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3134 Hamee

東証S
1,171円
前日比
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PTS
1,125.1円
21:55 04/25
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
17.7 1.95 1.92 8.27
時価総額 191億円
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Hamee Research Memo(3):2017年4月期は「iFace」の好調により大幅増収増益に


■業績動向

1. 2017年4月期の業績概要
Hamee<3134>の2017年4月期の連結業績は、売上高が前期比30.8%増の8,502百万円、営業利益が同145.5%増の1,106百万円、経常利益が同145.4%増の1,048百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同169.7%増の695百万円となり、すべての項目で過去最高を大幅更新した。また、2017年3月に上方修正した会社計画に対してもいずれも上回って着地した。

売上高は「iFace」をけん引役にコマース事業が前期比31.4%増と大幅増収となったほか、プラットフォーム事業も契約社数の増加に伴い同26.2%増と2ケタ増収基調が続いた。売上総利益率が前期の41.4%から47.3%と5.9ポイント上昇したが、これはコマース事業において収益性の高い自社企画商品の販売比率が上昇し、また、「iFace」の商標権を2016年3月に取得したことに伴い、同商品の収益性が上昇したことが主因となっている。一方、販管費についてはプラットフォーム事業の営業・サポート体制強化に伴う人件費増やインフラ投資費用等の増加があったものの、物流費の抑制が進んだことにより、販管費率で前期比0.1ポイント低下の34.3%となった。この結果、営業利益率は前期の6.9%から13.0%と6.1ポイント上昇し、大幅増益につながった。

営業外収支は、株式の市場変更費用22百万円や持分法による投資損失10百万円を計上したことなどにより、前期比34百万円悪化した。持分法による投資損失は、2017年4月期より持分法適用関連会社となったシッピーノ(株)※の損失によるものとなっている。また、特別損失として38百万円を計上している。

※シッピーノ…EC事業者の出荷業務を自動化するツール「シッピーノ」の運営開発会社。業務資本提携とともに、ネクストエンジンのFBA(フルフィルメント by Amazon)マルチチャネルサービスと「シッピーノ」を連携し、EC事業者の出荷作業の完全自動化を実現するサービスを提供開始している。出資額は1億円(2016年9月)。


グループ会社別の営業利益の動向を見ると、同社単体は2016年4月期の456百万円から2017年4月期は606百万円に、韓国が同様に21百万円から539百万円、米国や台湾なども若干ながら黒字となるなどすべての会社で黒字化を達成した。特に、韓国子会社の利益増が大きくなったが、これは前述したように「iFace」の商標権を獲得したことに伴い、韓国子会社が韓国の委託生産工場から直接、商品を仕入れることが可能となり、仕入価格の低下によって利益率が上昇したこと、並びに「iFace」の販売数量が拡大したことが主因となっている。

なお、会社計画比での増額要因は3月、4月の春商戦において、同社の周辺アクセサリー商材の販売が想定以上に好調に推移したことが要因となっている。

2. 事業セグメント別動向
(1) コマース事業
コマース事業の売上高は前期比31.4%増の7,483百万円、セグメント利益は同236.9%増の903百万円となった。売上高の内訳を見ると、ECサイトを通じた小売販売は前期比10.7%増の3,021百万円、卸販売は同50.5%増の4,462百万円となった。卸販売の構成比が2016年4月期の52.0%から59.6%に上昇したが、「iFace」を中心とした自社企画商品の構成比が8割弱に上昇したこと、並びに「iFace」の商標権獲得に伴う利益率上昇によってセグメント利益率は2016年4月期の4.7%から12.1%へと大きく上昇した。

なお、2017年4月期の新たな取り組みとしては、アウトドアスマートフォングッズの新ブランドとして「ROOT CO.」を立ち上げたほか、販売チャネルとして日本最大級のファッション通販サイト「ZOZOTOWN」への出店や、中国最大のECモール「天猫国際(T-mall)」などに正式出店を果たした。

(2) プラットフォーム事業
プラットフォーム事業の売上高は前期比26.2%増の1,018百万円、営業利益は同11.1%増の202百万円となった。セグメント利益率が前期の22.6%から19.9%に低下したが、これは契約社数5,000社の目標達成に向けた営業・サポートスタッフの体制強化や、サーバー等のインフラ投資の費用増など先行投資を積極的に実施したことが要因となっている。

2017年4月期末の「ネクストエンジン」の契約社数は前期末比414社増の2,642社(OEM除く)、利用店舗数は同3,475店舗増の20,268店舗、利用店舗の取引総額は同610億円増の3,760億円、受注処理件数は同11百万件増の53百万件といずれも2ケタ成長を持続した。

2017年4月期は新たに越境EC支援アプリや、実店舗とEC店舗の在庫連携を実現するアプリ、後払いサービスの導入を容易にするアプリ、前述した「シッピーノ」との連携アプリ等の新機能をリリースしたほか、API連携では国内最大級の中古車情報サイトとの自動連携等も行うなど、「ネクストエンジン」のプラットフォーム拡充を推進した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《NB》

 提供:フィスコ

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