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3167 TOKAI

東証P
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時価総額 1,319億円
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TOKAI Research Memo(4):CATV事業とアクア事業が2ケタ増収と好調に推移


■TOKAIホールディングス<3167>の業績動向

2. 事業セグメント別動向
(1) ガス及び石油事業
ガス及び石油事業の売上高は前年同期比3.6%増の33,948百万円、営業利益は同30.6%減の1,084百万円となった。このうち、LPガス事業については2019年3月期第2四半期末の顧客件数が前年同期比22千件増の615千件と増加したことや、原料価格の値上がりに伴う販売価格上昇等もあり、売上高で同2.9%増の28,262百万円となった。同社ではここ数年営業エリアの拡大を戦略的に進めており、2018年6月に「九州営業所」(福岡県)を新たに開設し、営業エリアを1都13県まで拡げている。前期末比の顧客純増件数で見ると9千件増となっており、このうち新規営業エリア(北関東、南東北、愛知県、岐阜県、岡山県、福岡県)で5千件増(うち、福岡で1.5千件)と、既存営業エリア(静岡県、首都圏等)で4千件増といずれも着実に伸ばしている。グループ内の他のサービスとの複数契約により割安感を打ち出していることや、既存営業エリアでは解約防止対策等を継続的に取り組んでいることが奏効している。

一方、都市ガス事業の顧客件数は前年同期比で1千件増の55千件と若干増加したほか、販売価格の上昇等もあり売上高は同7.3%増の5,686百万円となった。

営業利益の減益要因は、前述したように気温が例年よりも高気温で推移したことにより、家庭向けLPガスの顧客当たり販売量が減少したこと、並びに原油高に伴う原材料仕入価格の上昇が主因となっている。家庭向けについては一般的に気温が1℃高いとガス消費量が3%減少すると言われている。2019年3月期第2四半期累計期間の平均気温は前年同期比で1.4℃上昇したことから、顧客当たり販売量は4%程度減少したと推計される。

(2) 情報及び通信サービス事業
情報通信サービス事業の売上高は前年同期比1.0%増の25,154百万円、営業利益は同4.3%増の1,608百万円となった。このうち、コンシューマー向け事業の売上高は前年同期比1.3%減の15,504百万円と減収に転じた。月額課金収入の高い光コラボの顧客件数が2019年3月期第2四半期末で前年同期比13千件増の328千件となった一方で、従来型ISPサービス等が同52千件減の440千件と大きく落ち込んだことが減収要因となった。大手携帯キャリアとの顧客獲得競争が続くなかで、同社は2017年2月期から格安スマートフォン「LIBMO」とのセット販売を開始し、割安感を打ち出すことで顧客の減少傾向に歯止めを掛けたい考えだったが、現状ではまだ苦戦が続いている。「LIBMO」の顧客件数は前年同期比23千件増の36千件と増加している。

一方、法人向け事業の売上高は前年同期比4.9%増の9,649百万円と堅調に推移した。クラウドサービス市場の拡大を背景としてデータ通信サービスが堅調に推移しているほか、システム受託開発についても増収となった。

営業利益に関しては、法人向け事業がNTTとの接続サービス料金の値上げが影響して、前年同期比で約40百万円の減益となったものの、コンシューマー向けが「LIBMO」の販促費減少効果で約1億円の増益となっている。

(3) CATV事業
CATV事業の売上高は前年同期比11.2%増の15,135百万円、営業利益は同31.7%増の2,330百万円と好調に推移した。2018年3月期の第2四半期に東京ベイネットワーク(株)、第4四半期に(株)テレビ津山をそれぞれ子会社化しており、これらM&A効果により売上高で約10億円、営業利益で1億円弱の増収増益要因となっている。当第2四半期末の顧客件数は放送サービスで前年同期比33千件増の781千件、通信サービスで同18千件増の265千件といずれも順調に増加した。放送・通信セット加入による割引サービスや大手携帯キャリアとの連携によるスマートフォンセット割引等の営業施策と、解約防止施策に取り組んだことが顧客件数の増加につながった。

営業利益率が前年同期の13.0%から15.4%に上昇したが、これは既存エリアにおいて放送と通信のセット契約率が上昇し、顧客当たり収益が増加していること、また、減価償却費やのれん償却費等の減少傾向が続いていることが要因となっている。

(4) 建築及び不動産事業
建築及び不動産事業の売上高は前年同期比7.6%増の8,987百万円、営業利益は同42.8%増の554百万円となった。増収要因は、リフォーム事業や建物工事の案件増加によるもの。特に、リフォーム事業では静岡エリアの営業体制を強化した効果がでている。営業利益に関しては、リフォーム事業の増収効果が増益要因の大半を占めている。

(5) アクア事業
アクア事業の売上高は前年同期比14.2%増の3,490百万円、営業利益は同115.6%増の291百万円と2期ぶりの増益に転じた。大型商業施設等での顧客獲得に積極的に取り組んだことで、2019年3月期第2四半期末の顧客件数が前年同期比15千件増の156千件と10%以上増加したことが増収増益要因となった。

(6) その他・調整額
その他の事業の売上高は前年同期比4.1%減の2,123百万円となった。内訳を見ると、介護事業は施設の利用者数増加に伴い同5.2%増の532百万円となり、営業損益も改善基調が続いた。一方、婚礼催事事業については婚礼挙式組数の減少により、売上高は前年同期比7.1%減の624百万円に、また、造船事業も船舶修繕の工事量が減少したことにより同8.6%減の627百万円となった。営業利益も減益となった。なお、内部調整額も含めた営業損失は2,393百万円(前年同期は2,282百万円の損失)となっている。

3. 財務状況
2019年3月期第2四半期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比1,073百万円減少の164,920百万円となった。主にデリバティブ評価差額資産の増加等により流動資産「その他」が729百万円増加した一方で、季節要因により受取手形及び売掛金が2,403百万円減少したこと等による。

負債合計は前期末比2,049百万円減少の102,493百万円となった。有利子負債が3,950百万円増加したものの、季節要因により支払手形及び買掛金が2,295百万円減少したほか、設備投資に関する支払等により流動負債「その他」が3,271百万円減少したこと等による。

純資産合計は前期末比976百万円増加の62,426百万円となった。配当金1,839百万円を支出した一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益1,736百万円を計上したこと、並びに繰延ヘッジ損益が1,106百万円増加したこと等による。

財務の健全性を示す自己資本比率については、37.1%とここ数年で着実に上昇してきている。なお、同社では現在進行中の中期経営計画で、M&Aを含めた成長投資を積極的に実行していく方針を打ち出しており、自己資本比率に関しては30%台をキープする見込みとなっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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