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3302 帝国繊維

東証P
2,264円
前日比
-31
-1.35%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
18.5 0.92 2.21 2.98
時価総額 623億円
比較される銘柄
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決算発表予定日

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【実況!決算説明会】スパークス・グループ<8739>---2017年3月期通期決算(3/7)


このコンテンツは、スパークス・グループ<8739>の2017年3月期の通期決算説明会の音声を文字に起こしたものです。なお、実際の説明会で使用された資料は、同社のウェブサイトをご覧下さい。7本に分けたコンテンツの3本目です。

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司会:では、事業別に見ていきます。
日本株式投資戦略です。
日本株式長期厳選投資戦略や、日本株式環境・クリーンテック投資戦略のように、残高が伸びているものもあれば、ロング・ショート投資戦略のように大きく残高が減ってるものもあります。この日本株の戦を、お願いします。
阿部:スパークスは様々な世界を代表する評価機関から、毎年毎年、定量的・定性的に高い評価をいただいています。過去4年間、毎年、日本株式部門で最優秀の投資会社であると言ってくださっているところもあります。
特定のファンドに限らず、スパークスの日本株式運用調査部門が、日本で最優良だということを、1年でなく、何年も言っていただいてるということで、ミシュランの三ツ星を連続でいただいてる会社だという風に自負しております。
外部の世界的な評価会社が言ってくださっているのですが、それが投資家に訴求できない、マーケティングが弱いと言われても仕方がない状況です。そこで、あらゆる投資戦略で「いい投資」をすることを、まず一義的に考えることが、益々大事だと思っています。
スパークスが最もエッジを効かせられる領域。例えばロング・ショートです。ロング・ショートは、いわゆるヘッジ運用ですが、スパークスが日本では、最初に始めた会社と言っても過言ではありません。
ただ、現状では、競争力、運用規模で、後発の運用会社に遅れをとっています。この20年にわたるヘッジ運用の私どもの実績を、何とか世界の投資家にもう一度評価していただけるようにしなければいけないというのが日本株でいうと、私が取り組んでる今一番大きなテーマです。
これは私自身が運用の現場への関わりを再び深めていくことだと思っています。
スパークスも、全体で約1兆円、日本株でいうと約8000億円を運用する会社になりました。となると、どうしても機関投資家的なメンタリティが運用者の中に出てきてしまいます。できるだけ損失を出さないということが投資の目的になってしまうんです。
それが機関投資家のメンタリティという風に、一言で言うといえるんですが、もう一度、儲ける投資をするためのファイティング・スピリットを醸成することが大事です。そこで、ロング・ショート運用の最初に始めたファンドについては、今、私が直接陣頭指揮をとって運用しております。
少しずつ成果が出てきています。スパークスの運用者たちは、日本でどこに出してもトップクラスです。私たちはそういうトップの運用者がレイヤーになっている会社です。1人だけすぐれた人がいるのではなくて、何人もそういうプロが育っています。
そういうプロと一緒に、もう一度、儲ける。投資のリターンを出していくスピリットを醸成することに取り組んでおります。
それから、この中で言うと、環境・クリーンテック投資や株主責任投資で、スチュワードシップに関連した投資も進めております。

