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2016年09月06日20時00分

2016節約最前線、手作り弁当「秋の陣」冷凍食品株が熱い <株探トップ特集>


―養殖関連・ロシア関連の側面あわせ持つ魅力―

 日本経済はいま岐路にさしかかっている。ここにきて、日経平均株価は1万7000円を回復するなど若干持ち直す傾向にあるが、残念ながら力強さに欠けるというのが本音だろう。また、アベノミクスの先行きにも不透明感が募る現在、消費者の財布の紐も締まり始めている。節約志向が高まるなか、まずは昼食での出費を抑えようとするサラリーマンは多いようで、今後「手作り弁当」に注目が集まる可能性がある。とりわけ、弁当食材の主役級といえる冷凍食品株の妙味は増しそうだ。

●高まる節約志向で出番到来

 レオパレス21が8月8日に「2016年ひとり暮らしに関する実態調査」(7月22~24日インターネットで調査)を発表。全国のひとり暮らしをしている20代~30代の未婚の社会人男女600人に対して、「あなたは現在、節約をしていますか?」と質問したところ、75.0%が「節約をしている」と回答。14年が73.7%、15年は67.8%で、過去3年間において今年が最も節約傾向が高いことが判明したという。

 また、新生銀行が6月29日に発表した「2016年サラリーマンのお小遣い調査」では「消費税率8%への引き上げから2年経過するも引き続き高い負担感」と指摘。男性社員の平均お小遣い額は3万7873円と前年比231円微増も、1979年の調査開始以降で過去3番目に低い金額だという。同調査で注目したいポイントが「サラリーマンの昼食事情」という項目。昼食の内訳トップは男性社員が「持参弁当」で34.9%、女性社員では49.6%とトップとなり、「手作り弁当」のニーズの高さがうかがえる。加えて、「お小遣いのやりくりと節約術」の調査では、男女ともに「昼食費を安くする」、「弁当を持参」するといった回答が上位に挙がった。じわり広がる景気停滞の波、お弁当関連株出番の舞台は整いつつある。

●存在感光る冷凍食品

 持参弁当の傾向が上昇傾向にあるなか、活躍期待が高まるのが、手軽に必要な分だけ使用できる「冷凍食品」の存在だ。当然のことながら、食品各社も消費者ニーズの高まりを受け、冷凍技術や利便性の向上などで顧客の消費意欲をつかもうとしている。

 ニチレイ <2871> では、「お弁当ニーズの掘り起こしに注力していく方針は、今後も変わらない。約4割の冷凍食品未利用者に向けた商品展開を行い、需要開拓を一層進める」(ニチレイフーズ広報グループ)という。同社は8月2日に17年3月期の第1四半期(4-6月)連結決算を発表。売上高は1322億3800万円(前年同期比2.9%増)、営業利益は74億4300万円(同66.7%増)、純利益は52億1600万円(同82.1%増)と大幅増益となった。冷凍食品では家庭用・業務用ともに主力商品の販売が拡大、生産効率向上に加え、原材料・仕入れコストの低減も寄与している。

●家庭用は数量、金額ともに2年ぶりの増加

 日本冷凍食品協会が4月20日に発表した「平成27年(1-12月)冷凍食品の生産・消費について(速報)」によると「業務用は、数量が90万3230トン(前年比3.1%減)で5年ぶりに減少、金額は4年ぶりの減少で3926億円(同0.7%減)となった。一方、家庭用は、数量が61万6653トン(同1.1%増)、金額が2945億円(同3.3%増)となり、数量、金額ともに2年ぶりの増加」となり、家庭用の需要拡大が見て取れる。こうしたことからも、冷凍各社はお弁当用の商品開発を一層進める可能性は高い。

 「“家庭用”は伸びているのは事実だが、実際のところは、どのくらいの割合で手作り弁当に使用されているのかは、正確につかんでいないというのが実情」と言うのは、ある業界関係者。ただ、「各種調査から手作り弁当へのニーズが高まっていることは認識しており、さまざまな方策をとっている」と語る。

●水産・ハムを中心に群雄割拠の秋の陣

 ニーズの高まりを受け前述のニチレイをはじめ、各社とも自社サイトで「お弁当」需要の掘り起こしに懸命だ。日本ハム <2282> は「お弁当ナビ」で簡単な定番から子どものキャラ弁・デコ弁、おかずまでハムや自社加工製品を使用したさまざまなレシピを紹介。また、味の素 <2802> も味の素冷凍食品で「お弁当ライフ応援コミュニティ おべんとうhome」をはじめ、さまざまなサイトで情報提供をしており自社製品の活用術をアピールしている。今年4月に伊藤ハムと米久の経営統合により誕生した伊藤ハム米久ホールディングス <2296> もお弁当関連の1社。お弁当の定番ハム・ウインナーはもちろん調理商品も豊富だ。

 また、日本水産 <1332> は8月19日の取引終了後、公募増資と売り出しを発表。1株当たり利益の希薄化や、需給悪化を懸念する売りが膨らみ株価が急落した同社だが、お弁当関連株の中核的存在でもある。今後の株価動向には当然のことながら注意が必要だが、目を配っておきたい銘柄のひとつ。4-6月期の連結決算では、北米地域冷凍食品などが低迷し苦戦を強いられているが、国内では円高の影響による原材料や加工製品などの輸入コストの減少に加え、家庭用冷凍食品・業務用冷凍食品などの販売が好調に推移している。

 このほかマルハニチロ <1333> 、極洋 <1301> など水産各社、プリマハム <2281> や東洋水産 <2875> といった食品メーカーにも注目したいところ。秋は、食品各社にとって新商品やリニューアルの季節、群雄割拠の「弁当秋の陣」がいよいよ幕を開ける。

●切り口多彩、ロシア関連とも

 景気は決して後退局面ではないが、ここにきてアベノミクス効果も薄れ停滞期に入っているのは事実。こうしたなか、お弁当を彩る冷凍食品を中核とする食品関連株は、景気の動きにあまり左右されないと言われるディフェンシブストックの一角であることも忘れてはならない。今後の経済動向次第では、一躍脚光を浴びる可能性もある。

 また、お弁当の分野で存在感が大きい水産各社は、マグロやウナギをはじめとする世界的水産資源の枯渇が叫ばれるなか、“養殖関連”の一角としても注目されている。そして、ここにきて急浮上してきたのが「ロシア関連株」としての位置づけ。安倍首相とプーチン大統領が急接近するなか、北方領土問題解決に向けての具体的な進展が期待されている。北方領土近海は、世界でも有数の漁場であり、一定の進展があった場合、ここでも水産株に活躍期待が高まる。

 たかがお弁当、されどお弁当。さまざまな切り口を見せる“味わい深い”お弁当関連株、折に触れて浮上することになりそうだ。

株探ニュース

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