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GW特別企画「居酒屋銘柄」飲んで食べて調べる“妙味株” <株探トップ特集>


―まだら模様の「居酒屋業態」、店頭取材で好調企業を探る―

 居酒屋業態が、どうもパッとしない。顧客ニーズの急速な変化や、人口減少などといったさまざまな要因が挙げられるなか苦戦を強いられているチェーン店も少なくはない。ただ、そのような状況下でも創意と工夫で業績を伸ばしている企業も多く、株式市場でも時折物色の矛先が向かう。今回は、ゴールデンウイーク特別企画……と称し、注目の居酒屋チェーンに潜入取材を慣行。実際にその商品を味わうことで、居酒屋銘柄の現状と味に迫った。

●底打ちの兆しもみられるが……

 日本フードサービス協会が4月25日に発表した「外食産業市場動向調査・平成30年3月度結果報告」によると、「居酒屋」の売り上げは前年同月比2.5%減と引き続き苦しい状況となっている。特に、売り上げが11.4%増と16ヵ月連続して前年を上回った「焼き肉」とは対照的な状況だ。同協会では、居酒屋市場の売り上げの減少について「大きな理由は店舗数の減少」と分析する。その背景にある明確な理由については、分析が難しいという。ただ、「さまざまな指標から全体マーケットを俯瞰してみると、まだまだ反転というほどの力強さはないものの、わずかだが昨年あたりから底打ちの兆しもみられる」としている。

 ある業界関係者は、個人的な見解と断りながら、「居酒屋チェーンの苦戦は、団塊世代のリタイアが進んだことも響いている。さらに、若い人から“飲むという文化”が薄れていることも背景にある」という。特に居酒屋チェーン店の主戦場は首都圏などのターミナル駅周辺であり、仕事終わりに一杯飲んで帰宅するといった団塊世代の“人種”が減少したことが売上減につながっているという見方だ。

 向かい風の強い居酒屋チェーンだが、それでも成長を続ける企業は少なくない。もちろん、いまの世のなか、黙っていてもお客は店の暖簾(のれん)をくぐってはくれない。味はもちろんのこと、特色ある店舗づくりとアイデアが必要になる。記者は4月も終わろうとする某日、味と株価の行方を求めて、夜の繁華街にひとり取材に向かった。

●まずは初見の串カツ田中、いい揚がり具合にほれぼれ

 取材地は、東京西部に位置するターミナル駅の周辺。ここ急速に再開発も進み、発展著しい人気のスポットだ。時刻は午後5時過ぎ、初夏も近い街はまだ陽が高い。飲食店の多い南口を出て、まず向かったのが株式市場での注目度がひときわ高い串カツ田中 <3547> [東証M]。株価は、3月末に急伸し3100円近辺から4月5日には一気に3990円まで買われ注目を集めたが、その後は調整し現在は3300円近辺でもみ合っている。同社は、4月13日に18年11月期第1四半期決算(単独決算)を発表。営業利益は前年同期比9.3%増の5900万円、経常利益は同3.4%増の8300万円だった。

 何はともあれ、店に入りカウンターに座る。カウンター越しに、串を丁寧に揚げる店員の姿があった。実のところ記者は、長年の居酒屋通い生活のなかで、同店に入ったのは初めて。この潜入取材はスタートしたばかり、まずは串カツの牛と豚としいたけの3本だけを注文。記者は、揚げ物にはホッピーと決めており、これで串カツをいただく。お通しのキャベツと串カツの食べ合わせも抜群で、ホッピーの「なか(焼酎)」を2杯飲む。もう1杯といきたいところを、ぐっと我慢。それにしても串カツの、いい揚がり具合にほれぼれするばかりだった。

 同社は、6月1日から串カツ田中の全店約180店舗(立ち呑み3店舗を除く)で全席禁煙化または一部フロア分煙化すると発表した。記者が訪れた際も、後ろに小さな子どものいる家族連れがいた。愛煙家としてはちょいと寂しいが、これも世の流れ、いたしかたないだろう。4月4日に発表した3月度の月次報告では、既存店売上高が前年同月比2.1%増と5ヵ月連続で前年実績を上回った。客単価が同0.1%減と前年並みに回復してきたことに加えて、客数が同2.2%増と伸長したことが寄与した。また、全店売上高は同33.5%増と好調だった。株もうまく“揚がれば”いうことなし。

●久しぶり鳥貴族で、「ああ、幸せだなぁ」

 串カツ田中を出て、ほどなく歩いたビルの2階に鳥貴族 <3193> がある。同社は昨年10月から全品280円(税抜)均一を全品298円(同)均一へと値上げしたことが大きな話題を集めた。街は、極彩色のネオンを灯し出し、夜の街に姿を変え始めていた。まだ、店を開けたばかりのようで、客の姿はそれほど多くなかった。鳥貴族を訪れるのは久々だ。この店舗ではないが、ここのところは偶然にもいつも満員で入ることができなかったからだ。カウンター席に座り、タッチパネルの注文端末で発泡酒の「金麦」大ジョッキと「むね貴族焼きたれ」、「やげんなんこつ」を注文。記者は、ここのなんこつと金麦の組み合わせが大好物だ。鳥貴族は、それぞれ2本づつの注文になるため本数は計4本、特にむね貴族焼きたれはボリューム満点で、全品たいらげ金麦大ジョッキを開けたときには満腹状態。「ああ、幸せだなぁ」と言いたいところだが、まだまだ2件目であり次の店が待っている。

