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平山 Research Memo(5):2017年6月期は採用費等の積極投下で営業減益も、売上高は5期連続増収を達成


■業績動向

1. 2017年6月期の業績概要
平山ホールディングス<7781>の2017年6月期の連結業績は、売上高が前期比19.4%増の11,642百万円、営業利益が同68.9%減の39百万円、経常利益が同36.7%増の87百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同917.8%増の147百万円となった。売上高は自動車業界向けを中心にインソーシング・派遣事業が順調に拡大したほか、M&A効果で海外事業が伸長したことにより5期連続の増収となったが、特別利益が発生したこともあって人員採用等の先行投資を積極的に進めたことで、営業利益段階では2期連続の減益となった。ただ、営業外で為替差損益が85百万円改善したことを主因に、経常利益は2期ぶりに増益に転じた。また、消費税等簡易課税差額収入112百万円を特別利益として計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は大幅増益となった。

営業減益となった要因は、売上総利益率の低下と販管費の増加による。売上総利益率は前期比で2.0ポイント低下の13.8%となったが、これは医療機器・医薬品分野の中で請負業務の受注に対する適正な人材採用及び人材確保と配置が進まず生産性が低下したことや、今後の成長を見据え積極的な採用を進めたことで人件費や付帯費が増加したことが主因となっている。同社ではこれら要因で230百万円の減益要因になったと見ている。また、販管費については前期比で156百万円増加した。主な増加要因は人件費※で58百万円、採用広告費で37百万円となっている。

※給与・賞与及び賞与引当金・退職給付費用の合計


なお、期初計画比で見ると売上高で2.7%、営業利益で83.6%下回ったが、これは医療機器・医薬品分野における売上未達や収益性低下に加え、人員採用などを前倒しで実施したことが要因となっている。

2. 事業セグメント別動向
(1) インソーシング・派遣事業
インソーシング・派遣事業の売上高は前期比9.1%増の9,062百万円、セグメント利益は同4.7%減の780百万円と増収減益となった。売上高を顧客業種別で見ると、医療機器・医薬品分野はテルモ向けの減少により前期比4.7%減と唯一、減収となったものの、その他の業種はすべて増収となった。とりわけ自動車部品については、既存顧客向けの売上増に加えて新規顧客の開拓が進んだことで、同77.7%増と大幅伸長となった。自動車向けではトヨタ自動車、SUBARU<7270>、日産自動車<7201>グループに加えて、新たに日野自動車<7205>向けが加わった。オフィス用品ではリコーグループ、食品ではキユーピー<2809>グループ、建設機器では住友重機械工業<6302>グループ、住設機器ではTOTOグループ向けの売上がそれぞれ伸長した。国内の取引社数は前期比で39社増の140社と順調に拡大している。

請負業務の売上高比率は前期の約8割から7割弱に低下したが、これはテルモ向けが減収となったことに加えて、派遣業務となる自動車部品向けの売上が拡大したことが要因となっている。営業利益は主要取引先の生産拠点において人材不足が続いており、採用広告費や教育費等が増加したほか、請負業務において受注単価が低下し収益性が低下したことが減益要因となった。

(2) 技術者派遣事業
技術者派遣事業の売上高は前期比2.0%増の933百万円、セグメント損失は3百万円(前期は46百万円の利益)となった。自動車や通信機器分野からの需要が堅調に推移し売上高は増収となったものの、新たな取り組みとして開始した生産技術分野において先行投資として新卒採用を積極的に行ったほか、営業体制の強化を図ったことが減益要因となった。期末の従業員数は契約社員等も含めて前期末比で18名増の169名となっている。

なお、生産技術分野への領域拡張は単にその分野の売上拡大を目的とするものではなく、異なる領域における人材交流や教育を行うことで社員のスキルアップを図り、得意分野である機械設計分野への人員転用なども進めていくことが狙いとなっている。

(3) 海外事業
海外事業売上高は前期比335.9%増の1,462百万円、セグメント損失は33百万円(前期は20百万円の損失)となった。主力拠点であるタイの景気悪化及び製造業全体の停滞により、派遣単価が低調に推移したことで損失が継続したものの、売上高は2016年2月に事業譲受した人材派遣事業がフル寄与したことで大幅増収となった。また、現場改善コンサルトと連携して営業活動を進めた結果、大手日系企業を中心に顧客数も前期末比で72社増の84社に拡大した。期末の稼働人員数は前期末比で745名増の2,978名となっている。

なお、当期より新たに連結対象としたベトナム子会社については、コンサルティング事業及び教育事業が堅調に推移しており、売上高は32百万円、営業利益は7百万円となっている。また、JSHRの業績も収支均衡水準となっており、平山タイ1社が損失計上になったと見られる。

(4) その他事業
その他事業の売上高は前期比1.4%減の184百万円、セグメント利益は同2.5%増の24百万円となった。製造業向け現場改善コンサルティング事業は国内外で需要が拡大し、増収増益となった。一方、スタディツアー事業については、欧米等遠隔地からのツアーが減少し、減収減益となったものの、2017年に入って為替が円安方向に進んだことからアジア地域からの新規問合せが増加した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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