【大復活】“10年超”ぶり最高益に上方修正した銘柄リスト <成長株特集>
18年3月期中間期(4-9月)は、輸出関連企業を中心に好決算が続出し、通期予想の上方修正に踏み切る企業が相次いだ。株探集計によると、10月1日~11月30日の期間に18年3月期の経常利益予想を上方修正した企業は452社と昨年の同期間に比べ100社以上も増えた。本特集では、この452社のうち過去最高益を数年ぶりに更新する見通しとなった“大復活”銘柄にスポットライトを当ててみた。
下表では、10月1日~11月30日に18年3月期の経常利益予想を上方修正した企業の中から、上方修正により過去最高益を“10期以上ぶり”に更新する見通しとなった13社を選び出し、「最高益更新の間隔期数が多い」→「上方修正率の大きい」順に記した。
最高益の間隔期数トップは、橋梁最大手で工場や物流倉庫といったシステム建築にも強みを持つ横河ブリッジホールディングス <5911> 。同社は10月31日、18年3月期の経常利益を従来予想の82.5億円→116億円に上方修正し、1988年3月期に記録した過去最高益83.7億円を実に30年ぶりに更新する見通しとなった。豊富な手持ち工事を背景に売上が好調に推移する中、大型工事の損益改善や稼働率向上などが利益を押し上げる。上方修正がポジティブサプライズとなり、株価は1991年以来、約26年ぶりに2500円台突破を果たした。
2位の省エネ、空調工事を主力とするヤマト <1967> は受注環境の好転や生産システムの合理化効果で工事採算が上向き、25期ぶりの過去最高益に上方修正した。3位の森組 <1853> [東証2]も建設事業の採算改善が利益の押し上げ要因となる。業績上振れを受け、ヤマトが約18年4ヵ月ぶり、森組は約11年7ヵ月ぶりの高値圏に急浮上したが、指標面では両社ともに予想PER10倍以下と割安感が強く、上値余地はまだ大きいとみられる。
4位の東京精密 <7729> は半導体メーカーの旺盛な設備投資需要を背景に、主力の半導体製造装置の販売が想定以上に伸びる。18年3月期の経常利益を17期ぶり最高益に14.3%上方修正するとともに、年間配当も5期連続の増配となる82円に増額修正した。株価は半導体の供給過剰懸念が浮上したことで軟調な展開となっているが、半導体の需要拡大基調は継続しており、見直し買いが入ることが期待される。
5位のフライングガーデン <3317> [JQ]は外食関連で唯一のリスト入りとなった。同社は北関東を地盤にハンバーグチェーンを展開。5月にテレビ番組で紹介された効果で客数が伸び、月次ベースの既存店売上高は前年比プラスが続いている。4-9月期の経常利益が上方修正後の通期計画に対して進捗率が76.4%に達しており、再度上方修正する可能性も高いとみられる。
選出リストでは、世界的な設備投資需要の拡大が追い風となる企業が目立つ。8位のエスペック <6859> は自動車やスマートフォン関連向けに環境試験器、9位のトーカロ <3433> は半導体・FPD分野向け溶射加工、10位の上村工業 <4966> [東証2]はプリント基板やパッケージ基板用めっき薬品と、それぞれ主力製品の受注が拡大する見通しだ。
11位の富士電機 <6504> はインバータなどのFA関連機器や産業機械向けパワー半導体の販売が伸びる。同社は下期の想定為替レートを1ドル=105円としており、現在の為替水準が続けば業績に追い風材料となる点に留意したい。また、12位のソニー <6758> は18年3月期経常利益を10期ぶり最高益に上方修正した。スマートフォン向け画像センサーの販売好調に加え、音楽事業の伸長や想定レートの変更などが上振れの要因だ。なお、業績予想にはリスク対応費用として500億円を織り込んでいる。下方修正を繰り返した過去もあり、慎重に見積もっているようだ。もちろんリスクが発生しなければ、さらに上方修正する可能性がある。
最高益 ┌─ 経常利益 ──┐
コード 銘柄 間隔期数 上方修正率 修正前 修正後 発表日
<5911> 横河ブHD 30 40.6 8250 11600 10/30
<1967> ヤマト 25 9.8 3060 3360 10/20
<1853> 森組 24 63.2 1360 2220 11/10
<7729> 東京精 17 14.3 14000 16000 11/14
<3317> フライングG 13 27.3 330 420 10/30
<9513> Jパワー 12 22.7 66000 81000 10/31
<9957> バイテックH 12 13.6 2200 2500 11/7
<6859> エスペック 11 18.4 3800 4500 10/30
<3433> トーカロ 11 16.7 6000 7000 10/31
<4966> 上村工 11 14.8 7090 8140 11/10
<6504> 富士電機 11 8.5 47000 51000 10/26
