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3182オイシックス・ラ・大地

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デリカフHD Research Memo(5):2023年3月期は一定のリスクを織り込んだうえで、黒字化を達成する見通し


■今後の見通し

1. 2023年3月期の業績見通し
デリカフーズホールディングス<3392>の2023年3月期の連結業績はコロナ禍の状況や世界的な原料価格の上昇などの市場環境の不透明感が続くなかで、売上高は前期比1.8%増の40,500百万円、営業利益は230百万円(前期は397百万円の損失)、経常利益は300百万円(同242百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は180百万円(同746百万円の損失)を計画している。売上高については3期ぶりに過去最高を更新し、各利益は3期ぶりの黒字に転じる見込みとなっている。

(一社)日本フードサービス協会が毎月発表している外食業界の月次売上動向と同社の動向を比較してを見ると、2021年12月以降は前年同月比でプラスに転じており、今後もまん延防止等重点措置が発出されるようなことがなければ、飲食店舗の営業時間増加もあってプラス基調が続くものと予想される。こうしたなかで、同社の1.8%増収という計画は保守的な印象が強い。これは市場環境が不透明なことや前期まで拡大してきた顧客取引のなかで低採算になっているものを整理し、収益性のさらなる改善と黒字化達成を最優先課題に取り組んでいく方針となっているためだ。とは言え、2022年3月期下期の売上高が21,670百万円、経常利益が368百万円となっていることを考えると、市場環境の悪化(青果物の市況高騰等も含む)がなければ業績は会社計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。なお、上海のロックダウンにより一部の青果物の輸入がストップした影響で、2022年4~5月に60百万円強の費用増要因となったが、6月には国産品に切り替えるなどして対応済みであり、業績計画にも織り込んでいる。受注状況については好調で5月のゴールデンウイーク期間中も過去最高を更新したもようだ。

こうしたなか、2023年3月期の取り組みとして、ミールキット事業の本格展開と青果物の長期貯蔵システムの導入を新たに検討していくことにしている。

(1) ミールキット事業の展開
ミールキット事業ではSPA型事業を拡大するため、販売子会社となる楽彩を2021年8月に設立し、2023年3月期より本格展開していく予定となっている。一般消費者向けに「新たな食のライフスタイル」を提供することをコンセプトに、生鮮野菜による健康を意識したメニュー等を開発し、ターゲット層を絞った付加価値型のサービスとしてピックアップショッピングスタイルで提供していく。ピックアップショッピングとは、購入者が事前に注文した商品を、帰宅途中に最寄りの駅の無人ロッカーやコンビニエンスストアなどのほか、レジャー先などでも受け取れるショッピングスタイルを指す。

同社にとっては受注生産となるが、宅配に比べて物流コストを効率化できるほか、製造面でもカット野菜工場の稼働率を上げることが可能になるため、メリットが大きい。同社のカット野菜工場では外食企業からの注文を昼過ぎから夜にかけて受け、深夜に製造して翌朝に配送するケースが一般的なため、午前中から午後の早い時間は稼働率が低くなっているが、ミールキット商品については注文された商品を夕方に配送するケースが中心となるため、製造ラインの空き時間を有効活用することが可能となる。

ミールキット事業では、生協やヨシケイ開発(株)、オイシックス(オイシックス・ラ・大地<3182>)などが先行しているが、品質面の差が出る野菜の取り扱いに関して、同社は鮮度の維持管理から真空加熱野菜等の製造に至るまで豊富なノウハウを持っており、これは他社にない強みになると考えている。また、自社ブランド「楽彩」での展開に加えて、将来的にはOEM展開も広げていく予定で、すでに大手流通企業を含めて様々な企業から引き合いがきている。

同事業で重要となる商品の受け取り場所の開拓も順調に進んでいる。2022年4月からJR東日本管内のコンビニエンスストア「NewDays」の一部店舗で取り扱いを開始しており、2022年9月末までに都内を中心に100店舗まで拡大し、1店舗当たり1日10セットの販売を目標にしている。そのほか、ドラッグストアやフィットネスクラブ、企業の食堂向け、キャンプ場など様々な企業と提携し、受け取り店舗を拡大していく予定となっている。また、2022年7月には予約注文するためのアプリをリリースし、プロモーション活動による認知度向上も図りながら利用者数の拡大を図っていく戦略となっている。プロモーション施策としては、受け取り場所となる店舗での告知ポスターや近隣のデパートでの期間限定イベントの開催、インフルエンサーの活用によるSNSでのプロモーションなどを実施していく予定だ。

なお、2022年3月期のミールキット事業の売上高1,531百万円のうち、8割強は事業譲受先である「ワタミの宅食」サービス向けだったと見られる。2023年3月期の売上計画は17億円で、自社ブランドとなる「楽彩」を伸ばしていく予定で、同社は当面の目標として登録会員数10万人、受取店舗数1千店、売上規模50億円を掲げている。ミールキットの国内市場規模は、生活スタイルの変化もあって、現在の1,600億円から今後は2,000億円を超える市場に育つと見られており、同社の強みを生かしてブランド力を確立することができれば、収益貢献事業として成長する可能性は十分にあると見られる。

一方、BtoC事業のうち「青果日和」(EC販売)については、月次ベースで黒字化しているものの、売上高は四半期ベースで2021年1~3月の12.6百万円をピークに、その後は10百万円前後のペースが続くなど伸び悩んでおり、今後の戦略をテコ入れしていく必要がありそうだ。また、百貨店などリアル店舗での販売については、アンテナショップ的な位置付けとして今後も継続していくことにしている。

(2) 長期貯蔵システムの導入計画に着手
ここ数年、天候不順による青果物の生育不良による市況価格の上昇が頻発するなか、同社では青果物を新鮮な状態で長期に貯蔵できるシステムの導入計画に着手していることを明らかにした。従来も大阪、埼玉、愛知に貯蔵センターを配置し、2~3週間程度の貯蔵を行い青果物の市況上昇が見込める際には事前に多く仕入れて、これら貯蔵センターに保管するなど対策はとってきたが、世界的にサプライチェーンリスクが高まっており、輸入品の仕入が長期に滞るリスクも想定して、より長く貯蔵できるシステムについて導入の検討を開始している。

(3) 冷凍野菜事業の取り組みについて
同社は冷凍野菜の量産に向けて、2022年4月に愛知事業所内に約3億円をかけて冷凍野菜工場を新設、稼働を開始している。既に試作品の製造を終えるなど製造技術については確立しており、今後は商品戦略と営業戦略を策定したうえで量産を開始していくことにしている。同社は野菜の商品形態として生野菜、カット野菜、加熱野菜を揃えているが、冷凍野菜も手掛けることですべての形態が揃うことになり、量産が開始されれば顧客開拓並びに既存顧客との取引深耕が期待される。既に冷凍弁当事業者などからも引き合いが来ているようで、少品種大量生産により収益化が見込める品目からスタートするものと思われる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《YM》

 提供:フィスコ


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