貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
株価20分ディレイ → リアルタイムに変更

3242 アーバネット

東証S
430円
前日比
-1
-0.23%
PTS
429.1円
10:37 04/24
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
8.8 0.98 4.65 18.49
時価総額 138億円
比較される銘柄
FJネクHD, 
コロンビア, 
ミガロHD
決算発表予定日

銘柄ニュース

戻る
 

アーバネット Research Memo(1):16/6期の業績は期初予想を上回る大幅な増収増益


アーバネットコーポレーション<3242>は、東京23区駅10分以内での投資用ワンルームの開発・1棟販売(卸売:BtoB)を基軸事業としている。用地取得からマンション開発、そしてマンション販売会社等への1棟販売を手掛けており、設計・開発に特化しているところに特徴がある。設計事務所からスタートしたデベロッパーとして、機能性やデザイン性に優れた「ものづくり」や、開発立地へのこだわりが入居者からの高い支持を受け、空室率の低さを誇っている。都心における不動産投資市況にはやや過熱感がみられるものの、従来からの不動産投資家に加え、将来の老後生活に不安を抱える新たな若年層の国内個人投資家や海外投資家の参入、相続税の実質増税に対応する富裕層などいくつもの追い風により好調に推移している。

2016年6月期の業績は、売上高が前期比48.6%増の17,704百万円、営業利益が同21.3%増の2,005百万円と期初予想を上回る大幅な増収増益となり、過去最高の売上高、営業利益を更新した。主力の不動産開発販売事業において、投資用マンションの販売戸数が15棟658戸(前期比104戸増)に増えたことや建売4棟が上乗せされたこと、予算外の土地転売があったことが増収に寄与した。また、不動産仕入販売事業についても、他社物件の1棟販売(30戸)などにより大きく拡大した。また、利益面でも、買取販売や土地転売の構成比が高まったことなどから売上総利益率は若干低下したが、国内外法人等への直接販売の寄与により想定を上回る水準を確保した。

2017年6月期の業績予想について同社は、売上高を前期比1.7%増の18,000百万円、営業利益を同14.7%増の2,300百万円と引き続き増収増益を見込んでいる。増収率が緩やかになっているのは、自社開発の投資用マンションの販売戸数が、工期長期化による期ずれや自社保有収益物件への変更により12棟599戸(アパート1棟12戸を含む)に減少することが要因である。ただ、国内外法人等への1棟一括直接販売(4棟)や不動産市況を反映した販売価格の上昇により増収を確保する見通しとなっている。利益面でも、国内外法人等への1棟一括直接販売の寄与により売上総利益率は21.4%(前期は18.7%)に大きく改善する見込みである。弊社では、今期販売予定の投資用マンションがすべて契約済となっていることなどから、同社の業績予想の達成は可能であるとみている。むしろ子会社による買取再販や、今期から開始する自社開発のアパート及び建売の追加的な販売が業績の上乗せ要因となる可能性にも注目している。

同社は、都心における用地取得が困難な状況となっているなかで、来期(2018年6月期)の販売予定分として既に609戸を確保しており、再来期以降の販売分を含めて、更なる積み増しにも取り組んでいる。ただ、弊社では、マイナス金利政策や相続税課税強化などを背景とした個人投資家の根強い需要や海外投資家からの強い投資意欲が続いているものの、都心における不動産市況にやや過熱感がみられることに加え、足元では為替や株式など金融市場に不安定な動きがあること、さらには将来的に起こり得る循環的な景気変動の影響等を勘案して、これまでの積極的な拡大路線がやや慎重なスタンスへと転換されるシナリオも念頭に置く必要があるとみている。来期以降の用地取得の状況に加えて、100%子会社(株)アーバネットリビングによるBtoC事業(アパート及び建売の販売や他社物件の買取再販、マンション管理及び賃貸事業等)の強化など、次の成長ステージに向けた施策の進捗にも注目していきたい。

■Check Point
・投資用ワンルームを主力にして規模を拡大
・17/6期は引き続き増収増益を見込んでいる
・投資用マンションの根強い需要を背景に好調な業績が見込まれる

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均