 同社は、3月9日の取引終了後に発表した第2四半期累計(単独決算)が、売上高が前年同期比18.5%増となる165億900万円、営業利益は同51.0%増の8億9100万円と大幅増益だった。関東圏や東海圏を中心に43店舗の新規出店を行ったことが寄与したことに加え、全品値上げによる効果やタッチパネルの導入などで人件費を抑制したことも貢献している。株価は昨年12月25日に3965円まで買われた後は調整をしいられ、現在は2800円近辺で推移している。

 4月6日の取引終了後に発表した3月度の月次報告では、既存店売上高は前年同月比2.8%減となり、3ヵ月連続で前年実績を下回っている。会計を済まし店内を見回すと、既に満席状態、あくまで記者の感だが、早晩既存店売り上げの回復も近いという印象を持った。会計は税込みで963円、ごちそう様でした。

●ハイデイ日高は「焼鳥日高」で“ちょいのみの王道”

 次に向かったのが「焼鳥日高」。「日高」の名前に聞き覚えがあると思うが、ここは「中華食堂日高屋」を展開するハイデイ日高 <7611> が運営する店舗だ。記者は、以前この焼鳥日高によく顔を出していたのだが、仕事の都合もあって最近はなかなか立ち寄れない状況だった。この店舗に関しては立ち飲み形式で、客がカウンターに向かい杯を交わす姿が、なぜか哀愁を漂わせる。久しぶりに訪れた同店は改装を行ったようで、すっかり小ぎれいになっていた。さらには、タッチペンでメニューに触れれば注文が完了するという近代兵器も登場。この店は「焼鳥 」の名を冠する店なのだが、記者が訪れるといつも注文するのが、格安でボリュームある餃子だ。満腹に近い胃袋に餃子とチューハイを流し込む。そろそろ限界が近いが、記者には次の店が待っている。さすが“ちょい飲み”の代名詞となったハイデイ日高の運営する店なのである。

 同社は4月5日に発表した19年2月期の業績予想で、売上高430億円(前期比5.8%増)、営業利益49億円(同4.7%増)、純利益31億9000万円(同5.6%増)と16期連続の過去最高益を見込んでいる。株価は4月9日に急騰、翌日10日も買われ2600円近辺だった株価は2959円まで上値を追った。現在も2800円近辺で頑強展開となっている。

 いま改めて注目されているのが、前述した立ち飲み・立ち食い形式の店舗だ。以前取材をした、ある飲食関連企業では「立ち飲み形式は、狭い立地でも展開できることが利点。駅前でも速いテンポで出店ができる」という。今後さらに、立ち飲み・立ち食い形式の店舗は増加しそうな気配だ。

●ゴールはSFPHDの「磯丸水産」、純米酒磯丸たまりません

 さて、最後に目指すはSFPホールディングス <3198> [東証2]が展開する「磯丸水産」。飲食店の多い南口から駅の自由通路を抜け、デパートなど商業地域の北口に出ると、すぐに磯丸水産の看板が見えてきた。同店は24時間営業で、夜のとばりが下りたころ、まさに夜ふけの街の灯台といった雰囲気。少々飲み疲れ、いや食い疲れの記者だが、カウンターに座りメニューを開くと、純米酒磯丸が飲んでくれよと言わんばかりに目に入る。「びんちょう鮪」を肴にくいっとやれば、こりゃたまりません。ついつい2杯目へと杯が進んでしまう。感動したのはトイレの清潔さ。加えてベビーチェアもトイレ内にあり、さまざまなニーズに応える姿勢が見て取れる。

 同社は4月13日に発表した18年2月期の連結経常利益が前の期比7.5%増の38億2800万円、19年2月期は前期比0.6%増の38億5000万円を見込み、7期連続で過去最高益を更新する見通しだ。株価は、3月26日に年初来安値1733円をつけたあとジワリ反騰態勢をみせ2000円台を回復。

 どうにか、きょうの目標である4店舗行脚を達成。所要時間は約2時間58分、マラソンの世界記録にはまったくもって及ばないが、もはやおなか一杯、胸いっぱいである。支払合計は4345円(税込み)、このなかには串カツ田中と磯丸水産のいわゆる“お通し”代金も含まれており、味はもちろんリーズナブルな4店舗であることが実証できたのである。

●番外編でヴィアHDの「紅とん」、とろてっぽう串を愛しています

 さて番外編だが、記者が最近通うのがヴィア・ホールディングス <7918> が展開する「紅とん」だ。ちなみに、神保町店には週4日顔を出すこともある。もちろん、この店のメーンは焼きとんで、記者はここの「とろてっぽう串」と「なんこつの唐揚げ」をこよなく愛している。これを肴にホッピーをやるのが定番で、仕事帰りのうさを晴らす、まさに至福の時なのである。ヴィアHDの業績は、正直なところ芳しくないが、それでも個人的な“お気に入り”の店として紹介せずにいられない。同社の株価は3月19日に774円まで買われ年初来高値を更新したものの、その後は調整し700円割れの状況だ。株価の行方は不明だが、記者にとってここで過ごす時間は、まさにストップ高の気分なのである。

 味と株価の行方を求めて敢行した今回のGW特別企画「居酒屋チェーン潜入大作戦」は大満足な結果であった。串カツ、焼き鳥、海産物……店独自の味が客を呼ぶ。これぞまさに「妙味株」。

 連休も後半戦入り、ぶらっとお気に入りの居酒屋に立ち寄るのも、よろしいかもしれない。最後に、株とお酒はほどほどに……もとい、お酒はほどほどになのである。

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