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3041 ビューテHD

東証S
745円
前日比
-1
-0.13%
PTS
746.1円
09:51 04/24
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
27.5 5.82 1.82
時価総額 37.8億円
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決算発表予定日

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ビューティ花壇 Research Memo(9):業界のコストリーダーとして生産・販売規模、原料調達などの物量拡大


■中期経営計画

ビューティ花壇<3041>は、急速な単価下落に加えて、直葬比率が加速度的に進む事業環境に対応するため、2016年6月期より3ヶ年の中期経営計画を推進している。同社グループのコア事業である生花事業(生花祭壇事業、生花卸売事業、ブライダル装花事業)に最大限注力する事業方針の下、「業界のコストリーダー」として生産規模や販売規模、原料調達など物量を拡大させるとともに、長年培ってきたノウハウを活かした製造プロセスの効率化やグループシナジー創出による低コスト化を実現し、その結果として市場シェアを拡大する戦略をより強く打ち出している。他社との競合に打ち勝つだけでなく、葬儀及びブライダル業界の双方において、低価格商品の推進や他社との連携により市場の振り起こし(儀礼復活)にも注力する方針である。

特に、環境変化への対応策として、1)海外における生産拠点及び展開拠点の検討、2)生産から加工、販売の統合によるサプライチェーンの構築(事業の六次化を含む)や大規模な物流拠点などによる大量物流の実現、3)生花店への戦略的な出資やFC 化などを含めた生花店ネットワークの構築、4)世界最高レベルである日本市場で培った高い技術力を活かしたイベント演出の分野におけるグローバル展開などを掲げており、最終年度である2018年6月期の売上高7,664百万円、営業利益208百万円を目指している。

また、機動的な事業管理を実現するとともに、グループ全体の事業利益の最大化を図るため、純粋持株会社への移行も視野に入れているようだ。

主要事業の方針とその進捗状況は以下のとおりである。

1) 生花祭壇事業
顧客ニーズを積極的にフォローするサービスの提供(商品レンタル等)や、ツールの開発及び加工物流センターの活用による低コスト祭壇開発への取り組みの実施により「業界のコストリーダー」としてのシェア拡大を図る。また、大手競合他社を含む生花店との連携など、生花店ネットワークの構築によるエリア・ドミナント戦略(関東圏)の展開やタブレット端末を活用した顧客の囲い込みによるストックビジネス化の推進により、毎期2~3%の成長を目指す。

これまでの進捗として、労務費の圧縮と原価低減による損益改善のほか、低価格戦略による施行件数の伸びや展開エリアの拡充(成田営業所の開設)に一定の成果をみせた。また、タブレット端末を使った見積りシステムの提供を開始しており、関東エリアで500台のユーザー導入を目指している。今後は決済機能を備えたプラットフォームの立ち上げにも注力していく方針である。

2) 生花卸売事業
子会社マイ・サクセスとの連携を強化し、海外・国内における産地開発や生花の生産を進めるとともに、大規模物流拠点を活用した取扱量増加によるスケールメリットを追求し、原価の安定化と低コスト化の実現を目指している。さらには、生花店のネットワーク化や海外進出による販売チャネルの拡充を図ることで、事業の六次化(生産から加工、販売を統合する業務展開)を実現し、2017年6月期の売上高37億円(社内売上分を含む)、早期に売上高50億円の達成を目指している。また、輸入比率を50%以上に引き上げる方針である。

2016年2月には、公設地方卸売市場のある千葉県成田市にてローズヒップ・バラ・菊等を生産するアグリフラワーを設立した。3年後の売上高目標として23百万円を掲げている。

3) ブライダル装花事業
披露宴の小規模化(少数婚)や挙式披露宴を行わない「なし婚」が増加するなかで、市場規模の大きい大都市圏(東京・大阪)の営業推進に注力し、更なる事業拡大を図るとともに、グループの調達力をフルに活用した原価低減に加えて、経済的事情などにより疎かにされつつある儀礼復活に向け、低価格戦略の推進や他社との連携にも取り組む。

弊社では、厳しい事業環境に直面する同社にとって、中期経営計画における3ヶ年が正念場になるとみている。ただ、これを機に収益構造の変革と新たな市場の創造により業績を回復することができれば、むしろ、業界淘汰の進展と残存者利益の享受により、業界再編を手掛ける構想に近づく可能性もあると捉えている。したがって、今後も、構造改革の進展と業績回復の足取りのほか、事業の六次化や業界再編に向けた取り組みにも注目していきたい。また、事業環境が厳しさを増すなかで、M&Aによる事業拡大や他社との提携の動きが同社の成長のカギを握るものとみている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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