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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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3254 プレサンス

東証S
1,754円
前日比
-1
-0.06%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
7.8 0.67 2.39 12.54
時価総額 1,221億円
比較される銘柄
スターツ, 
グローバル社, 
デュアルT
決算発表予定日

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プレサンス Research Memo(4):土地の先行取得は順調、大規模開発案件やブランドシリーズ展開加速


■成長戦略

(1)中長期的な利益目標

プレサンスコーポレーション<3254>は外部環境に即応し経営の自由度を確保するために、あえて中長期計画を策定しない方針を取っているため、具体的な数値目標はない。ただし、経済環境が悪化するなどの特別な要因がなければ、営業利益ベースで前期比2ケタ増(10%強の年成長率)を目標と考えている。2008年3月期から2016年3月期までの8年間の営業利益の伸びが年14.0%であったという実績からすると、この目標は堅実なものと考えてよいだろう。ちなみにこの期間はリーマンショックや東日本大震災などがあり、必ずしもマンションデベロッパーにとっての環境が良かったわけではない。

(2)仕掛販売用不動産および販売用不動産のベンチマーク

土地の仕入れが雌雄を決するマンションデベロッパーにとって、現状の首都圏マンション用地の高騰は懸念材料である。同社は潤沢な内部留保を背景に積極的に借入も行い、近畿圏中心にマンション用地の先行取得を進めてきた。2016年3月末の仕掛販売用不動産は88,376百万円、販売用不動産は4,173百万円、対売上高比率にすると仕掛販売用不動産は112%、販売用不動産は5%となる。マンションデベロッパー大手(上場16社)で比較すると仕掛販売用不動産比率が16社中トップであり、将来への仕込みが最も充実していると評価できる。また販売用不動産の売上比率は、16社中最も低いグループ(三菱地所<8802>、タカラレーベン<8897>と同等)である。完成在庫の少なさは営業力や商品力の高さを示しているとも解釈できる。

同社の2016年3月末の取得済用地をマンション戸数に換算すると、ファミリーマンション4,881戸、ワンルームマンション5,083戸、一棟販売2,273戸に相当する。また、これを同期の引渡実績をベースに勘案すると、ワンルーム・ファミリーマンションでは約3期分、一棟販売では前期400戸程度の引渡実績があり、その5倍程度の用地が取得されている。積極的な仕入れを可能にしているのは資金力だけではなく、情報力も一役買っている。リーマンショック時も用地を買い続けた実績や審査・回答の早さが同社の強みであり、地場の不動産業者からの一次情報を獲得するうえで有利に働いている。

(3)「プレサンス」ブランドのシリーズ展開

同社のブランド展開の基本はワンルームマンション「プレサンス」とファミリーマンション「プレサンス ロジェ」である。今後は、「プレサンス レジェンド」と冠される大規模開発案件や「プレサンス グラン」を称するハイグレードマンションが増加し、ブランドのシリーズ展開が加速する見込みだ。レジェンドシリーズでは、プレサンス レジェンド 琵琶湖(497戸、2018年3月期竣工)やプレサンス レジェンド 堺筋本町タワー(337戸、2018年3月期竣工)が注目のビッグプロジェクトだ。グランシリーズでは、プレサンス グラン 丸の内(117戸、2018年3月期竣工)などが計画され、1億円を超えるプランも販売される予定だ。

(4)ホテル事業への取り組み

訪日外国人旅行者の増加を背景としてホテル不足は深刻化しており、この傾向は近畿圏においても同様である。同社では大阪・京都の中核駅に隣接した取得用地の中から、マンション事業よりもホテル事業として取り組んだほうが収益向上を見込める場所において、ホテル事業を展開する方針だ。既に完成予定の物件が5件(2018年3月期に大阪で2物件、京都で1物件完成予定。2019年3月期に大阪で2物件完成予定)ある。このうち4物件に関しては、ホテル事業会社へ売却するスキームだが、1物件は自社で保有しホテル運営会社に運営委託する計画である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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