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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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3245 ディア・ライフ

東証P
1,013円
前日比
-2
-0.20%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
8.7 2.01 4.54 12.59
時価総額 455億円
決算発表予定日

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DEAR・L Research Memo(2):東京圏に事業エリアを特化


■リアルエステート事業

(1)東京圏の都市型マンションに特化して競争力を磨く

a)堅調な需要が見込める東京圏
ディア・ライフ<3245>は創業以来、東京圏の1R~DINKS向け都市型マンションを中心に不動産開発事業を展開している。人口減少期に入った日本においても、東京圏への人口流入の傾向は続いており、さらには働き方、ライフスタイルの変遷もあり、好立地の都心マンションへの需要はますます強まっている。

b)用地取得、建築発注にエリア特化の強み
このような環境下、需要の堅調な東京圏に事業エリアを特化することは、販売面だけでなく、用地取得、建築発注においても優位に働いている。情報の非効率性が依然大きい不動産業界では、有益な用地、物件情報であればあるほど、フェイストゥフェイスの商談が重要になってくる。当社はエリアを限定することにより、より効率的で密度の濃い仲介業者などとの業界人脈を構築できており、その情報取得力は高い。またエリアを限定することにより継続的に工事発注できることから、ゼネコン等建築業者ともより良い関係性を構築できており、品質の高い建築請負工事を実現している。

c)専門性高い内部人材がもう1つの強み
エリア限定の強みに加え、内部に一級建築士を始め専門性の高い人材を抱えていることも大きなアドバンテージとなっている。用地取得に関しては、素早く情報をキャッチすると同時にその開発ポテンシャルを素早く的確に算定し、競争力ある価格提示を迅速に行える目利き能力が不可欠である。また技術のわかる人材がいればコスト抑制策での創意工夫が進みやすく、ゼネコン等との折衝力が高まるのも明白である。

d)分譲事業には参入せず資産効率重視
同社は分譲事業には参入しておらず、1棟売りすることで資金回収を早め資産効率を高めている。売却先は寮・社宅などのニーズを持つ事業会社(価格面以上に納期やスペックへの優先順位が高く、タイミングが合えば好条件での取引が期待できる)、分譲や賃貸運営目的の不動産会社、REIT、個人富裕層等の投資家など幅広い。今後は先般発表された弁護士ドットコムが運営する「税理士ドットコム」のネットワーク経由で全国から都心の不動産投資ニーズを集めることも可能かもしれない。開発面では東京圏特化で効率性、競争力を高めている反面、販売面では自前の販売人員を抱えることなく広く可能性を探っている。

e)東京圏へ特化しながら事業規模拡大へ
今後のマンション開発事業展開としては、東京圏特化の強みは維持したまま、都心のサブエリア立地にも取得機会を探ったり、都心部ファミリーマンションなどの大型案件にもジョイントベンチャーを通じて参画するなどにより事業機会の創出を推進し、マンション開発事業の規模拡大も目指していく意向だ。

(2)今後は収益不動産へも注力

a)高い目利き力が活かせる収益不動産投資
同社は都市型マンションを開発から手掛けることを中心に業容を拡大してきたが、さらに事業基盤を拡大し収益の多様化を図るため、既に稼働している優良な中小型収益不動産への投資も積極化していく。収益不動産は、保有期間中に家賃収入を得た上で不動産サイクルを見極め、より良いイグジットのタイミングを図ることで収益の最大化を目指せる。また築古物件や空室率が一時的に高くなっている物件を安く仕入れ、保有期間中にリノベーションやテナント付けを行うことによって資産価値の向上を図った上で売却することなど技術力や不動産運営能力の高い当社であれば創意工夫の余地は大きい。

b)事業拡大、多様化の好機
都市型マンション開発で良好な実績を挙げ続け高成長を遂げた同社の信用力は高い。昨年増資を果たした事もありバランスシートの健全性がさらに高まり、金融機関とのリレーションも良好で借入余力も大きい。

この局面で収益不動産の投資に取り組むことで、資産の多様化が進められるのみならず、不動産の高い目利き能力、運用ノウハウを持つ同社ならば、その能力をフルに発揮し利益率と保有期間のバランスを計ることで、資産効率の更なる向上も目指せるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 秀 一浩)

《HN》

 提供:フィスコ

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