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テリロジー Research Memo(5):2020年3月期は3期連続増収増益。財務体質は大幅に改善(1)


■業績動向

1. 3期連続の増収増益を実現した2020年3月期決算
テリロジー<3356>の2020年3月期連結業績は、売上高が前期比10.7%増の4,051百万円、営業利益が同8.0%増の263百万円、経常利益が同25.4%増の288百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同3.5%増の214百万円となった。連結決算に移行した2018年3月期も実質的に増収増益であったため、3期連続での増収増益を実現したことになる。期初会社計画に対する達成率を見ると、売上高は98.1%、営業利益が94.2%と未達であったものの、経常利益は110.8%、親会社株主に帰属する当期純利益が119.3%と超過達成となった。なお、営業増益率に対し経常増益率が大きい理由は為替差損益の入り繰りによるところが大きく、親会社株主に帰属する当期純利益の伸び率が小さい理由は投資有価証券売却益のはく落によるものである。

2020年3月期の売上総利益率は37.4%(前期比0.9ポイント低下)と2015年3月期の20.6%(単体)からは大幅に良化、高水準を維持している。収益性が高い自社製品・サービスの立ち上がりによるミックス改善効果の顕在化が確認できる。2020年3月期の販管費率は30.8%(同0.9ポイント低下)と過去10年間(単体決算含む)で最低水準の26.6%となった2018年3月からは上昇しているものの、2020年3月期の経常利益率は7.1%(同0.8ポイント上昇)と上場来最高の2004年3月期(7.1%)に並ぶ水準にまで上昇しており、独自プロダクトの開発コストといった先行投資負担をこなしつつ同社の稼ぐ力は大きく改善していると見ていいだろう。

2020年3月期末における総資産は前期比1,008百万円増の4,203百万円、純資産は同828百万円増の2,269百万円となった。前期比変化の内訳を見ると、資産面では現金及び預金の831百万円増、受取手形及び売掛金の129百万円増が、負債面では買掛金の207百万円増、有利子負債の137百万円減などが目立ったものとして指摘できる。

なお、決算短信ベースのROEは11.6%と前期比7.2ポイント低下しているが、自己資本増強に伴うものであり問題はない。実際、ROA(総資産経常利益率)は7.8%と同0.5ポイント上昇、過去10年間(単体決算含む)で最も良好な数値となっており、全体としての資産収益性は好転が続いている。

2020年3月期末における現金及び現金同等物の残高は、1,500百万円となった。各キャッシュ・フローの状況を見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは税金等調整前当期純利益が290百万円となったことを主因に484百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは24百万円の支出と大きな動きのない状況となった。一方、財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出が137百万円あったものの、新株予約権の行使による株式の発行による収入が612百万円あったため、全体としては464百万円の収入となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)

《YM》

 提供:フィスコ

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