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3344ワンダコーポ

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ワンダーCo. Research Memo(1):RIZAPグループとの資本業務提携の効果に期待


■要約

ワンダーコーポレーション<3344>は、関東を中心に約300店舗を展開する地域密着のエンタテイメント専門店チェーンである。ゲームやCD・DVD、書籍などエンタテイメント商材を扱うWonderGOOのほか、リユースのWonderREXやCD・DVDショップの新星堂、レンタルサービスのTSUTAYAといった業態も展開している。近年、インターネットの普及によりエンタテイメント商材の環境が様変わりし、やや対応が遅れた同社は苦戦を強いられてきた。このため、2018年にRIZAPグループ<2928>と資本業務提携を締結して子会社となった。同社は、RIZAPグループのマーケティング力やユニークで多彩なグループ企業とのシナジーによって、新業態の創出やこれまでにない体験の提供など、インターネットに負けないビジネスを目指している。

同社の事業別売上高構成比は、WonderGOO事業52.0%、WonderREX事業10.7%、TSUTAYA事業21.1%、新星堂事業15.5%、その他の事業0.7%である。WonderGOOは、環境悪化から売上げが落ち不採算になった店舗の閉鎖かWonderREXへの業態転換を進めている。採算の取れる店舗はエンタテイメント商材の売場面積を縮小し、RIZAPグループの店舗などを導入して活性化を図っている。一方WonderREXは、大型店で目利きを重視し、特定の商材に限定しない幅広い商品の買取販売を行っているため、1店当たり売上高が同業他店に比べて大きいという特徴があり、将来の主力業態と目されている。TSUTAYAはレンタルサービスが苦戦している。新星堂は、販売環境が最も厳しく依然多くの不採算店を抱えるが、音楽イベントのビジネス展開で事業収益が急回復している。そのほか、同社が展開するエンタテイメント型フィットネスのTetraFitや同社がFC加盟しているベーカリーのHEART BREAD ANTIQUEの出店など、新たな成長の芽も伸び始めている。

2019年3月期第2四半期の業績は、売上高32,911百万円(前年同期比8.2%減)、営業利益59百万円(同72.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失74百万円(前年同期は51百万円の利益)となった。3月にRIZAPグループの連結子会社となり、「高収益ハイブリット型店舗への転換」を進めているが、まだ端緒のため依然既存店売上高が苦戦している。2019年3月期(13ヶ月の変則決算)の業績見通しについて、同社は売上高76,530百万円(前期比4.9%増)、営業利益790百万円(同166.8%増)、親会社に帰属する当期純損失3,230百万円(前期は448百万円の損失)を見込んでいる。創業30周年記念イベントなどにより、同社は通期計画の売上高と営業利益は達成する意向である。しかし、RIZAPグループの戦略転換に伴い、エンタテイメント関連の将来リスクを反映した商品在庫の評価損計上や不採算店を前倒して処理する構造改革を実施することになったため、新たに約3,900百万円の特別損失の計上を見込んだ。

エンタテイメント小売業界において、インターネット通販やコンテンツ配信サービスなど販売チャネルの多様化とスマートフォンの普及によるユーザーのコンテンツ消費動向の変化により、業種業態を超えた企業間競争が激化している。こうした経営環境に自前で対処する一方、RIZAPグループとのコラボレーションも深化させていく方針である。しかし、現状のまま業態進化が遅れれば、同社の業容縮小を止めることが難しくなることから、リアル店の強みを生かすことと、インターネットなど新たなチャネルに流れた顧客に再アプローチすることを、同時並行的にスピード感を持って進める必要がある。それが可能になれば、従来のリアル店舗とは異なった、新たなチャネルでは達成できない業態進化が始まると弊社では考える。

■Key Points
・「気軽に立ち寄れる憩いの空間作り」を目指すエンタメ専門店
・RIZAPグループとのコラボレーション効果に期待
・2019年3月期は新たな成長へ向け構造改革関連費用として特損計上へ

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《HN》

 提供:フィスコ

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