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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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3245 ディア・ライフ

東証P
999円
前日比
-6
-0.60%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
8.6 1.98 4.60 10.80
時価総額 449億円
決算発表予定日

銘柄ニュース

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DEAR・L Research Memo(4):潜在成長力の高い市場


■ディア・ライフ<3245>のアウトソーシングサービス事業

(1)成長性が高いセルフストレージ市場

a)第一人者である子会社パルマ
セルフストレージ市場は潜在成長力の高い市場である。連結子会社で昨年東証マザーズに上場したパルマは、この高成長が期待されるセルフストレージ事業者向けのサービスを多面的に提供しており、業界におけるサービスプロバイダーとしての第一人者である。上場を果たしたことで、認知度、信用力がさらに高まったパルマは、今後もこの成長余地の大きいセルフストレージ事業のマーケットリーダーであり続けることが大いに期待される。

b)大きな潜在需要が見込まれるセルフストレージ
セルフストレージとは、レンタル収納スペースの総称であり、今後個人利用の大きな拡大が見込まれる。個人利用では主に家財・日常使用頻度の低い物品の保管などに利用される。遺品の保管や、都心の狭小住空間を補完する収納空間としての需要が増えてきており、また引越し・移転や離婚時の一時的な荷物保管としてのニーズも大きい。この様な個人の潜在需要が大きいと見込まれる為、物件供給、サービスの普及に合わせて市場の急拡大が予想されている。

c)遅れている日本での普及
セルフストレージの利用が既に普及している米国では11世帯に1室の利用があるのに比べ、わが国では156世帯に1室の利用しかないのが現状である。住宅環境を鑑みれば日本の方が高い普及率となってもおかしくなく潜在需要は大きいと言えるだろう。

d)今後は不動産型施設が主流へ
セルフストレージ施設は、コンテナ型の簡易な施設から建物内にきちんと区分されたビル型施設まで様々な形態がある。コンテナ型施設への自治体による建築確認取得の行政指導が強化されたことや、収益物件としてスペックのしっかりした不動産に投資したい投資家ニーズも鑑みると、今後はビル型施設の供給比率が高まるものと思われる。コンテナ型に替わり主流となり得る不動産型施設の供給推進において、同社はセルフストレージ専業者に比べ物件情報、コンバージョン・ノウハウなどで不動産開発業者としての強みを発揮していけるだろう。

(2)競争力の高いセルフストレージ事業者向けサービス

a)顧客管理が煩雑なセルフストレージ事業
小口空間を数多くのエンドユーザーに収納空間として賃貸するセルフストレージ事業者は、物件当たりのユーザー数が多く、ユニット当たりの家賃(月1万円強?)が低いため、住宅管理に比べて煩雑なデイリーオペレーションをこなさなければならない。そのセルフストレージ事業者向けにパルマが供給するアウトソーシングサービスは重層的で競合他社を圧倒している。

b)実務を代行するビジネスソリューションサービス
パルマはまずビジネスソリューションサービスとして、セルフストレージのエンドユーザーからの問合せ・申込み・解約を事業者に替わって受け付ける。日々の集金・決済手段提供、入金管理、滞納保証・管理はもちろんのこと、さらには物件の巡回清掃までの実務を一手に引き受けている。

事業者は、数多くのエンドユーザーへの個別対応や、小口入出金の多い資金管理を一括してアウトソースできる。また滞納物件の収納物処分などの滞納者管理や滞納保証のサービスも受けられる。煩雑な業務が多く住宅以上に物件管理、業務管理などをアウトソーシングするニーズが強い業界と思われる。既に相応の受託シェアを有する同社のビジネスソリューションサービスは、効率的なオペレーションを提供できていることから非常に競争力が高く順調に業務を拡大している。

c)デファクト化しつつあるITソリューションサービス
ITソリューションサービスでは、予約決済在庫管理システムを運営、Web集客サイトの管理運営を代行し事業者の効率的な事業運営をサポートしている。予約決済在庫管理システム「クラリス」の登録件数は前期末比約3千室増の約3万件に達し、集客サイトの登録件数は前期末比約7万室増の約20万件に急増している。このように既にシェアの高いセルフストレージ事業者向けのIT営業支援ツールのデファクト化がさらに進めば、セルフストレージ市場での当社の存在感がますます高まっていくだろう。

d)事業参入者に向けたターンキーソリューションサービス
セルフストレージ市場への関心のある投資家は、同社のターンキーソリューションサービスで事業計画から始まり物件開発、運営までのフルサービスを受けることが可能になる。新商品を求める大手不動産事業者、ポートフォリオの多様化を図る不動産投資家、海外での先行事例を熟知している海外事業者等の多くの潜在投資家が日本のセルフストレージ市場への投資に関心を持っている。一方で建築確認が取得されたスペックのしっかりした投資対象となり得るセルフストレージ施設は供給不足の状況にある。このような状況下、同社が提供する新規開業に必要なサービスをパッケージにしたターンキーソリューションサービス(あたかも鍵を回すだけで運転可能な施設を提供するサービス)の潜在重要は非常に大きい。

e)セルフストレージ物件開発・取得での不動産会社としての優位性
セルフストレージ物件開発のタイプには、土地を購入後、セルフストレージをゼロから開発し販売するいわゆるグリーンフィールドタイプと、改装可能な施設を仲介し、セルフストレージにコンバージョンするブラウンフィールドタイプがあるが、同社では取得機会に合わせ両タイプでの開発が可能である。既に稼働している物件の取得を含め同社はセルフストレージ事業者の為の物件調達能力が卓越している。セルフストレージ事業だけでなく広く不動産開発を手掛けていることで、入手できる用地や物件の情報が多種多様であることに加え、不動産業者としてコンバージョンノウハウを持っていることが、当事業を手掛けていく上での非常に大きな優位性となっている。

(3)不動産投資市場としてのセルフストレージ

a)収益物件として魅力的なセルフストレージ
不動産投資家の目線から見た場合、収益物件としてのセルフストレージ施設の魅力は大きい。まず1施設当たりの室数が多く、小口分散されており年間を通じて稼働率の変動を受けにくい。住宅同様に景気変動の影響は受けにくく、平均利用期間も30ヶ月と比較的長期で安定している。一方で住宅ほど駅に近いなどの立地にこだわる必要がなく水回り施設も不要なのでメンテナンスコストが低く抑えられる。賃料改定がホテルのように稼働率に合わせて変動可能なことも、積極運営を目指す投資家には魅力的である。

b)セルフストレージ・リートの組成上場も視野に
米国、オーストラリアなどでは、ストレージ施設は既に有力な投資対象として確立しておりストレージへの投資に特化したリートも存在する。

パルマも将来的なセルフストレージ専業リートの組成上場を視野に、スペックのしっかりしたストレージ施設の開発、幅広い潜在投資家層の呼び込みをターンキーサービス事業を通じて鋭意行っている。

パルマはセルフストレージ施設の開発から運営まですべてに関わり、セルフストレージ投資を物件供給者、投資家両面からサポートしている。セルフストレージ投資市場拡大普及に向けて同社の役割は計り知れない。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 秀 一浩)

《HN》

 提供:フィスコ

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