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3141 ウエルシア

東証P
2,323.0円
前日比
-3.0
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PTS
2,322.5円
10:18 04/25
業績
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100株
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17.8 2.02 1.55 33.25
時価総額 4,870億円
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より強く大きく―勝ち組セクター「ドラッグストア」の“勝ち組”株は <株探トップ特集>


―懸念乗り越え成長路線復帰、拡大続く業界の今後を探る―

 いま、ドラッグストア関連株に再評価機運が高まっている。一時は、中国人観光客による爆買いの沈静化を背景に、インバウンド需要の剥落懸念が高まったことは記憶に新しい。しかし現在では、その“懸念”を乗り越え、さらに調剤併設店の拡大で売り上げも大きく伸長、再び成長ロードを走り始めている。ドラッグストア業界の現状と、今後の展開を探った。

●16年度の売上高は5.9%増

 「少し前まで厳しかったのは事実だが、ここにきて着実に復調している」と言うのは、あるドラッグストア業界関係者。それを裏付けるかのように、日本チェーンドラッグストア協会が3月17日に発表した「日本のドラッグストア実態調査」によると、16年度(推計)のドラッグストア売上高は6兆4916億円、15年度比では5.9%増の伸びとなっている。

 同調査では「調剤分野への積極的な取り組み、食品取り扱いの強化、意欲的な出店をベースに、訪日外国人によるインバウンド需要を取り込んだことが大幅な成長につながった」と分析。さらに「ワンストップショッピングの効果が大きく出た」としている。増加する調剤併設店を背景に、日常生活品の“ついで買い”を促した格好だ。ただし、前出の業界関係者は、「競争が厳しくなっており安心感はない。企業努力を一層進める必要がある」と語る。

●攻勢掛けるウエルシアホールディングス

 株式市場関係者も「ドラッグストア業界は競争が激しく、勝ち残りをかけた合従連衡の動きが顕著であり、その結果大手による統合が進む形となっている。強いものがより強く、より大きくという流れで、今後もその流れに変化はないとみている」(準大手証券ストラテジスト)と指摘する。

 最近ではイオン系ドラッグストアのウエルシアホールディングス <3141> がいい例で、2015年にCFSコーポレーションを吸収し「日本一のドラッグストアチェーン」の確立を標榜した。業績面でも経営統合による増収効果をしっかりと利益に反映し、17年2月期は営業利益段階で前期比16%増の218億円と2ケタ増益を見込む。市場では、なお上振れ余地を指摘する声もある。調剤併設店を拡大する同社では、「グループ全体で、約1500店舗のうち調剤併設店は約1000店舗。当面は、併設店8割を目指していく」(IR部)と攻勢を掛ける。

●マツキヨはインバウンド需要を捉える

 マツモトキヨシホールディングス <3088> は引き続きインバウンド需要を捉えている。今後も、きめの細かいマーケティング戦略で、訪日外国人観光客のニーズに応えていく構えだ。さらに、強化を目指す調剤事業に関しては、引き続き既存店への併設を含め高い収益性の見込める物件を優先的に開局していく方針。インバウンド需要の動向に加え、多少出遅れ感のある調剤事業における同社の取り組みが焦点になりそうだ。株価は2月17日の直近安値5110円を底にジワリ上値を慕う展開。また、レデイ薬局を傘下に収め、店舗展開を加速させているツルハホールディングス <3391> にも注目したい。

●商品ラインアップ拡充で薬王堂、カワチ薬品

 調剤薬局に加え、いまやドラッグストアは生活および地域密着の産業へと変貌している。岩手県を地盤に展開する薬王堂 <3385> は「バラエティ型コンビニエンスドラッグストア」を追求、食品の取り扱い比率も高く酒類なども販売する。ここ一貫して株価は上昇波動を形成、上場来高値圏でもみ合う。栃木県地盤のカワチ薬品 <2664> も取り扱い品目の拡大を図ると同時に、調剤併設型ドラッグストアにも注力している。株価は1月5日に上ヒゲでつけた昨年来高値3220円を射程にとらえている。

 こうした、いままでのドラッグストアの取り扱い品目の拡大について、前出のストラテジストは、「国内消費動向は、デフレ環境からは脱した感はあるものの依然厳しく、小売業界も何か強みを持たなければ常に淘汰されてしまうリスクがつきまとう。そのなか、ドラッグストア業界は価格訴求力を武器に勢力を広げてきた。商品ラインアップも食品や化粧品など“薬以外のもの”を幅広く手掛け、今やコンビニ化している。これによって、コンビニの客層を取り込むことが可能となっており、好立地や店舗の巨大化、ドミナント戦略などと合わせ、今後の成長期待が強い」と語る。

●ワンストップショッピングで商機拡大

 医薬品に加え、化粧品、日用雑貨、食料品全般と取り扱い品目が拡大するなか、顧客のニーズに応じる形で、大型店と駅前などに集中する小型店の2極化傾向も強まってきている。また、高齢化が進むなか、ワンストップショッピングを実現するドラッグストアにとっては活躍の場が広がる一方だ。今年1月1日から施行された新たな医療費控除の特例制度「セルフメディケーション税制」も後押しする。

 今後、ドラッグストア業界が、小売業界の勝ち組セクターとしての認識が高まれば、ウエルシアホールディングス <3141> などを筆頭格に株価面で改めて評価されることになりそうだ。

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