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3341 日本調剤

東証P
1,530円
前日比
-32
-2.05%
PTS
1,528.9円
14:59 04/16
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
10.6 0.77 1.63 17.67
時価総額 475億円
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決算発表予定日

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日本調剤 Research Memo(8):医療従事者派遣・紹介事業では利益率の圧迫が続く懸念


■今後の見通し

● 2019年3月期の業績見通し
2019年3月期について日本調剤<3341>は、売上高253,893百万円(前期比5.2%増)、営業利益6,318百万円(同40.3%減)、経常利益6,078百万円(同40.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益3,756百万円(同38.5%減)を予想している。これらの数値は期初予想から変更はない。

前述のように2019年3月期は、調剤薬局事業における薬価・調剤報酬改定、医薬品製造販売事業における大型新工場の稼働に伴う固定費負担の急増、医療従事者派遣・紹介事業における新規事業の先行投資、といった減益要因が重なり、業績の谷間になることが想定されている。とりわけ上期(第2四半期累計期間)が厳しくなると懸念されていたが、調剤薬局事業における利益下振れを医薬品製造販売事業の利益上振れで吸収して計画(期初予想)どおりの利益を達成したことで、現時点では下期以降の収益拡大に対する自信度が高まった状況にあると弊社では考えている。

事業セグメント別概要は以下のとおり。

調剤薬局事業は売上高213,133百万円(前期比3.9%増)、営業利益9,436百万円(同24.0%減)と増収減益を予想している。上期は天候や自然災害の影響で処方箋応需枚数が当初見通しを下回り、売上高、利益ともに計画を下回った。下期については10月に処方箋応需枚数が急伸して9月の落ち込み分をカバーしたことや、処方箋単価が想定よりも軽微な下落にとどまっていることから、下期に挽回して通期ベースでは期初予想の線で着地できると予想している。

医薬品製造販売事業は売上高42,123百万円(前期比10.7%増)、営業利益51百万円(同95.7%減)を予想している。下期は、強固な売上基盤である内部売上高について上期比増加が見込まれる。調剤薬局事業では、季節要因から患者数が上期に比べて増加する傾向にあるほか、新店効果などもあるため確実な需要が見込まれる。また、12月には新たな販売品目の薬価収載も予定されることから外部売上高の増加も相応に期待できるため、結果的に下期の売上高は上期比増加になると期待される。利益面では、前述した上期の利益率改善要因は継続性、再現性がある性質のもので下期も効果が持続すると期待できる。また、工場生産性は生産余力拡大に伴う受託品製造の拡大や季節要因による生産数量拡大があるため、上期に比べて一段の改善が期待される。これらの結果、利益面でも上下比較で増益が期待できると考えている。同社は上期の利益大幅上振れにも関わらず通期予想を据え置いたため、下期は300百万円近い営業損失でも通期予想の達成が可能な状況へとハードルが大きく低下した状況にある。しかしながら、前述のように下期は上期比増益となり、結果として、通期のセグメント営業利益は予想比上振れで着地する可能性が高いと考えられる。

医療従事者派遣・紹介事業は売上高13,500百万円(前期比12.8%増)、営業利益1,950百万円(同5.9%増)と増収増益を予想している。上期は、売上高こそおおむね計画線で推移したものの、利益は派遣原価の上昇と先行投資的費用によって未達となった。下期については、9月に薬剤師紹介事業の成約件数が大幅増加(収益認識は下期)したこともあり、通期ベースの業績見通しを維持している。弊社では薬剤師の需給バランスがタイトな状況が続いていることや、医師紹介事業について拠点整備・人員強化等の先行投資は上期で一段落したものの認知度向上のための広告宣伝費用が発生する見通しであることなどを理由に、慎重に見ておくべきと考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)

《RF》

 提供:フィスコ

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