<6758> ソニー 10 27.7 470000 600000 10/31
<8012> 長瀬産 10 22.0 20900 25500 11/2
※単位:経常利益は百万円、上方修正率は%
株探ニュース
下表では、10月1日~11月30日に18年3月期の経常利益予想を上方修正した企業の中から、上方修正により過去最高益を“10期以上ぶり”に更新する見通しとなった13社を選び出し、「最高益更新の間隔期数が多い」→「上方修正率の大きい」順に記した。
最高益の間隔期数トップは、橋梁最大手で工場や物流倉庫といったシステム建築にも強みを持つ横河ブリッジホールディングス <5911> 。同社は10月31日、18年3月期の経常利益を従来予想の82.5億円→116億円に上方修正し、1988年3月期に記録した過去最高益83.7億円を実に30年ぶりに更新する見通しとなった。豊富な手持ち工事を背景に売上が好調に推移する中、大型工事の損益改善や稼働率向上などが利益を押し上げる。上方修正がポジティブサプライズとなり、株価は1991年以来、約26年ぶりに2500円台突破を果たした。
2位の省エネ、空調工事を主力とするヤマト <1967> は受注環境の好転や生産システムの合理化効果で工事採算が上向き、25期ぶりの過去最高益に上方修正した。3位の森組 <1853> [東証2]も建設事業の採算改善が利益の押し上げ要因となる。業績上振れを受け、ヤマトが約18年4ヵ月ぶり、森組は約11年7ヵ月ぶりの高値圏に急浮上したが、指標面では両社ともに予想PER10倍以下と割安感が強く、上値余地はまだ大きいとみられる。
4位の東京精密 <7729> は半導体メーカーの旺盛な設備投資需要を背景に、主力の半導体製造装置の販売が想定以上に伸びる。18年3月期の経常利益を17期ぶり最高益に14.3%上方修正するとともに、年間配当も5期連続の増配となる82円に増額修正した。株価は半導体の供給過剰懸念が浮上したことで軟調な展開となっているが、半導体の需要拡大基調は継続しており、見直し買いが入ることが期待される。
5位のフライングガーデン <3317> [JQ]は外食関連で唯一のリスト入りとなった。同社は北関東を地盤にハンバーグチェーンを展開。5月にテレビ番組で紹介された効果で客数が伸び、月次ベースの既存店売上高は前年比プラスが続いている。4-9月期の経常利益が上方修正後の通期計画に対して進捗率が76.4%に達しており、再度上方修正する可能性も高いとみられる。
選出リストでは、世界的な設備投資需要の拡大が追い風となる企業が目立つ。8位のエスペック <6859> は自動車やスマートフォン関連向けに環境試験器、9位のトーカロ <3433> は半導体・FPD分野向け溶射加工、10位の上村工業 <4966> [東証2]はプリント基板やパッケージ基板用めっき薬品と、それぞれ主力製品の受注が拡大する見通しだ。
11位の富士電機 <6504> はインバータなどのFA関連機器や産業機械向けパワー半導体の販売が伸びる。同社は下期の想定為替レートを1ドル=105円としており、現在の為替水準が続けば業績に追い風材料となる点に留意したい。また、12位のソニー <6758> は18年3月期経常利益を10期ぶり最高益に上方修正した。スマートフォン向け画像センサーの販売好調に加え、音楽事業の伸長や想定レートの変更などが上振れの要因だ。なお、業績予想にはリスク対応費用として500億円を織り込んでいる。下方修正を繰り返した過去もあり、慎重に見積もっているようだ。もちろんリスクが発生しなければ、さらに上方修正する可能性がある。
最高益 ┌─ 経常利益 ──┐
コード 銘柄 間隔期数 上方修正率 修正前 修正後 発表日
<5911> 横河ブHD 30 40.6 8250 11600 10/30
<1967> ヤマト 25 9.8 3060 3360 10/20
<1853> 森組 24 63.2 1360 2220 11/10
<7729> 東京精 17 14.3 14000 16000 11/14
<3317> フライングG 13 27.3 330 420 10/30
<9513> Jパワー 12 22.7 66000 81000 10/31
<9957> バイテックH 12 13.6 2200 2500 11/7
<6859> エスペック 11 18.4 3800 4500 10/30
<3433> トーカロ 11 16.7 6000 7000 10/31
<4966> 上村工 11 14.8 7090 8140 11/10
<6504> 富士電機 11 8.5 47000 51000 10/26
<6758> ソニー 10 27.7 470000 600000 10/31
<8012> 長瀬産 10 22.0 20900 25500 11/2
※単位:経常利益は百万円、上方修正率は%
株探ニュース