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2700 木徳神糧

東証S
5,570円
前日比
-20
-0.36%
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業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
9.0 0.69 1.08
時価総額 95.0億円
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決算発表予定日

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木徳神糧 Research Memo(3):16/12期2Qは増収微減益であったが各利益は期初予想を上回る


■決算動向

(1) 2016年12月期第2四半期実績

●損益状況
木徳神糧<2700>の2016年12月期第2四半期(2016年1月~6月)決算は、売上高が54,236百万円(前年同期比6.2%増)、営業利益726百万円(同6.8%減)、経常利益759百万円(同4.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益591百万円(同13.1%増)となった。営業利益、経常利益は前年同期比では微減益であったが、台湾子会社の新工場の竣工関連の経費(一過性)と、本格稼働前の費用が先行していることが主要因である。親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比で増益となったが、これは主に子会社の資産売却に伴う固定資産売却益を特別利益として計上したことによる。これらの各利益は、いずれも期初の予想は上回っており全体的には好調な決算だったと言える。

セグメント別売上高は、米穀事業が44,904百万円(前年同期比9.4%増)、食品事業が3,837百万円(同0.8%減)、飼料事業が3,002百万円(同21.5%減)、鶏卵事業が2,419百万円(同6.0%増)となった。

またセグメント別営業利益(全社分消去前)は、主力の米穀事業が991百万円(同4.7%減)、食品事業が25百万円の損失(前年同期は13百万円の損失)、飼料事業が150百万円(前年同期比3.7%増)、鶏卵事業が10百万円(前年同期は7百万円の損失)となった。

主力の米穀事業では、2016年12月期第2四半期の米穀の総販売数量は237.3千トンとなり、前年同期の214.7千トンから22.6千トン増加した。内訳は、国産精米97.4千トン(前年同期比0.4千トン増)、外国産精米(MA米含む)84.6千トン(同16.0千トン増)、国産玄米55.2千トン(同6.1千トン増)となっており、玄米も含めてすべての種類で増加した。向け先別では、生協やGMS経由で販売される一般家庭向けの精米販売は低迷が続いたが、一方でコンビニエンスストアや外食チェーン向け、いわゆる中食・外食向けの販売が増加したことで国産精米の販売量は微増となった。また入札方式のMA米の数量が大きく伸びたため、外国産精米の取扱い(仕入れ)が増加した。

価格においては、平成26年産米の相対取引価格が11,000~12,500円(60キロ当たり)で推移したのに対し、平成27年産米は13,000円強で推移した。このため同社の販売金額(売上高)は前年同期比で増加したが、一方で仕入価格も高く推移したことから、採算的には前年同期並みとなった。一方で同社自身の努力による販売、製造、仕入の連携強化や販売規模の拡大、在庫管理の最適化、製販コスト見直しなどのコスト削減効果があったものの、外国産米や玄米の比率が上昇したことからセグメント利益は微減益となった。

さらに海外事業(主にベトナムでのジャポニカ米の事業)も黒字が続いており、増益に寄与している。現在のジャポニカ米事業では、同社が現地農家から籾(もみ)の状態で工場に持ち込む米を仕入れ、それを日本から持ち込んだ乾燥機で充分に乾燥させた後に籾摺りを行い、粒選別機にかけて選別を行っている。このため乾燥工程による品質の劣化を抑えて歩留まりが向上するとともに、質の良い米だけを精米・出荷することが可能になっている。この結果、ベトナム国内での需要だけでなく東南アジア各地の日本食レストランチェーン(回転寿司、牛丼等)等からの需要が高まっており、海外事業は今後も増益基調が続く見込みだ。

食品事業では、同社が扱っている米加工食品等は比較的堅調であったが、子会社の内外食品が行っている鶏肉事業が低調であったことに加え、真粒米事業を行う台湾子会社の工場竣工に伴う経費を計上したことからセグメント損失となった。

この内外食品については長い間、重要な経営課題であったが2016年8月1日付けで保有する内外食品の全株式をエスフーズ<2292>へ売却した。売却代金は約480百万円(現時点ではまだ正確な数字は確定していない)であるが、連結損益計算書上の影響はほとんどないとのこと。また株式売却に関連して2016年7月27日に同社が内外食品から剰余金800百万円を配当金として受領したが、親会社と子会社間の取引であることからこれも連結決算上は影響がない。この株式売却により2016年8月以降、内外食品は同社の連結対象外となった。

飼料事業では、配合飼料の相場が値下がりしたことに加え、牧草の販売数量が大きく減少したこと、穀類・糟糠類などの配合飼料原料の販売数量も減少したことから減収となったが、販売数量の減少に伴い販売費用等の経費を抑制したことからセグメント利益は増益となった。

また、鶏卵事業では、鶏卵相場は前年同期比で下落したが、業務用向けの一般卵の販売数量は増加し、さらに外食向けを中心とした加工卵(ゆで卵等)の販売が伸びたことから増収となり、一般卵の販売拡大による利益拡大が奏功しセグメント利益は黒字転換した。

●財政状況
2016年12月期第2四半期の財政状況において、流動資産は16,664百万円(前期末比2,369百万円減)となった。主に受取手形及び売掛金が690百万円減少、たな卸資産1,498百万円減少などによる。固定資産は、新本社ビル取得等による有形固定資産の増加1,534百万円、投資その他の資産の減少311百万円(主に長期貸付金の減少)などにより全体で1,206百万円増加した。その結果、総資産は前期末比1,163百万円減の26,353百万円となった。

負債の部では、支払手形及び買掛金が2,375百万円減少、さらに短期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が2,847百万円増加、長期借入金が1,250百万円減少したことなどから負債総額は1,419百万円減少し18,376百万円となった。親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等により純資産は255百万円増加し7,991百万円となった。

●キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローは、516百万円の支出となったが、主な収入は税金等調整前四半期純利益の計上798百万円、たな卸資産の減少1,439百万円などで、主な支出は仕入債務の減少2,373百万円であった。投資活動によるキャッシュ・フローは1,723百万円の支出となったが、主に有形固定資産の取得による支出1,708百万円など。財務活動によるキャッシュ・フローは1,586百万円の収入となったが、主に短期借入金の増加による収入3,183百万円、長期借入金の返済による支出1,686百万円など。この結果、総額のキャッシュ・フローは647百万円の支出となり、四半期末の現金及び現金同等物残高は1,846百万円となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《HN》

 提供:フィスコ

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