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【杉村富生の短期相場観測】 ─ 実需筋のポートフォリオの組み替えはほぼ完了!


「実需筋のポートフォリオの組み替えはほぼ完了!」

●「節分天井、彼岸底」のパターンに

 花冷え、花に嵐の言葉が示しているように、この季節は意外に寒いし、荒れる。株式市場には「節分天井、彼岸底」のことわざがある。ちなみに、日経平均株価(ザラバベース)は昨年3月19日に1万6358円の安値をつけている。それが今年2月16日には3万714円の高値をつけた。上昇率は実に、87.8%に達する。

 まさに、典型的な「節分天井、彼岸底」だった。今年もそうなりつつある。この1年、コロナショックに対応した各国金融当局の超低金利政策、流動性の供給、および政府の財政出動(その総額は約14兆ドル)を受けて金融相場が展開された。ゼロ金利、過剰流動性の存在が高PERを容認した面があろう。

 内外の機関投資家は例年、3~4月にポートフォリオの組み替えを行う。海外ファンドはイースター(今年は4月4日)前後に照準を合わせているらしい。法人は3月期決算が多い。この結果、「節分天井、彼岸底」のパターンになる。特に、今年は相場性格の変化(金融相場→業績相場)に伴う売買が大がかりなものになったと思われる。

 加えて、日銀のETF買い入れルールの変更(TOPIX型に全面移行)だ。これはタイミングが悪すぎた。3月決算期末控えとあって買い手は少ない。投機筋は日銀のETF買いに先回りし、ファーストリテイリング <9983> 、ソフトバンクグループ <9984> などの日経平均に連動する銘柄を買っていた。その投げが出たのだろう。

 ヘッジファンドは買い方不在の状況を見据え、日経平均先物を売りたたいた。「どうせ、日銀はいない」と。相場の世界では手の内を見せては負けだ。繰り返すが、政策変更のタイミングが悪かった。しかし、その売りは一巡したと判断する。

●この局面での狙い目はこの銘柄だ!

 それに、NT倍率は3月25日現在、14.7倍に低下している。この水準の日経平均先物を売り込むのはリスクが大きい。投機筋はその点をわきまえているはずだ。さらに、米長期債利回りは1.63%、VIX(恐怖)指数は19.8ポイントと落ち着きを取り戻してきた。今週は新営業年度入りとなる。新たな気持ちで相場に取り組めるのではないか。

 一方、物色面はどうか。引き続いて、景気敏感セクター、ポストコロナセクターを狙うのか、あるいは技術革新セクター、政策関連セクターにシフトするのか、悩ましい局面である。確かに、新型コロナワクチンの接種が進んでいることもあって、世界経済は通常の姿に戻りつつある。アメリカの実質GDP成長率は今年6.5%、来年3.3%のプラスになるという。

 日本企業の場合、輸出関連株は前述の4セクターに絡んでいる。1ドル=109円台の円安が追い風となろう。好業績、かつPER的に割安なのは日本郵船 <9101> 、商船三井 <9104> などだ。ともに、PERは7~8倍にすぎない。今期(21年3月期)の配当は日本郵船が130円、商船三井が100円の計画である。

 このほか、グループ再編を断行中の日立製作所 <6501> 、設備投資復活のメリットを受けるSMC <6273> 、アメリカ景気の回復で潤うダイキン工業 <6367> 、信越化学工業 <4063> 、業績が急浮上の三井金属 <5706> はじっくり狙える。

 小物では情報セキュリティーのテリロジー <3356> [JQ]、サイバーセキュリティークラウド <4493> [東証M]、トヨタグループの自動運転プロジェクトに関係する大泉製作所 <6618> [東証M]、思惑妙味のアンジェス <4563> [東証M]、洋上風力発電の送電線を手掛けるETSホールディングス <1789> [JQ]などに注目できる。

 なお、余談だが、昨年末のアメリカの個人金融資産は130兆ドルに膨らんでいる。邦貨換算でおよそ1京4000兆円だ。すごい、すごすぎる。これに対し、日本は約1950兆円にとどまっている。その差は開くばかりである。これは株式市場の強弱に加え、株式・投信の保有比率(アメリカ約45%、日本約13%)に起因する。日本人はもっと株式を。

2021年3月26日 記


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