信用
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)のみができる銘柄
株価20分ディレイ → リアルタイムに変更

2700 木徳神糧

東証S
5,560円
前日比
-90
-1.59%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
9.0 0.69 1.08
時価総額 94.9億円
比較される銘柄
ヤマタネ, 
ユアサフナ, 
スターゼン
決算発表予定日

銘柄ニュース

戻る
 

木徳神糧 Research Memo(2):主力の米穀事業の販売先はコンビニ、大手GMS、外食チェーンなど


■会社概要

(1)沿革

木徳神糧<2700>の主力事業は米穀類の仕入、精米、販売である。社歴は古く、その起源は1882年(明治15年)にさかのぼる。その後は食品事業や飼料事業などにも業容を拡大し、2001年7月に株式を日本証券業協会の店頭売買有価証券市場(JASDAQ市場)へ銘柄登録した。

(2)事業内容

同社の事業は米穀事業、食品事業、飼料事業、鶏卵事業に分かれる。2016年12月期第2四半期のセグメント別売上高の割合は米穀事業が82.8%と大部分を占めており、続いて食品事業が7.1%、飼料事業が5.5%、鶏卵事業が4.6%となっている。

●米穀事業
同事業は主に玄米を仕入れて加工(精米)し、販売を行っているが、一部は中小精米業者向けに玄米のままで販売される。2016年12月期第2四半期の取扱数量は、国産精米41.0%、外国産米(MA米※含む)35.7%、国産玄米23.3%となっている。

※MA米(ミニマム・アクセス米):最低限輸入しなければならない外国産米で、政府米として扱われる。国が入札に参加した輸入業者を通じて買い上げ、その後国内の実需者へ売り渡す。MA米の一部について、国家貿易の枠内で輸入業者と実需者の直接取引を認めている。これをSBS(Simultaneous Buy and Sell:売買同時契約)米と呼ぶ。

国産米穀の主な仕入先は、JA全農(全国農業協同組合連合会)が65%近くを占めるが、それ以外の仕入先は地域の単独農協や海外などである。仕入価格と数量はJA全農との相対で決められるが、数量を確保するために提示された価格をある程度受け入れざるを得ない面もあり、この部分で競争原理は働いていなかった。しかし平成26年産米からは、同社のような流通業者の希望価格を募った上で販売する「入札方式」も採用されるようになっており、同社にとってプラス要因となっている。

仕入れた玄米を全国計18ヶ所(自社工場7ヶ所、委託工場11ヶ所)の工場で精米し、各ユーザーに販売している。主な販売先は、コンビニエンスストアが19~20%、大手GMS(総合スーパー)が17%、外食チェーンが7~8%、一般米屋などが約4%となっている。また上記のように玄米のまま販売されるものが28~30%ほどある。企業グループ別では、セブン-イレブン、イトーヨーカ堂、デニーズなどのセブン&アイ・ホールディングス<3382>向けが約25~30%を占める。特にセブン-イレブン向けでは、セブン-イレブンが年間に調達する米穀(推定18万~19万トン)のうち約半数以上(玄米含む)を供給する最大手の米穀供給業者である。それ以外では、吉野家ホールディングス<9861>などの外食チェーンや各地の生協も同社の主要顧客であり、上位5社向けの売上高比率は40~45%となっている。

同社の業界内の地位は大手の一角を占める。最大手は(株)神明ホールディングで年間売上高は約160,000百万円。第3位以下は、大和産業(株)、伊丹産業(株)、ヤマタネ<9305>、(株)新潟ケンベイ、(株)ミツハシなどが続いているが、いずれも売上規模は30,000百万円~50,000百万円程度である。米市場全体に対する同社のシェアは、主食出荷及び加工用ベースで約4.7~5.0%、全国出荷団体取扱いベースで約11.5%となっている。

●飼料事業
現在でこそ売上比率は低くなっているが、終戦直後は同社の主力事業の1つであった。現在の中心事業は、精米工程から出る米糠を主原料として配合飼料向けの材料を供給することである。部門としては、営業利益を計上している事業である。急成長を見込みにくい分野ではあるが、販路を拡大することで売上高、利益を伸ばしていくことは可能であるとみられる。

●食品事業
米加工製品、和菓子材料の米粉などを扱っている。いずれも「米」に関連した加工食品であるが競争が激しい分野であり、採算は低下している。しかしそのような環境でも同社では、付加価値の高いたんぱく質調整米の製造販売を積極的に行い、事業全体の採算向上に努めている。特に同社の独自製品である「真粒米(まつぶまい)」は食事制限を受ける腎臓病患者などから高い評価を得ており、下記に述べるように今後は海外展開も図っていく計画で、既に台湾の工場が竣工している。

また子会社の内外食品(株)が行っていた鶏肉事業は長い間、損失を計上してきたが、2016年8月1日付けで内外食品の全株式を売却した。この結果、今期(2016年12月期)第3四半期からは同子会社は連結対象外となることから部門売上高は減少するが、採算は向上する見込みだ。

●鶏卵事業
鶏卵を仕入れて大手量販店などに販売しているが、養鶏は手掛けていない。セブン&アイグループとの取引は鶏卵部門がきっかけで始まった。鶏卵に日付を刻印したのは同社が最初とのことである。鶏卵価格の動向によって利益率が変動する。なお鶏卵事業は子会社の東洋キトクフーズ(株)が行っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《HN》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均