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2884 ヨシムラHD

東証P
1,303円
前日比
-6
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PTS
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業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
41.2 3.70 4.51
時価総額 311億円
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決算発表予定日

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ヨシムラフード Research Memo(4):2019年2月期第2四半期の業績苦戦の理由は楽陽食品


■業績動向

1. 2019年2月期第2四半期の業績動向
ヨシムラ・フード・ホールディングス<2884>の2019年2月期第2四半期の業績は、売上高11,438百万円(前年同期比15.1%増)、営業利益158百万円(同55.0%減)、経常利益201百万円(同48.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益131百万円(同60.3%減)となった。期初の同社計画に対して、売上高で247百万円、営業利益で100百万円、経常利益74百万円、親会社に帰属する四半期純利益で29百万円の未達となった。売上高は、オーブン、ヨシムラ・フードの販売好調に加え、2018年2月期下期以降に子会社化した3社((株)ヤマニ野口水産、JSTT SINGAPORE PTE. LTD.(JSTT)、(株)おむすびころりん本舗)の売上高が加わった。利益面では、2018年2月期下期からの原材料価格の高騰や得意先からの厳しい条件提示、工場での生産性低下などにより売上総利益率が低下、物流単価上昇や横持ち増加、子会社増によるコスト増加などにより販管費率が上昇した。

製造事業においては、積極的な設備投資と「中小企業支援プラットフォーム」を背景に、各社とも新商品開発や販路拡大などを推進した。また、2018年2月期下期に新たにグループ企業となったヤマニ野口水産、JSTT、2019年2月期上期にグループ入りしたおむすびころりん本舗と(有)まるかわ食品が売上拡大に寄与した。しかし、原材料価格の高騰など利益面では前期から引き続き厳しい状況にあり、製造事業の売上高は8,897百万円(前年同期比15.5%増)、セグメント利益は270百万円(同41.3%減)となった。販売事業においては、「中小企業支援プラットフォーム」の情報網などを活用し、既存取引先への販売や企画提案力の強化に注力、主要得意先への販売が好調に推移した。このため、売上高は2,540百万円(同13.7%増)、セグメント利益は101百万円(同4.3%増)となった。

問題の営業利益未達だが、主因は主力の楽陽食品における生産性の低下にある。未達額100百万円の要因を分析すると、原材料価格高騰を吸収するため主力製品で利益率の高いチルドシウマイを値上げしたが、かえって売上の減少を招いたこと、2017年2月期に参入したチルド餃子の受注が増加したことで工場間の横持ち物流費が増えたこと、チルド餃子の生産ラインフル稼働(24時間対応)に伴い残業など労務費が増加したこと、一方でチルドシウマイの生産ラインの休止時間が増えるなどアンバランスな生産体制が続いたこと、チルド餃子の増加に対してラインの切り替えで対応し生産性が低下したこと、チルドシウマイの新商品を投入できなかったこと??ということになり、楽陽食品だけで営業利益の未達額100百万円のうち約70百万円を占める。加えて、まるかわ食品のM&A費用で15百万円、残りはオーブンで自社製品の販売が苦戦したことなどによる。


楽陽食品は新工場設立で生産性改善へ
2. 2019年2月期の業績見通し
2019年2月期の通期業績見通しについて、同社は売上高23,954百万円(前期比19.6%増)、営業利益329百万円(同33.3%減)、経常利益384百万円(同30.7%減)、親会社に帰属する当期純利益229百万円(同45.2%減)を見込んでいる。同社の期初の業績見通しに対し、売上高で675百万円上方修正したものの、営業利益で225百万円、経常利益で196百万円、親会社に帰属する当期純利益で133百万円の下方修正となった。同社は、まるかわ食品とSin Hin、LIVIO FROZEN FOOD PTE. LTD.がグループ入りすることから売上高を上方修正したが、生産性改善を目指して設立する楽陽食品新工場の設立費用が新たに発生すること、下期も原材料費の高騰が続くこと、Sin HinとLivioの連結が第4四半期になるためM&A費用が発生する一方、利益貢献が2020年2月期以降になること??などから利益については下方修正となった。

ちなみに、楽陽食品の新工場は餃子専用の新潟第2工場で、2019年2月に稼働の予定である。成型機を4基導入し餃子の生産能力を現状の2倍に引き上げ、餃子の生産を新潟第2工場に集約する。これまで各工場で少量ずつ生産していたのに対し、餃子のみを集中・連続して生産することが可能になるため、製造原価の低減につながることが期待される。さらに、餃子の生産で忙しかった主力の秩父工場もシウマイに集中することができるため、生産性上昇に加え、大粒シウマイや10粒シウマイなど採算の高い製品の生産や開発ができるようになる。但し、新潟第2工場の開設が2019年2月のため、業績改善や収益貢献は2020年2月期からとなりそうだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《RF》

 提供:フィスコ

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