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2749 JPホールディングス

東証P
465円
前日比
-19
-3.93%
PTS
467.2円
17:29 04/25
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
14.6 2.59 1.72 3.92
時価総額 409億円
比較される銘柄
ヒューマン, 
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パソナG
決算発表予定日

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学研HD Research Memo(1):教育分野の顧客囲い込みとLTV最大化に向けたDX戦略を本格始動


■要約

学研ホールディングス<9470>は教育分野と医療福祉分野を事業領域とする総合サービス企業である。教育分野では塾の運営や児童書、学習参考書の出版、看護師向けeラーニング、幼保・こども園向け物販、小学校・中学校向け教科書の発行、医療福祉分野ではサービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)、認知症グループホームや保育園等の運営などを展開している。2021年1月に保育所・学童保育の運営で業界トップのJPホールディングス<2749>の株式の30.72%を取得し、持分法適用関連会社としている。

1. 2021年9月期第2四半期累計は10期連続増収、7期連続営業増益に
2021年9月期第2四半期累計(2020年10月~2021年3月)の連結業績は、売上高で前年同期比3.0%増の78,077百万円、営業利益で同15.8%増の4,970百万円となり、第2四半期累計として10期連続増収、営業利益は7期連続の増益となった。教育分野では、2020年7月にメディア事業の会社分割を行っており、また新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響により、学研教室や塾の生徒数が減少するなどの影響が出たが、児童書・実用書の販売好調や看護師向けeラーニングの成長により、減収ながらも増益となった。一方、医療福祉分野では拠点拡大に伴う利用客数の増加により増収増益となった。

2. 2021年9月期業績は期初計画を上方修正
2021年9月期の連結業績は、売上高で前期比2.4%増の147,000百万円、営業利益で同18.2%増の6,000百万円と期初計画(売上高146,000百万円、営業利益5,600百万円)を上方修正した。教育分野では、学習指導要領改訂に対応した中学生向け学習参考書の新刊を発行、販売が好調であることや、看護師向けeラーニングの高成長が続く見通しだ。医療福祉分野ではサ高住やグループホーム施設の新規開設を進めていくほか、子育て支援についても開設を進めていく。なお、2021年1月に持分法適用関連会社化したJPホールディングスとは、保育園・学童の運営ノウハウを共有していくことで自社運営施設の収益性向上に取り組んでいくほか、学研教室への送客や幼児向け教育コンテンツ・教材の園現場への提供などのシナジーを見込んでいる。

3. DX戦略の本格始動により教育分野の収益拡大を目指す
同社は2021年9月期よりスタートした新・中期経営計画「Gakken2023」において、「揺るぎない成長基盤の確立」を経営方針として掲げ、教育分野では「新たなまなびの創造と多様な学習機会の創出」、医療福祉分野では「トップカンパニーを目指し持続可能な街づくりに貢献」をテーマに持続的な企業価値向上に取り組んでいく。最終年度となる2023年9月期の経営数値目標は、売上高165,000百万円、営業利益7,500百万円、ROE8.0%以上、配当性向30.0%以上を設定した。この計画を達成するためには、教育分野での顧客拡大と収益性向上が課題となるが、その課題を解決すべく2021年9月期からDX戦略を本格的にスタートさせている。同社グループの顧客を「Gakken ID」で統合し、全サービスを同IDを通じて利用可能にするなどの利便性向上を図ることで、顧客のLTV最大化を目指す。特に、幼保・こども園から小学校への橋渡しを強化していく方針で、JPホールディングスとの協業もその戦略の一環となる。早ければ2022年9月期にも効果が顕在化する見通しだ。同社はグループ内でブランドが異なる多くの教育サービスを提供しているが、グループ全体として効率的なプロモーション戦略が出来ていなかった。こうした課題も「Gakken ID」を基盤としたプラットフォームを構築することで達成可能となり、DX戦略を推進していくことによる収益性の向上余地は大きいと弊社では見ている。

■Key Points
・2021年9月期第2四半期累計業績は10期連続増収、7期連続の営業増益を達成
・2021年9月期業績は教育分野の上振れを受けて期初計画を上方修正
・「Gakken ID」を基盤としたDX戦略を本格始動し、まずは幼保・こども園から小学校に上がる段階での顧客囲い込みに注力する

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《EY》

 提供:フィスコ

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