施、3)更なる海外展開により、最終年度である2019年2月期の目標(M&A含む)として、売上高1,750億円、経常利益130億円を目指している。また、4年後の成長イメージである「VISION2020」では、2020年2月期の売上高2,000億円を掲げており、売上高をほぼ倍増させる内容となっている。弊社では、目標達成のハードルは決して低くはないとみているが、好調な居酒屋業態の出店余地が郊外を含めて十分にあることや、M&Aの環境が同社にとって追い風であること、海外事業もノウハウの蓄積や和食人気の後押しが期待できることなどから実現可能とみている。今期については、現時点でM&Aの具体的な成果はないものの、案件の持ち込み数は前年同期の1.5倍に増えており、慎重に検討を重ねている段階のようだ。今後もM&Aの実現に向けた動きに注目していきたい。

■Check Point
・17/2期2Qは増収増益、利益は期初予想を上回る結果に
・通期業績予想は据え置き、増収及び経常増益を見込んでいる
・4年後の成長イメージでは20/2期の売上高は2,000億円が目標

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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