ラクーン Research Memo(7):業績の拡大とともに収益性が向上
■財務状況と株主還元策について
(1)財務状況について
ラクーン<3031>の2016年4月末の財務状況を見ると、総資産は前期末比641百万円増加の4,969百万円となった。主な増加要因は、現預金で214百万円、売上債権で409百万円の増加となっている。
一方、負債は前期末比408百万円増加の3,191百万円となった。主な増減要因は、買掛金で458百万円の増加となり、有利子負債で70百万円の減少となった。また、純資産は前期末比233百万円増加の1,777百万円となった。配当金の支払いで38百万円減少したものの、新株予約権の行使で資本金及び資本準備金が33百万円増加したほか、親会社株主に帰属する当期純利益239百万円が増加要因となった。
経営指標で見ると、自己資本比率は35.7%と前期並みの水準にとどまったものの、有利子負債が着実に減少しており、ネットキャッシュ(現預金?有利子負債)で見れば3期前の619百万円から1,734百万円と大幅に増加しており、業績の拡大とともに財務基盤も強化されたと言える。また、収益性指標をみるとROAに関しては総資産の増加に伴い前期比で若干低下したものの、ROEや営業利益率は直近で過去最高水準まで上昇しており、業績の拡大とともに収益性も向上していることがうかがえる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《HN》
提供:フィスコ