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2694 焼肉坂井HD

東証S
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14:59 04/19
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単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
452 2.45 0.65 4.45
時価総額 185億円
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神戸物産 Research Memo(2):2014年より輸入食品や名産品を取り扱う新業態店舗「ガレオン」の展開を始める


■事業概要

神戸物産<3038>は、食品スーパーの「業務スーパー」を全国に展開するだけでなく、食材となる農畜産物の生産や製造加工などもグループで手掛ける国内トップの六次産業企業である。事業セグメントとしては、主力の業務スーパー事業のほか、神戸クック事業、クックイノベンチャー事業、エコ再生エネルギー事業と4つの事業セグメントで開示しているが、売上高の8割以上、営業利益の約9割は業務スーパー事業で占めている。

(1)業務スーパー事業

主力事業の業務スーパー事業では、同社は「業務スーパー」のFC本部として商品の企画、開発及び調達等を行っている。また、「業務スーパー」で販売するプライベートブランド(以下、PB)商品の一部を国内外の子会社で製造している。2008年以降、M&Aにより食品工場を積極的にグループ化しており、現在、国内における100%出資の食品工場保有数としては21拠点と、食品小売業界の中でトップとなっている。

「業務スーパー」は業務用をメインとした商品開発、販売からスタートし、中間流通マージンを除いた直仕入や店舗運営の効率化を徹底したローコストオペレーションにより、「品質の良い商品をベストプライス」で提供することで顧客からの支持を集め、2000年の開業以降、急成長を遂げてきた。2016年4月末の店舗数は730店舗で、キャッシュ&キャリー型の店舗数としては国内シェア約70%とトップの地位を確立している。直営店舗は2店舗のみで、FC展開によって店舗数の拡大を進めている。主なFC企業としてはG-7ホールディングス<7508>の子会社である(株)G-7スーパーマートのほか、オーシャンシステム<3096>などがある。

FC本部としてのロイヤリティー収入はFC加盟店への商品出荷高の1%としており、FC展開する企業の中では低い料率となっている。これは同社の経営方針として、すべての取引会社の収益を拡大していくことが、自社の成長につながるという考えによるもので、ロイヤリティー収入で稼ぐのではなく、食品の製造と卸売事業で収益を拡大していくことを基本戦略として掲げているためだ。

取扱商品総数はPB商品、ナショナルブランド商品合わせて約4,000点に上る。PB商品に関しては、国内外のグループ会社20社、23工場(うち中国2工場)に加えて、海外の約350の協力工場から調達している。自社グループ内での調達比率は売上全体の約10%、残り約90%がメーカーからの仕入れとなっている。また、輸入比率は約20%で、そのうち半分を中国、残り半分を欧米、アセアン地域から直輸入しており、輸入先数は約50ヶ国に上る。特に、ここ数年は、欧州やアセアン地域など中国以外の国からの輸入を強化している。商品としては各国の代表商品となるようなもので、イタリアならパスタやオリーブオイル、ベルギーではチョコレートやワッフルといったように、消費者にとって魅力のある商材を発掘しているほか、ハラール食品の調達にも注力している。なお、生鮮食料品については自社で仕入れ調達せず、各FC店舗の裁量に任せている。

同社は子会社展開により、農畜産物の生産といった第一次産業から手掛けていることも大きな特徴となっている。国内では北海道で主にジャガイモや大豆の生産と、約700頭の牛の肥育を約1,420ヘクタールの広大な敷地で運営している。また、海外ではエジプトで約2,900ヘクタールの土地を保有し、小麦やカモミールの栽培を行っており、エジプト政府への売却や地元への寄付を行っている。

養鶏業では岡山県で「吉備高原どり」、群馬県で「上州高原どり」の養鶏を行っている。処理された鶏を24時間以内に新鮮なまま近隣の「業務スーパー」に納品している。また、水産業に関しては宮城県で地域産業復興支援も兼ねて、漁業や水産加工業を行っている。

為替変動の影響に関して、同社は仕入れ決済の大半をドル建てで行っているため(残りはユーロ、円建て)円安はコスト高となる。2015年10月期の輸入実績としては約290億円となっており、ドルベースでは約3億ドルの規模となっている。このため、一部為替予約によるヘッジを行っており、ヘッジ部分に関しては営業外収支に反映されることになる。一方、為替変動に伴うFC加盟店への卸価格の変更はタイムラグが生じるため、急激に為替が変動した場合などは、収益に与える影響も一時的に大きくなる可能性がある。

なお、新業態として輸入食品や日本各地の名産品などを取り扱う小型店舗「ガレオン」を2014年より展開しており、2016年4月末時点で直営2店舗を出店している。

(2)神戸クック事業

神戸クック事業は、「業務スーパー」で構築された原材料の仕入れ調達から商品販売に至るまでのローコストオペレーションのノウハウを活かした中食、外食事業となる。現在は主に「神戸クックワールドビュッフェ」(2016年4月末、15店舗)、出来立ての惣菜を提供するデリと食品物販を融合した「Green’s K」(同10店舗)、ビュッフェとセルフクックを融合したレストラン「Green’s K 鉄板ビュッフェ」(同5店舗)のほか、「ビュッフェ&しゃぶしゃぶ神戸」(同1店舗)で構成されている。新業態に関しては毎年1~2業態を企画し、店舗展開を試みている。なお、2014年10月に米国・ニューヨーク市にオープンした「SHABU SHABU KOBE」については収益化の目途が立たないことから閉店している。

(3)クックイノベンチャー事業

クックイノベンチャー事業は、2013年4月にグループ会社化した(株)ジー・コミュニケーショングループの事業となる。2016年10月期第2四半期の売上構成比では約14.6%、営業利益では約15.1%を占めており、「業務スーパー」事業に次ぐ比率を占めている。(株)ジー・コミュニケーション傘下のジー・テイスト<2694>が株式上場している。居酒屋や回転ずしなどの外食事業で約800店舗を直営・FCにて展開しているほか、学習塾「ITTO個別指導学院」(自分未来きょういく(株))や英会話スクール「NOVA」((株)NOVA)のフランチャイジーとして約100校舎を運営している。

(4)エコ再生エネルギー事業

2012年より新規参入したエコ再生エネルギー事業では、主に太陽光発電事業を推進しているほか(2016年4月末の発電能力15.7MW)、地熱発電やバイオマス発電の事業化を進めている。また、観光事業として地熱エネルギーを活用した温浴施設「ホットラグーン大分」を大分県で、温水ハウスによる観光農園を北海道(函館プロジェクト)で今後展開していく予定となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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