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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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3328 BEENOS

東証P
2,132円
前日比
-64
-2.91%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
16.6 2.12 1.27 2.58
時価総額 276億円
比較される銘柄
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決算発表予定日

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BEENOS Research Memo(7):クロスボーダー部門を中心にEコマース事業の成長が続く


■今後の見通し

2. 事業セグメント別見通し
(1) クロスボーダー部門
BEENOS<3328>のクロスボーダー部門の流通総額は前期比18.8%減の17,500百万円、売上高は同10.1%減の3,450百万円を見込んでいる。第2四半期までの進捗率は流通総額で60.8%、売上高で59.8%となっており、営業利益に関しては開示していないものの第2四半期までで通期の計画を若干超えたものと見られる。下期も為替水準が110円/ドル前後で推移すれば売上高、利益ともに計画を上回る可能性が高い。

特に、海外転送・代理購入事業は足元の流通額が回復トレンドになっていることもあり、下期も好調に推移することが予想される。流通額拡大のために、国内での提携パートナーの拡充を進めていくほか、海外でのPR力強化も進めていく。

2017年2月には、Webサイト多言語化開発ツール「WOVN.io(ウォーブンドットアイオー)」を運営する(株)ミニマル・テクノロジーズと業務連携することを発表している。海外展開を検討するEC事業者向けに「WOVN.io」を提供することで、Webサイトの多言語化を短期間かつ低コストで実現可能とするほか、同管理画面上にて表示される「海外転送サービス」機能をONにすることで、海外ユーザーへの商品発送・多言語カスタマーサポートを無料で提供する(tensoで担当)と言うもの。今回の連携により、提携パートナーサイト数の更なる拡大が期待される。

また、「Add to Buyee」についても対応ECサイトの拡充に向け取り組んでいく。同社では取扱高上位400社に同ツールを提供することを目標としている。同ツールを付加することで利便性が向上し、取扱高の拡大につながるものと予想される。一方、海外ユーザーに対するPR強化に向けた取り組みとして、日本ECサイトとのバナー連携やSEO対策を継続的に実施していくほか、リアル店舗を含めた小売企業との連携やメディアとの連携などにも取り組んでいく計画となっている。

グローバルショッピング事業についても、通期で増収増益を見込んでいる。独自開発したレコメンデーションエンジンによるパーソナライズ機能の導入により、適確な商品情報を個々の会員に提供するだけでなく、流行トレンド等を検知できる仕組みを構築して、効果的なプロモーション活動を行うことで販売効率を高めていく。また、国内大手オークションサイトとの商品データ連携を2016年8月より開始し、eBayの一部の商品を「sekaimon」を経由して同サイトに出品しているが、今後も出品アイテム数を拡充していくだけでなく提携パートナーを増やしていくことで、流通額を拡大していく方針となっている。

(2) バリューサイクル部門
バリューサイクル部門の通期売上高は前期比12.7%増の10,850百万円、営業利益は同29.9%増の430百万円を見込んでいる。第2四半期までの通期計画に対する進捗率は、売上高で49.8%、営業利益で71.7%となっており、いずれも会社計画通りの推移となっている。下期以降もテレビCMを中心とした広告宣伝を継続していくほか、買取りの提携先数拡大、スマートフォンを軸としたサービス機能の向上を図ることで、買取り件数の更なる拡大を目指していく。販売面では国内外で販売チャネルを追加し、販売機会を増やしていくことで、収益の最大化を実現していく戦略だ。また、コスト面では業務人件費の低減を進めていく。単価の高い人材派遣からアルバイトにシフトすることでトータル人件費率の圧縮を図っていく。

ネットを介した中古買取販売市場は、ここ1~2年で「メルカリ <4385> 」などフリマアプリを使ったC2Cの市場が拡大しており、ブランド品においても流通規模が拡大していると見られるが、当面は同社の業績への影響はないと見ている。フリマアプリの主な市場がリユース品としての平均販売価格1,000円未満のカジュアルブランドであるのに対して、「ブランディア」は、リユース品としての平均販売価格が1,000円~10,000円のセカンドブランドがメインとなっているためだ。また、中古品をまとめて処分したいという需要の受け皿にもなっている。とはいえ、中期的には競争が激化する可能性があり、同社においては競争優位性を維持するための付加価値サービスの開発や販売チャネルの拡大、認知度向上に向けた施策等に引き続き取り組んでいく方針となっている。

(3) リテール・ライセンス部門
リテール・ライセンス部門の流通総額は前期比2.4%減の8,650百万円、売上高は同3.5%減の4,400百万円、営業利益は若干の増益を見込んでいる。第2四半期までの通期計画に対する進捗率で見ると、流通総額で52.4%、売上高で57.9%と順調に推移しているが、営業利益に関してはネットショッピング事業の低迷もあって30%以下の水準にとどまっていると見られ、下期以降の同事業の収益動向次第では、利益面で計画を下回る可能性がある。

商品プロデュース・ライセンス事業については、流通額の拡大につながる有力コンテンツの獲得を推進していくほか、国内での流通ネットワーク体制の強化(人員の増員等)や業務の効率化に取り組むことで、増収増益を目指していく。

一方、ネットショッピング事業では、独自性の高い商品ラインナップの拡充やオリジナル商品の開発に注力し、売上増につなげていくほか、事業開始から17年間のEコマースノウハウを活かした施策に取り組むことで収益を回復していく考えだ。具体的には、新規顧客向けプロモーションを積極化していくほか、美容関係を中心とした定期購入商材の強化やプレミアムサービス特典等の拡充を行っていく。

(4) インキュベーション事業
インキュベーション事業の業績は、売上高が前期比8.1%増の1,300百万円、営業利益が同3.5%増の800百万円を見込む。下期に出資企業の株式売却益を計上する予定となっている。なお、出資企業の株式を売却する際の判断材料としては、出資先企業の次のラウンドでのファイナンス時や、成長を加速していくための新しいパートナーが見つかった場合、あるいはIPOする場合などが想定される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ
編集部注:メルカリの上場決定を受け、コード番号を5月14日に追記

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