信用
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3010 ポラリスHD

東証S
248円
前日比
+2
+0.81%
PTS
248.1円
14:35 04/24
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.5 4.70
時価総額 308億円
比較される銘柄
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サイトリ細研
決算発表予定日

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価値開発 Research Memo(2):世界ブランド「ベストウェスタン」のエリア開発会社としてホテルを運営


■会社概要

1. 沿革
価値開発<3010>は、1912年(大正元年)に創業され100年以上の歴史を持つ。当時の社名は上毛撚糸(じょうもうねんし)株式会社であり、群馬県で製糸業を営み業界大手の一角を占めていた。繊維不況を経て、1973年に不動産業に参入。その後不動産業がメインとなり、2006年に東京証券取引所の所属業種を「繊維」から「不動産」に変更、2008年には価値開発株式会社に社名を変更した。同年、フィーノホテルズを子会社化したことでベストウェスタンホテルのエリア開発会社となり、ホテル事業の足掛かりを築く。リーマンショックで不動産市況が悪化し、不動産事業主体からホテル事業にシフトした。2011年3月期にはホテル事業が不動産事業の売上高を逆転。2012年には東日本大震災復興支援プロジェクトの一環としてバリュー・ザ・ホテルを開業。2015年には東京証券取引所の所属業種を「不動産業」から「サービス業」に変更した。2018年10月以降、独立系の投資運用グループであるスターアジアグループと資本業務提携を締結し、新たなマネジメント体制のもと、新たな成長ステージに入った。

親会社であるスターアジアグループは、2007年にマルコム・エフ・マクリーン4世氏及び増山太郎(ますやまたろう)氏によって設立された非上場、独立系の投資運用グループである。主として米国の大学基金、財団や年金基金等の長期運用を志向する投資家の資金を、主に日本を始めとする不動産関連資産によって運用する。様々なアセットタイプの不動産への直接的な投資はもとより、債権及び株式への投資を通じた不動産への投資など、他の不動産投資家とは一線を画す多面的なアプローチにより機動的に投資を行う特徴がある。これまでの不動産等への投資実績は、累計で6,500億円を超える。同社の持つホテル運営のノウハウと、スターアジアグループが保有する不動産投資や不動産証券化等のノウハウを活用することで、国内での「ベストウェスタン」ブランドホテルの拡大や、新たな不動産投資・開発の機会を発掘し、事業ポートフォリオの拡大を図る。

2. 事業内容
同社の中核事業はホテル事業である。全国で展開する宿泊特化型ホテル「ベストウェスタンホテル」が16棟、東北に限定して展開する中長期滞在型ホテル「バリュー・ザ・ホテル」が6棟あり、この2ブランドがメインである。なお、ホテル事業は全社売上高の98.5%、全社営業利益の98.4%を占める。また、不動産事業ではマンションを中心とした保有物件の賃貸・管理を行う。かつて大きな割合を占めたが、ホテル事業にシフトするなかでその割合は低下し、現在は売上高の1.5%、営業利益の1.6%となっている(いずれも構成比は2020年3月期第2四半期)。

3. ホテル事業:ベストウェスタンホテル
ベストウェスタンホテルは、世界最大級のワールドホテルチェーンであり、全世界の100を超える国と地域に4,200以上のホテルを展開しており、安心安全なハイパフォーマンスホテルとしてその名を知られている。ホテルのグローバルランキングで10位以内にランクインする。特に米国及び欧州に多くのホテルがあり、欧米から日本を訪れる海外旅行客においては圧倒的な知名度を誇る。ベストウェスタンチェーン専用の予約サイトBest Western.comには世界4,200万人の会員がおり、安定的な予約が期待できる。現在、アジア・ミドルイーストエリアのホテル数は220棟(建設中含む)に達し、今後も出店計画が多数進行中であり、今後さらにブランド認知度の上昇が期待される。同社は、2008年に日本国内における唯一のエリア開発会社(ADO:Area Development Organization)となり、ベストウェスタンの国内展開を行っている。

日本において同社が運営に関わるベストウェスタンホテル※は2019年9月末時点で16棟、2020年中のオープン予定を含めると合計20棟となる。20棟の内訳としては、北海道・東北5棟、関東7棟、中部1棟、関西4棟、九州・沖縄3棟である。主な運営形態としては、1)物件所有者から賃貸をして運営する、2)運営業務のみを受託する、3)運営はFC会社が行うが同社が主に開業時にコンサルティングを行う、の3パターンである。現在は1)の運営受託が主体であり、3)のFCが4棟ある。また、基本はビジネスホテルだが、沖縄の2棟はリゾートホテルである。訪日外国人旅行者(インバウンド)の比率は高く、多いホテルでは約9割が外国人である。部屋タイプは欧米系インバウンド宿泊者の好むダブルルーム、アジア系インバウンド宿泊者の好むツインルーム、トリプルルームを充実させ、インバウンド宿泊需要に応えられるよう配慮している。ベストウェスタンの設備や運営の基準は厳格であり、ベッドの大きさ、食堂のメニュー、セキュリティなど多岐にわたり、専門の査察人員が定期的に評価をする。同社は、この世界的なブランドを守り、拡大していく重要な役割を担っている。

※Best Western、 Best Western PLUS、 SureStay PLUS HOTEL by BEST WESTERNの3ブランドを含む。


4. ホテル事業:バリュー・ザ・ホテル
バリュー・ザ・ホテルは、東日本大震災の復興支援を目的として同社が主体となり運営を開始したホテルであり、宮城県に4店舗、福島県に2店舗ある。中長期滞在者が快適に宿泊できるよう、1泊2食でリーズナブルな価格(6,000円前後)、シングル個室中心、コインランドリー施設の充実などが特長である。古川三本木店495室、東松島矢本店407室など収容人数が多く、復興従事者だけでなく、大型団体・学生やスポーツ団体、通常のビジネス客などにも柔軟に対応する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《YM》

 提供:フィスコ

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