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3041 ビューテHD

東証S
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ビューティ花壇 Research Memo(6):2018年6月期は大幅な損益改善を実現。主力の「生花祭壇事業」が好調


■業績動向

2. 2018年6月期の業績
ビューティ花壇<3041>の2018年6月期の業績は、売上高が前期比1.1%減の5,620百万円、営業利益が167百万円(前期は2百万円の利益)、経常利益が166百万円(同9百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は77百万円(同30百万円の損失)とわずかに減収となったものの、大幅な損益改善(最終黒字転換)を実現した。計画に対しても、売上高が若干下回ったものの、営業(及び経常)利益は大きく上回っており、好決算と評価して良いだろう。

主力の「生花祭壇事業」が、受注件数の増加等により好調に推移した(売上高は2期連続の過去最高を更新)。顧客ニーズに沿った営業戦略が軌道に乗ってきたことや新規営業拠点の開設が奏功したと言える。ただ、売上高全体が僅かに減収となったのは、「ブライダル装花事業」において2017年6月期に発生した主要取引先の倒産による影響が続いていること、「その他事業」も子会社譲渡により縮小したことが理由である。一方、「生花卸売事業」については特殊要因(子会社の決算期変更)により減収となったものの、これまで取り組んできた物流体系改革が一巡し、下期からは回復へ向かっている。

利益面でも、「生花祭壇事業」の大幅な損益改善が利益水準全体を押し上げ、営業利益率も3%の水準に回復。また、「生花卸売事業」も原価低減などにより黒字転換を実現した。

財務面では、有利子負債の返済に伴う「現金及び預金」の減少等により総資産が前期末比8.4%減の2,282百万円に縮小した一方、自己資本は内部留保の積み増しにより同15.1%増の590百万円に拡大したことから、自己資本比率は25.9%(前期末は20.6%)に改善。また、有利子負債は長短併せて前期末比25.3%減の1,062百万円に減少している。

事業別の業績は以下のとおりである。

(1) 生花祭壇事業
生花祭壇事業は、売上高が前期比4.7%増の3,366百万円、セグメント利益が同55.8%増の600百万円と増収及び大幅な損益改善を実現し、売上高は2期連続で過去最高を更新した。葬儀業界全体の売上単価が下落傾向で推移するなかで、顧客ニーズに沿った営業戦略(小規模化への機動的な対応)の確実な実行や営業拠点の新規開設により、受注件数(施工件数)が25,398件(前期比2.8%増)と伸びた。特に、関東エリアの受注件数が10,839件(前期比5.4%増)と順調に拡大したのは、シェア拡大に向けた取り組みが奏功していることに加え、新たに開設した海老名営業所(2017年10月)も寄与している。

(2) 生花卸売事業
生花卸売事業は、売上高が前期比3.6%減の1,414百万円、セグメント利益が24百万円(前期は9百万円の損失)と減収ながら損益改善(黒字転換)を実現した。もっとも、減収となったのは、マイ・サクセスの決算期変更が理由※1であり、実態(12ヶ月比較)としては前期比46百万円の増収を確保している。特に、これまで取り組んできた取引先の見直し(物流体系改革)※2による影響が一巡し、下期より回復に向かっているようだ。利益面でも効率化の推進や為替の影響等により損益改善(黒字転換)を図った。

※1 マイ・サクセスの決算期を3月決算から6月決算へと変更したことにより、2017年6月期は15ヶ月決算となっていた。
※2 フューネラル主要品目の取扱拡大(フューネラルに特化した効率的な少品種大量物流の実現)や、従来からマイ・サクセスが抱えてきた市場出荷販売依存体質から、同社の特徴(強み)とする顧客への直接販売への移行などを進めている。


(3) ブライダル装花事業
ブライダル装花事業は、売上高が前期比19.0%減の408百万円、セグメント利益が同68.7%減の15百万円と減収減益となった。前期における主要取引先の倒産による売上高の逸失(約170百万円の減収要因)に加えて、それに紐就く固定費負担が利益を圧迫した。同社は、売上確保に向けた施策として、大都市圏(東京・関西・福岡)での新規顧客獲得や既存顧客との関係強化、商圏拡大等に取り組んでいる。その結果、首都圏での新規式場獲得など明るい兆しが見えてきた。また、リテール部門(EC等)が好調(売上・利益ともの過去最高)に推移したものの、業績回復には至らなかった。

(4) その他の事業
その他の事業は、売上高が前期比12.7%減の430百万円、セグメント損失が18百万円(前期は22百万円の損失)と減収ながら損失幅は縮小した。前期における子会社株式譲渡(ビンクの非連結化)の影響(約101百万円の減収要因)により減収となったが、それ以外の事業はおおむね横ばいで推移している。

以上から、2018年6月期業績を総括すると、前期における主要取引先倒産の影響(ブライダル装花事業)や子会社の非連結化(その他事業)により減収となった一方、主力の「生花祭壇事業」が好調に推移し、「生花卸売事業」も回復に向かっているところはプラスに評価できる。特に、大幅な損益改善を実現したところは、同社戦略がうまく機能していることの証左であり、2019年6月期以降に向けても明るい材料と言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《SF》

 提供:フィスコ

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