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3135 マーケットE

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マーケットE Research Memo(2):売上高は前期比21.9%増で着地、リユース市場は引き続き拡大中


■2016年6月期決算の詳細

(1)決算概要

マーケットエンタープライズ<3135>の2016年6月期は、売上高4,863百万円(前期比21.9%増)、営業利益96百万円(同59.3%減)経常利益93百万円(同58.9%減)、当期純利益49百万円(同63.7%減)と、増収ながら大幅減益となった。同社は第3四半期決算時に期初予想を下方修正したが、最終的な決算は修正予想に対しても未達で着地した。

2016年6月期決算は当初の期初予想を大きく下回ったが、その原因は明快だ。第3四半期時点での下方修正は、主として人的リソースの不足が要因だ。後述するようにリユース市場は日々拡大しており、同社への買取依頼件数は、1年前の月間25,000件ペースから今期は30,000件ペースへと増大している。こうした状況のなか、事前査定、買取、買取商品の商品化、メンテナンス、ECサイトへの出品という一連の流れが人的リソースの問題で停滞し、販売が思うように伸びなかったことが下方修正の原因だ。売上高が310百万円下方修正されたことに対応して売上総利益も減少見込みとなり、営業利益以下の各利益項目の下方修正へとつながった。

決算数値が修正予想に対して下回った原因は、想定外の先行投資費用の増加が主たる要因だ。売上高はほぼ計画どおりでの着地となったものの、内容において、高額品の買取り・販売の構成比が上昇した。高額品は平均よりも売上総利益率が低くなるため、この構成変化により売上総利益が想定よりも若干低下した。そして、下方修正要因ともなった人的リソース問題解決のために採用を増加させたことや、徳島コンタクトセンターの設置、及び新規事業に関する人材獲得などで、人件費を中心に販管費が膨らんだ。この結果、営業利益以下の各利益項目が修正予想に対して未達となった。

以上のように2016年6月期決算は期初予想及び修正予想を下回っての着地となったが、弊社はこの決算によって同社の今後を悲観する必要はまったくないと考えている。理由は、いろいろあるが整理すると、1)リユース市場の成長性は従来どおりの成長を続けていること、2)決算の原因が明確でそれへの対策が採られていること、3)新たな成長戦略・新規事業について大きな進展があり、減益理由の費用増加はそうした成長戦略に関連するものが含まれたものであったこと、などだ。今回の決算数値においても、ポジティブに評価できる部分はある。それは、売上高が前期比21.9%増となったことだ。前期実績や期初予想の増収率が30%を超えていたため、21.9%が小さく見えてしまうかもしれないが、今期の状況の中で20%を超える増収率を達成した点を素直に評価すべきだと弊社では考えている。

(2) 2016年6月期の進捗事項

同社の成長戦略は“水平展開”と“垂直展開”だ。水平展開とは国内の買取拠点を拡大・整備して買取額を増やし収益拡大につなげるというものだ。これに関し、2016年6月期は、当初計画どおり、神戸(2015年10月)と仙台(2016年4月)にリユースセンターを開設した。これによりリユースセンターは全国8拠点体制となった。

期初計画外ではあったが、2016年6月に徳島にコンタクトセンターを増設した。増大の一途をたどる買取依頼に対して十分な対応が出来ず、商機を逃したことが計画未達につながったが、入り口に当たるコンタクトセンターのキャパシティアップが何より重要との判断が増設の決定につながった。従来からの東京都墨田区のコンタクトセンターと合わせて2拠点体制となり、担当者の人数もほぼ倍増となった。2016年6月期の下方修正要因の解決と、今後予想される買取依頼の急増への予防的対応という点で、徳島コンタクトセンターの開設は重要な意義があると弊社では考えている。

垂直展開について同社は、越境EC対応強化を重点施策の1つとして挙げていたが、この点でも進捗がみられた。2016年6月期は、単品個体管理と在庫連動という同社のシステムが越境ECに対応できるかのテストを進め、25ヶ国への売上実績を上げた。本格的なシステム開発などは2017年6月期の課題となるが、越境ECビジネスを・推進・拡大させていく自信は十分に獲得できたもようだ。良好なテスト結果を踏まえて同社はシステム開発要員の採用なども進めた。前述した下方修正要因となった費用増の中には、こうした成長投資に関する部分が含まれている。

同社は2016年6月にAmazon Japanとの間で、買取サービスに関するアライアンスを結んだ。収益貢献は2017年6月期からになるが、この提携の持つ業績インパクトは非常に大きいものと弊社では期待している(詳細は後述)。

もう1つの大きな進捗として、仮想移動体通信(MVNO)事業への参入決定がある。発表は決算期をまたいだ2016年8月だが、2016年6月期の期中を通じて検討・準備が進められてきたプロジェクトだ。これは既存のリユース事業に対する新規事業として、収益2本柱体制へと成長が期待される(詳細は後述)。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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