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3034 クオールHD

東証P
1,775円
前日比
-1
-0.06%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
10.7 1.28 1.69 489
時価総額 691億円
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決算発表予定日

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クオール Research Memo(6):CMR比率上昇を背景としたCSO事業の拡大と、派遣紹介事業が成長エンジン


■クオール<3034>の中長期の成長戦略

2. BPO受託事業の成長戦略
BPO受託事業ではCSO事業、派遣紹介事業、CRO事業及び出版関連事業を手掛けている。いずれもクオール薬局との連携を活用しながら業容拡大を目指している。現状においては、これらの中でCSO事業と派遣紹介事業が収益の中心となっており、中期的にもこれらの事業が主たる成長エンジンとなると期待される。

(1) CSO事業の取り組み
CSO事業は、製薬会社が正社員として抱えるMRのアウトソース需要が収益源となっている。日本においても製薬会社がMRを正社員からアウトソーシングする動きは年々強まっており、CSO利用企業数は年々増加している。それに呼応する形でCMRの数も右肩上がりで増加してきた。

CMR構成比(全MRに対するCMRの比率)は徐々に高まってきている。欧米におけるCMR構成比は10%~20%となっており、日本もこの水準に近づいていくという見方がされている。

CSO事業には一般的な派遣事業に比較して、業績のボラティリティ(変動性)が高いという特長がある。CSO事業は、製薬会社が新薬を発売し、全国の医療機関に販売攻勢をかけるようなプロジェクトベースで需要が高まることが多い。プロジェクトが終わればCMRは派遣元に戻されることになる。問題はその人数で、プロジェクトによっては100人を超える規模であることも珍しくない。すなわち、100人単位のCMRが派遣元と派遣先を比較的短期間に行き来することになり、業績の高ボラティリティへとつながるという構図だ。国内のCSO業界の売上高ランキング上位2社はいずれも外資系で、そうした需要変動に対してはCMRの流動化で対応する傾向にあると考えられる。

それに対して同社は、CMR比率15%時代を見越して、契約企業数の拡大とCMRの確保を着実に進めていく方針だ。同社(アポプラスステーション)に所属するCMR数と契約社数から、同社は1件当たりの派遣数を十数名規模の少人数に抑えていると弊社では推測している。すなわち、同社は派遣先を分散することで事業リスクの分散・低減を図っていると言える。こうした慎重なスタンスはCMRや顧客企業にも安心感を与え、人材確保や契約獲得の点でもポジティブに働くのではないかと弊社では見ている。

今後の注力ポイントはCMRの質の向上だ。クオール薬局の研修・教育プログラムの活用等も活用しながら、ジェネラルMR、プロフェッショナルMRの育成・充実を目指している。同社のCSO事業者としての信頼感・安心感と、質の高いCMRの存在を掛け合わせることでCSO事業の成長加速を目指す方針だ。

(2) 派遣紹介事業
派遣紹介事業は2018年3月期まで3期連続増収増益を達成し、安定した成長性と収益性を実現している。今後も成長が持続すると期待されており、2021年3月期には売上高が2016年3月期対比で倍増する計画を立てている。

こうした同社の派遣紹介事業の強みは、医療従事者という領域の中で、バラエティーに富んだ取扱職種を有する点にある。薬剤師を中核に、看護師、産業保健師、調剤事務、管理栄養士、登録販売者等の派遣紹介を行っている。直近ではH&B(ヘルス&ビューティ)事業部を設け、医療機関専売のエビデンスのある健康サポート商品を提案できる人材の派遣紹介を進めている。

大手調剤チェーンの一角を占める同社は、その知名度を生かして人材獲得を有利に進め、来期以降もこれまで同様2ケタ成長が続けることが可能だと弊社ではみている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《MW》

 提供:フィスコ

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