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3041 ビューテHD

東証S
746円
前日比
+9
+1.22%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
27.5 5.83 1.82
時価総額 37.9億円
比較される銘柄
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アートG, 
TOKAI
決算発表予定日

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ビューティ花壇 Research Memo(1):「生花祭壇事業」を軸とした新たな中期経営計画を公表


■要約

1. 会社概要
ビューティ花壇<3041>は、葬儀の際に利用される生花祭壇等の企画・制作・設営を主力として、生花卸売やブライダル装花を含めた生花事業をコア事業としている。また、M&Aを軸とした周辺事業の取り込みによる規模拡大と提案力向上にも積極的に取り組んできた。同社の特長は、技術難易度の高いデザイン性による差別化と、独自の調達ルートや大量仕入れを生かした価格競争力にある。ただ、生花祭壇のパイオニアとして新たな技術を生み出し、広く一般に生花祭壇を普及させることで「業界のリーディングカンパニー」として成長してきた同社であるが、関東エリアを中心に急速なペースで単価下落が進んでおり、事業環境は厳しい状況が続いている。

同社は、環境変化に対応するため、2016年6月期より3ヶ年の中期経営計画を推進してきた。同社グループのコア事業である生花事業(生花祭壇事業、生花卸売事業、ブライダル装花事業)に最大限注力する事業方針の下、生産規模や販売規模、原料調達など物量を拡大させるとともに、長年培ってきたノウハウを生かした製造プロセスの効率化等による低コスト化を実現し、「業界のコストリーダー」として市場シェア拡大を目指している。また、2016年11月には、東証マザーズから東証2部へ市場変更となった。

2. 2017年6月期の業績
ただ、今後の成長に向けた土台づくりの期間と位置付けた2017年6月期の業績は、売上高が前期比1. 4%減の5,680百万円、営業利益が同98. 0%減の2百万円と減収減益となり、最終損失に陥った。主力の「生花祭壇事業が受注件数の拡大により当初計画を上回る増収となった一方、物流体系改革への過渡期にある「生花卸売事業」が取引関係の見直し等により大きく落ち込んだ。また、利益面でも、「生花祭壇事業」が大幅な損益改善を実現したものの、「生花卸売事業」の落ち込みや「ブライダル装花事業」における取引先倒産の影響などにより最終損失(期末配当も無配)に転落した。以上から、業績は2期連続で踊り場となったが、環境変化に対応した営業戦略や原価低減策の奏功により、主力の「生花祭壇事業」が順調に拡大したことは、今後に向けて明るい材料と言える。

3. 2018年6月期の業績予想
2018年6月期の業績予想について同社は、売上高を前期比1. 2%増の5,748百万円、営業利益を142百万円と微増収ながら大幅な損益改善の実現により、最終黒字転換を見込んでいる。売上高は、引き続き「生花祭壇事業」が新規営業所開設等により拡大する一方、「生花卸売事業」はほぼ横ばいで推移するとともに、「ブライダル装花事業」は取引先倒産の影響が残ることで縮小する見通しである。利益面では、「生花祭壇事業」が高い収益性を継続するほか、「生花卸売事業」及び「ブライダル装花事業」の損益改善により大幅な営業増益を見込んでおり、期末配当も1株当たり7. 11円(配当性向30%)の復配を予定している。

4. 新中期経営計画
同社は、足元の状況等を踏まえ、改めて2018年6月期を初年度とする3ヶ年の中期経営計画を公表した。1)コア事業での売上拡大、2)物流のサービス強化と高度化、3)管理部門の体制強化、4)周辺事業の水平展開を重点目標に掲げるとともに、最終年度である2020年6月期の数値目標として、グループ売上高63. 6億円、営業利益2. 6億円、経常利益1. 8億円を目指している。特に、コア事業である「生花祭壇事業」の拡大を軸に据え、その副次的効果を物流の活性化(生花卸売事業の強化)へ結び付ける戦略をより強く打ち出す内容となっている。また、目標達成に向けては、技術開発型企業への投資や積極的なアライアンス、M&Aの実行など外部リソースの活用にも意欲的に取り組む方針である。

弊社でも、「生花祭壇事業」における営業戦略や原価低減策が軌道に乗ってきたことから、2018年6月期の業績予想、並びに中期経営計画の達成は十分に可能であるとみている。特に、「生花祭壇事業」における新規出店(エリア拡大)やコストリーダーシップ戦略によるシェア拡大は、圧倒的な物量の確保を含めたスケールメリットやサプライチェーンの強化を可能とし、グループ全体での優位性や影響力を確立するうえで合理的な戦略と評価できる。今後も、業界再編等に向けた同社ならではの取り組みに注目したい。また、業界環境が厳しさを増すなかで、M&Aによる事業拡大や他社との提携が成功のカギを握るものとみている。

■Key Points
・17年6月期は減収減益により最終損失(及び無配)に転落
・ただ、主力の「生花祭壇事業」は営業戦略や原価低減策の奏功により順調に拡大
・18年6月期は増収増益を実現し、期末配当7. 11円(配当性向30%)の復配を見込む
・「生花祭壇事業」の拡大を軸とした新たな中期経営計画を公表

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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