司会:スチュワードシップに関連してでは、今期に入り、<3302>帝国繊維株式会社に資本効率の改善を要請しました。
この理由をお願いいたします。
阿部:スパークスは、スチュワードシップファンドによる投資を3年ほど前に、再開しました。
2003年にアメリカのカルパース(カリフォルニア州職員退職年金基金)と一緒にバリュー・クリエーション・ファンドというファンドを始めました。これは日本の株主として、企業と一緒に企業価値を上げていくという、あまりこの言葉を使いたくないんですが、いわゆるリレーショナル、もしくはアクティビスト投資と色分けされている投資領域です。つまり株主が株主として、企業と一緒に価値を高めていくという、当然株主がやることをやるということです。その投資をカルパースと一緒に始めたのが始まりです。
ただ、日本の株式市場が非常に低迷したので、カルパースは資金を引き揚げ、スパークスは、この投資を取りやめました。
しかし、過去3年間で日本の状況は大きく変わりました。
きっかけはアベノミクスです。コーポレートガバナンス・コードとスチュワードシップ・コードを重要視することが、政策のテーマとなりました。この政策がテーマになったことは、それまでなかったものすごく大きな出来事です。
スチュワードシップは、これから申し上げる企業の取組みに注目します。
企業が一生懸命に、よりよい業績・価値を上げていくということに取り組む。
そのために、使用する資本の効率的な運用を考える。
それから、ステークホルダーを意識しながら売上を配分していきます。
まずお客さん、それから、取引先です。
それから従業員、お金を借りる金融機関。
さらには、税金を払う、国、地方という公共的なファンクションにも、一部のステークホールディングパワーがあります。
それを全部まとめて最後の残余価値を受け取るのが株主です。
ですから、株主というのはステークホルダーへの配慮が一つでも欠けると、長期的に維持できる価値を生むことを担保できないんです。
どこかだけを大きく節約して、一時的な利益を出すことを株主は望んでないし、そうあるべきではありません。
長く成長し続ける形をどう作るかというのが、コーポレートガバナンスが言っていることであり、コーポレートガバナンスを実際に株主として、その実行を促すというのがスチュワードシップ、スチュワードというのは財産管理人という意味です。
つまり私たちの役割は多くの投資家から委託を受けた資金を、その保全人として、会社の経営者にちゃんと私たちのこともしっかり視野に入れた長期的に反映できる形を作ってくださいと申し上げることです。
日本の場合、これまでほとんど誰も、声に出していうことをしてこなかった。
ただ、これも丁寧にコミュニケーションしないと、誤解を受けて逆にマイナスに働いてしまうことがあることも、よく理解しています。
企業は、そこで生まれてくる文化や歴史を背景に成り立つものです。それぞれの企業が成り立っている、もしくは成り立ってきた事情をしっかりと理解しながら、でも、誰が考えてもおかしいことについては変えていただくことを伝えなければなりません。
そういう意味でこの帝国繊維は、日本の企業の多くに共通する、株主を十分に考えてこなかったレガシーが、色濃く残っているケースです。帝国繊維の経営者はこれまで立派な業績を上げてこられているんですが、その業績の果実が、株主に十分に還元されてないということを問題視しています。
私たちは、マイノリティーシェアホルダーで5%しか株は持っていません。ただ、私たちが言っていることは誰が考えても、合理的なことです。会社の経営陣の皆さんもそう思っておられると思っています。
なぜかというと3年間帝国繊維とスパークスはお話を続けて、皆さん私たちが、今回、提案していることについては、「それは問題だというふうに思っております」と認識されていることを確認した上で、今回の提案をさせていただいているので、経営陣自身もそう思っている。
ですから、「思っていることについてはぜひ変えていきましょうよ」ということを世の中に訴えかけました。多くの皆さんに共感していただきたい。時間がかかっても必ずやり遂げたいと思っています。
急いではいません。時間をかけて意識の転換を促すということだから。でもこれは誰かがやらなきゃいけない。
なぜかというと私たちは、声なき多くの投資家、高齢者が将来を託している年金の資金であったり、子供の将来の進学のために蓄えてきた資金を受託して運用しているからです。一人一人は何も言わないけれど、日本全体で考えると、そういう人たちが報われる社会にすることこそが株式会社が果たす役割です。
そこに何とか私達も一歩踏み込んでいきたいということです。こういった表立った活動は、スパークスらしくないといえば、らしくないです。騒ぎを起こすことが私たちの目的ではありません。
でも、当たり前のことを言って当たり前に理解していただく投資、株式投資の環境を作りたいということで、今回、要請をさせていただきました。

(4/7)に続く

《FA》

 提供:フィスコ

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