貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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2802 味の素

東証P
5,669円
前日比
-16
-0.28%
PTS
5,671.2円
10:35 04/25
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
29.1 3.61 1.31 4.31
時価総額 29,560億円
比較される銘柄
日清食HD, 
アサヒ, 
ヤクルト
決算発表予定日

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カンロ Research Memo(6):販売コストの削減に成功、営業利益は77.4%増で着地


■業績動向

1. 2016年12月期連結決算
(1) 業績動向
カンロ<2216>の2016年12月期の連結業績は、売上高が前期比0.2%増の19,716百万円、営業利益が同77.4%増の591百万円、経常利益が同104.2%増の612百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同476.0%増の500百万円となった。飴の主力商品である「金のミルクキャンディ」シリーズ及びグミの売上げは伸びたが、新商品の売上げが減少したことや素材菓子が前期比8.2%の減少になったことなどから、売上高は微増となった。「ジュレピュレ」や「カンデミーナグミ」の好調な販売を背景にグミの売上高は前期比10.6%増となり、グミの好調さが際立つ内容。主力ブランド売上増による製造ラインの安定稼動、工場における改善活動、廃棄損の減少で売上原価率は前期比0.5ポイント改善できた。さらに、販売管理費において、ケースサイズの縮小や配送業者の見直しによる物流コストの削減や、効果的な販売促進活動により販売コストの削減が実を結び、販売管理費率は前期比0.8ポイント改善となり、営業利益は同77.4%増と大幅増益を達成した。親会社株主に帰属する当期純利益の前期比伸び率が営業・経常利益より大きいのは、前期に発生した製品関連回収費用99百万円の反動減と、製品回収関連費用の一部として受取保険金100百万円を特別利益に計上したこと、社宅と寮の売却処分決定による減損損失217百万円を特別損失に計上したこと、繰延税金資産の計上に伴う法人税等調整額360百万円を計上したことによる。

(2) 財務状態及びキャッシュ・フローの状況
2016年12月末時点の資産合計は前期末比602百万円の17,947百万円で、現預金が同1,270百万円増の2,375百万円となったことが主因。有利子負債は同227百万円減の1,737百万円となったが、流動負債が増加し負債は同282百万円増の8,210百万円となった。最終利益の計上に伴い純資産は同319百万円増の9,736百万円になり、自己資本比率は54.3%と前期から変更なし。

営業活動では、法人税等の支払額107百万円の支出、受取保険金100百万円の支出、たな卸資産の増加77百万円はあったものの、減価償却費999百万円、税金等調整前当期純利益490百万円、減損損失217百万円、賞与引当金の増加額176百万円などで営業キャッシュ・フローは1,970百万円となった。投資活動においては、有形固定資産の取得による支出が414百万円にとどまったことなどから、投資キャッシュ・フローは213百万円の支出となった。財務活動においても、長期借入金の返済による支出227百万円及び配当金の支払額216百万円のほかに大きな変動はなく、財務キャッシュ・フローは486百万円の支出となり、期末の現金及び現金同等物の残高は前期比1,270百万円増の2,305百万円となった。

2. 過去の業績
2012年12月期までは20,000百万円を超える売上高を上げていたが、2013年12月期に18,310百万円まで急落。2014年12月期も売上高は回復せず、営業損失を計上した。この急激な売上減には、競争激化や猛暑の影響もあったが、カルピスの商標権使用解約の申し入れによるカルピスブランドの販売中止及び「茎わかめ」の販売休止が大きな売上減少につながった。特に前者については、もともとカルピスブランドを使用したグミやソフトキャンディ商品を同社が製造及び販売していたが、カルピスの株式が2012年に味の素<2802>よりアサヒグループホールディングス<2502>に譲渡されたのに伴い、このライセンス契約が解約となったことに起因する。同社は新商品の開発及び販売で補おうとしたものの、急には補いきれず、また新商品の試作で工場の設備利用率の低下などにより営業損失に陥った。これらの危機に対応するため、前述した前中期経営計画で当初計画に織り込まれていた海外事業及び新商品の開発は一旦、取り下げることになったのだ。同社は、2016年12月期の連結売上高及び営業利益水準でさえ回復途上で、定常状態で達成できる売上高及び利益に達していないと認識している。今回の中期経営計画でその定常状態で達成できる売上高及び利益を超えて、真の意味での回復及び成長を遂げたいという同社の意思が感じられる。

(執筆:フィスコアナリスト 清水 さくら)

《TN》

 提供:フィスコ

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