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3186 ネクステージ

東証P
2,792円
前日比
+57
+2.08%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
16.0 3.41 1.18 0.46
時価総額 2,256億円
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ネクステージ Research Memo(10):2016年11月期は過去最高益でROEが26.9%


■業績動向

1. 損益計算書
ネクステージ<3186>の2016年11月期は、売上高が前期比38.2%増の87,201百万円、営業利益が同70.5%増の2,163百万円、経常利益が同55.7%増の2,086百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同58.4%増の1,333百万円と過去最高益を更新する好業績であった。期初予想比でも、売上高が13.2%増、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益がそれぞれ30.8%、39.1%、54.7%上回った。

第2四半期時点における進捗率から通期予想の上方修正の可能性が高いと見られていた。第3四半期の決算発表時に増額修正したが、実績は直前予想を若干上回る結果となった。第4四半期(3ヶ月間)の売上高営業利益率が1.8%へ低下したが、好業績を受け修繕費などを積み増したためで、増収率は前年同期比31.9%増の高伸長を保っており、ビジネスの基調に変化があったわけではない。

2016年11月期は、前期に出店した準既存店14店舗がフルに寄与した。売上総利益率は、在庫回転率の改善と付帯収益性の向上により前期比0.1ポイント増の14.8%になった。販管費は前期比34.1%増加したものの、増収率を下回っており、販管費率は同0.4ポイント減の12.3%となり、売上高営業利益率の0.5ポイントの上昇に貢献した。営業外収支では、前期発生した保険金収入がなくなる一方、債権流動化枠の組成費用の支出があり、営業外収支は前期の71百万円のプラスから77百万円のマイナスとなり、経常利益の伸び率を抑えた。2016年11月期末をもって中古車輸出事業の営業活動を終了しており、それに伴う特別損失が発生した。海外売上が前期比14.7%(93百万円)減少したものの、経営資源を国内事業に集中したことから国内売上高は38.6%(24,180百万円)増加した。

2016年11月期の新規出店16店舗は、内訳が中古車販売店5店舗、新車ディーラー1店舗、買取専門店10店舗であった。一方、退店の1店舗(セダン専門店)と中型店を単独店舗に統合、もしくは中型複合店を「SUV LAND」に業態転換したことで、前期比13店舗減少した。この結果、販売店舗数は前期比3店舗減の53店舗となった。店舗数の減少は、業態転換が主因であり、拠点数は47ヶ所と前期比5ヶ所増加した。2016年11月期から開始した買取専門店展開は、主に既存店に併設する形を取っている。

2. ROEとROA
2016年11月期のROE(自己資本当期純利益率)は26.9%、ROA(総資産経常利益率)は10.1%といずれも10%超の好パフォーマンスであった。前期のROE20.6%、ROA7.9%に対し、売上高経常利益率及び売上高当期純利益率の収益性、総資産回転率の資産運用効率、外部資金の活用を示す財務レバレッジのいずれも高まった。高ROEは財務レバレッジの高さに起因している面があるが、ROAでも10%超の水準を上げたのは、収益性の向上と棚卸資産回転日数の短縮など資産運用効率の改善が寄与している。

3. 貸借対照表
2016年11月期末の総資産は、23,465百万円、前期末比5,606百万円増加した。前期との差異は、新規出店によるところが大きい。資産の部では、新規出店に伴い流動資産の商品と設備投資による有形固定資産が増加した。負債の部は、出店費用の一部を外部からの調達したため有利子負債が増加した。借入金は、短期から長期への振替えや5年超のブレット(期限一括弁済)契約に変更した。その効果もあり、流動比率が前期比20.2ポイント増の195.2%へ上昇した。有利子負債残高は同3,015百万円増の12,909百万円となり、自己資本比率が23.2%と1.8ポイント低下した。

在庫管理の厳格化の成果が、財務指標に示された。2013年11月期は、棚卸資産が急増し、たな卸資産回転日数が77日へ延びた。2014年11月期は、在庫の鮮度を保つため、創業以来の大規模なオートオークションを利用した処分や見切り売りを行ったことで一時的に収益性を毀損した。在庫回転率の引き上げは、仕入部門の強化から行った。2015年11月期は、全在庫を60日間で回転させる取り組みを敢行したことから、一時的に在庫処分費が増加した。その後も、集客と在庫回転を意識するあまり価格に負荷がかかり、車両本体の利益率が低下した。2016年11月期になり、収益性を維持しながら厳格な在庫管理を行う体制ができ、過去最高益と棚卸資産回転日数を62日に短縮した。

4. キャッシュ・フロー計算書
2016年11月期末の現金及び現金同等物は2,197百万円と前期末412百万円増加した。営業活動によるキャッシュ・フローは、90百万円の支出となった。税引前純利益(1,970百万円)、減価償却費(714百万円)に加え、仕入債務の増加(496百万円)があった。一方、たな卸資産の増加(2,478百万円)、売上債権の増加(581百万円)及び法人税等の支払(614百万円)があった。投資活動によるキャッシュ・フローは2,137百万円の支出となった。有形固定資産の取得(1,504百万円)が主な要因であった。財務活動によるキャッシュ・フローは、2,642百万円の収入となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《HN》

 提供:フィスコ

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