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3323 レカム

東証S
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時価総額 75.2億円
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レカム Research Memo(5):不採算事業からの撤退完了、主力事業へのフォーカスにより成長トレンドへ


■業績動向

●過去の業績動向と2013年以降の中期経営計画
2004年4月の株式公開以降の業績の推移を見ると、通信機器製造事業に参入したことにより、売上高は2007年9月期に11,916百万円まで拡大する局面があった。しかし、2009年9月期に通信機器製造を手掛けるケーイーエスの業績悪化を境に、その後は、売上高、営業利益とも低迷を余儀なくされる格好となっていた。2013年9月に通信機器製造事業を売却し、同事業から完全撤退したことで負の要因がなくなり、2014年9月期に業績は回復トレンドに転換した。

レカム<3323>では不採算事業からの撤退が完了したのを受けて、2013年9月に主要事業への選択と集中を行うと同時に財務基盤の安定化※1を進める中期経営計画(2014年9月期?2016年9月期)を発表した。2014年9月期に目標としていた財務の安定化が前倒しで実現できたことから、2014年11月に2015年9月期から2017年9月期を3年間とする中期経営計画を策定、公表した。
※1有利子負債を4分の1まで圧縮、株主資本比率40%超を達成、配当可能な財務基盤の早期構築を目標としていたが、2014年9月期に有利子負債は前期末比218百万円減少し429百万円となったほか、自己資本比率は45.7%へ改善した。

その概要は、6万社の顧客基盤やアジア展開のノウハウなど同社の強みを活かすことにより、1)顧客内での同社のシェアアップ、2)ストック型のサービスの拡大、3)アジアにおける経営ノウハウの有効活用、などを行い、2017年9月期に連結売上高7,000百万円、営業利益500百万円を達成、同時に自己資本比率50%、配当性向30%も達成することで、経営ビジョン「A&A111+(Action & Achievement「行動、そして達成」)」※2を実現することを目標とした。
※2株主にとって「No.1」、顧客にとって「オンリー1」、業界で質量ともに「No.1」、従業員にとって最も魅力的な「Best1」企業グループ。

●2015年9月期連結業績の概要
2015年9月連結業績は、売上高3,718百万円(前期比1.0%増)、営業損失64百万円(前期は101百万円の営業利益)、当期純利益28百万円(同59.6%減)となった。なお、売上高については8期ぶりの増収に転じた。また、当期純利益は子会社の大連レカムの株式売却益53百万円を計上※3したことなどから、2期連続して黒字を確保した。
※3 2018年以降に中国新興市場での株式上場を目指している。

売上高が増収を確保したのは、情報通信機器事業が減収となったものの、BPO事業が増収となったことが主要因。売上総利益が収益性の高いビジネスホンの売上減少というミックスの変化により908百万円と前期比4.9%の減益となった(売上総利益率は26.0%から24.4%へ低下)。加えて、販管費は営業手法改革の実施による初期投資費用(顧客データベース再構築や教育研修費)や新卒採用(20人)による人件費増加などにより前期比で113百万円増加したことから、営業損失に転落する格好となった。

セグメント別に見ると、情報通信機器の売上高は前期比2.1%減の3,519百万円、営業損失69百万円と減収・減益。チャネル別の売上高は、直営店が同2.4%減の1,847百万円と減少したものの、加盟店は同0.4%増の1,541百万円と微増となり、5期ぶりの増収を確保した。商品別には、新しい販売プランを採用したデジタル複合機が18.9%増加したものの、UTM、LEDが減少したマイナスをカバーできなかった。減益は、収益性の高いビジネスホンが落ち込んだことが主要因。

一方、BPO事業の売上高は前期比14.5%増の328百万円、営業利益は前期比で31百万円減少し1百万円にとどまった。増収は前期のM&A効果に加えて、営業社員増強により新規受注が好調に推移したことが要因。減益となったのは、円安によるオペレーションコストの増加、中国の3社合併※1手続きの遅れに伴う管理コスト負担、ミャンマーの立上げコスト負担などによる。
※1大連レカム通信設備有限公司が大連新涛諮詢服務有限公司と大連求界奥信息服務有限公司の2社を吸収合併する計画となっていた(大連新涛諮詢服務有限公司は9月末までに完了)が、大連市当局の手続きの遅れにより、11月末にずれ込んだ。

期初会社計画対比(売上高4,662百万円、営業利益160百万円、当期純利益136百万円)では、すべての項目において計画を下回る結果となったが、同社は8月10日と9月25日に2度にわたり下方修正を行った。先ず8月10日に関しては、中期経営計画に基づいた販売戦略の転換※2により直営店の販売が第1四半期(2014年10月?12月)に落ち込み、低迷した状態が第3四半期まで続いたことが主因。一方、9月25日に関しては、1)新販売プランの導入によりデジタル複合機の販売が想定を上回る一方、収益性の高い主力のビジネスホンが落ち込んだこと、2)BPO事業で一部大型案件を失注したこと、3)同社が過去に販売したビジネスホンでの不正アクセスが発生、その対応のための特別損失の発生を織り込んだこと、などによる。
※2同社では「抜本的な営業手法の改革」と呼んでいる。具体的には、従来は商品自体を差別化要因として新規開拓をしてきたが、過去3年間営業マン1人当たりの売上高が伸び悩む格好となった。このため、顧客にフォーカスし、顧客のシェアアップを図る戦略へ転換した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)

《HN》

 提供:フィスコ

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