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テリロジー Research Memo(8):2022年3月期を初年度とする新3カ年中期経営計画を発表


■今後の見通し

1. 2022年3月期業績予想は保守的
テリロジー<3356>は2022年3月期の連結業績予想について、売上高を前期比10.6%増の5,200百万円、営業利益を同68.5%減の170百万円、経常利益を同68.7%減の170百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同70.3%減の130百万円とする期初計画を公表した。なお、「配当性向50%以上を目標」とする株主還元方針のもとで、期末配当は1株当たり5円配当の継続を予定している。

今回の公表値は「収益認識に関する会計基準(以下、新会計基準)」の適用開始による影響を踏まえた減益予想と言えようが、同社は保守的な数値であると明言している。実際、公表値に織り込まれた営業利益率は3.3%と、のれん償却増加による押し下げ効果(0.4ポイント程度)を勘案しても同社の実力値(7%程度)に対して著しく低く、極めて慎重な業績予想であることが読み取れよう。

振り返れば、同社による2021年3月期業績の期初会社計画も保守的であった。2021年3月期実績を期初計画に対する達成率で見ると、売上高が112.5%、営業利益が270.1%、経常利益が271.5%、親会社株主に帰属する当期純利益が312.6%といずれも大幅に上振れており、その好調ぶりに加えて同社による期初計画が如何に保守的であったかが窺い知れる。2022年3月期業績についても、期初会社計画に対して相当程度の上振れ進捗となる可能性が高いと考えられよう。

2. 売上高100億円実現に向けての道筋が示された新中期経営計画
同社は、「中長期的かつ持続可能な企業価値の向上に向けた広報・宣伝活動の施策を行うとともに、企業価値の極大化を図っていく」ことを明言している。2021年5月、その一環として新中計が発表された。

2022年3月期を初年度とする新中計には「オーガニック成長の数値目標」、「目標達成に向けての基本戦略・重点施策」、「M&A・事業アライアンス戦略実行に関する基本的な考え方」が掲げられ、内容的には売上高100億円実現に向けての道筋を示すものとなっている。

まず、最終年度(2024年3月期)の売上高を74億円、営業利益を5.6億円とする「オーガニック成長の数値目標」について、2021年3月期の営業利益が5.4億円であったことから物足りなさを感じる向きもあろう。しかしながら、ここに込められたメッセージは「売上高成長率20%と営業利益率8%の実現が目標」というものであり、新会計基準適用の影響を保守的に織り込んだ2022年3月期を起点とする最終年度の絶対水準に対して過度に反応すべきではないと考える。なお、2024年3月期の営業利益率は7.6%となっている点については、クレシードの子会社化に伴うのれん償却増加による押し下げ効果(0.4ポイント程度)を織り込んだ結果だと推察される。

「目標達成に向けての基本戦略・重点施策」については、1)ストック型事業モデルの強化、2)ダイナミックなグループ事業の拡大、3)グローバルな事業展開がキーメッセージとして読み取れる。いずれも、M&Aを含むアライアンス戦略が鍵を握るだけに、今回の新中計に「M&A・事業アライアンス戦略実行に関する基本的な考え方」が盛り込まれたことは重要な意味を持つと考える。とりわけ、約10~20億円の投資規模感イメージのもと、1案件の投資予算規模(3~5億円)と獲得年商規模(5~10億円)が明確に示されたことに注目したい。

この点、2021年3月のクレシードの子会社化は示唆に富む事例に見える。クレシードは、油・化学品の専門商社カネダ(株)の情報システム部門が1990年に分社化・創業した企業であり、顧客の「情報システム部」や「システム要員」を務める情報システム業務支援・代行事業を中核事業に据えつつ、スクラッチ開発並みの柔軟性とパッケージソフトウェア並みの適用容易性を実現した自社コンセプト製品群を主軸とした業務ソリューションやシステム・ネットワーク構築等のITサービスを提供している。

クレシードの子会社化は、1)これまで手薄だった中小規模エンタープライズ市場での事業機会拡大、2)情報システム業務支援・代行事業というアセット型ビジネスモデルへの参入を図る戦略であり、新中計に明記された基本戦略・重要施策に沿った一手と言える。また、費用込みで302百万円の投資規模に対し、2022年3月期計画の売上高・営業利益はそれぞれ700百万円と50百万円、営業利益率は7.1%となっていることから、同社のM&A規律に忠実な案件でもある。

以上の点を踏まえると、同社はオーガニック成長による売上高目標74億円をベースにM&A戦略により20~40億円規模の売上高積み上げを目指していることになる。つまり、新中計は売上高100億円実現に向けての道筋を示す意欲的なものと評価してよく、その行方を注視していきたい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)

《AS》

 提供:フィスコ

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