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ダイナック Research Memo(6):高付加価値化、専門化の新業態開発という戦略を着実に実施


■業績の動向

3. 店舗の出店・退店の状況
2017年12月期は店舗の出店・退店が計画から大きく乖離し、売上高が前期比微減収となったことの大きな要因となった。

しかしながら、この点については、弊社では否定的に捉える必要はまったくないと考えている。内訳を分析すると主力のバーレストランでの出店の遅れが最も影響が大きかったのは事実だ。しかしながら、足元の事業環境のなかで、無理をした出店を行わなかった点をむしろ評価すべきと考えている。ダイナック<2675>は創業以来60年を超える歴史の中で、立地や店舗設計、業態開発等においてノウハウと知見を積み重ねてきた。その結果として独自の基準を有しており、それを厳格に守り続けた結果の出店未達ということだ。短期的には業績にマイナス影響となったが、長期的には同社のそうした姿勢が品質を維持し、ブランド価値を守ることにつながっていると弊社では考えている。

もう1つの注目点は、今期はバーレストランの出店が4店と少なかったものの、同社の中期成長戦略上は意義深い店舗がそろったということだ。詳細は後述するが、同社がテーマとして掲げる“高付加価値化”、“専門化”、“多様化”を実践した店舗が並んだということだ。2017年12月期は出店の絶対数こそ少なかったものの、2018年12月期以降につながる布石を打つことができた年であったというのが弊社の評価だ。

店舗変動の業態別の詳細は以下のとおり。

(1) バーレストラン
バーレストランでは出店が9店の計画に対して4店にとどまった。出店が計画を下回った理由は、直接的には物件が確保できなかったことだが、その背景は様々だ。賃料の折り合いがつかないケースや、出店を希望する地域に適切な面積の物件が確保できないケース、商業施設内の場合は施設側と同社との間で出店する業態が折り合わないケースなどがあったもようだ。

一方、退店は4店となったが、これは「鳥彩々」業態の4店舗を事業譲渡したためだ。「鳥彩々」は「鳥どり」同様、鳥居酒屋という業態カテゴリーであるが、立地が郊外であった。同社の店舗戦略上の大きな特長である都心ドミナント出店からは外れていたため、事業譲渡自体は従来から検討されていた。この事業譲渡は売上高に対しては減収要因となったが、事業譲渡益が当期純利益に計上され、当期純利益の押し上げ要因となった。

(2) ゴルフクラブレストラン
同社はゴルフクラブレストランについては年間5件の新規受託を目標としているが、2017年12月期の新規出店は2ヶ所にとどまった。三鈴カントリー?楽部(三重県鈴鹿市)と北海道カントリー?楽部(北海道函館市)でいずれも上半期に受託した。

一方、閉店については3ヶ所の運営受託契約が解除となった。基本的には同社のゴルフクラブレストランはコスト構造改革が進んでおり利益率は年々改善方向にある。そうしたなかで受託契約が解消されるのは相手先都合によることがほとんどで、今回もそうしたケースと弊社ではみている。

(3) その他受託
その他受託では閉店が2ヶ所の計画に対して3ヶ所に増加したものの、新規受託が3ヶ所となり期末の受託数は前期末と同数の27ヶ所となった。2017年12月期の新規受託は、インテックス大阪(大阪市)、京都コンサートホール(京都市)、かぐらスキー場(新潟県南魚沼郡)の3ヶ所だ。

《TN》

 提供:フィスコ

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