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ダイナック Research Memo(6):チェーン店であってチェーン店ではない店作り


■新中期経営計画と今後の取り組み

(2)出店戦略

ダイナック<2675>の業態(店舗ブランド)は、これまでの成長を支えてきた主力4業態と、前中期経営計画において高付加化価値かつ戦略的な3業態の7つの業態が中心となっている。これに加えて、立地条件が合えば、「オールドステーション」や「Masters Dream House」などを適宜出店するというスタンスとみられる。

同社は、今中期経営計画においては1年に15店舗の新規出店を目指すとしており、今中期経営計画の3ヶ年合計は45店となる。同社の基本的な考え方として、1つのブランドで30店を目安としているため、高付加価値3業態合計で90店舗の出店可能性があることになる。2015年12月末現在では、魚盛14店、ワイン倶楽部7店、虎連坊4店の合計25店舗であるため、各年15店舗の出店を3業態で埋めていくことは十分可能であるし、むしろその可能性が高いと弊社では考えている。

今中期経営計画での新規出店で弊社が期待し、注目しているのは、“チェーン店であってチェーン店ではない店づくり”だ。ここではこれを“個店化”と表現することとする。個店化の具体的な内容は、立地毎に競争環境や客層が当然異なってくる状況で、それに柔軟に対応した店づくりを行うということだ。2015年までの新規出店の中には売上が期待を下回っている店舗も当然にある。そこには店舗ブランド間の差はなく、立地による要因で売り上げが伸びてこないというのが、同社の分析だ。これが正しいとするならば、今後の出店を魚盛、ワイン倶楽部、虎連坊の3業態を軸進めていくなかにおいて、同じブランドの店舗であってもメニューや取扱商品を立地ごとのニーズに合わせて変えていく必要があるだろう。

これは弊社の勝手な想像だけではない。例えばワイン倶楽部においては、周囲の店との競合状況や客層を見ながら、料理のメニューを肉主体か魚主体かで変化をつけることはすでに行っている。こうした対応を魚盛や虎連坊でもやっていくことは十分可能だと弊社ではみている。特に虎連坊のコンセプトは「日本酒居酒屋」で、ワイン倶楽部同様、お酒が前面に出ているため食の部分では幅広い対応が可能と考えられる。料理だけでなく、価格帯や店舗の内装、場合によっては店名も含めて、立地に応じて変える余地は大きいと考えられる。加えて、同社はセントラルキッチンを採用していない。個店化はこの点を強みに変えることにもつながるだろう。こうした対応こそが、今中期経営計画のキーポイントの1つ「出店の加速と高付加価値業態へのシフト」の根幹となってくるのではないかと弊社では考えている。

個店化は一方で、店舗運営の効率性を下げる可能性があるとの指摘も可能だ。しかし、この点について弊社ではあまり心配はしていない。同社の経費節減で大きなポーションを占める食材の共通化は、個店化を進めても十分可能だとみている。理由は店舗数の多さと、都市部中心のドミナント出店戦略、及びメニュー開発力などだ。そして前述のセントラルキッチンを持たない点も個店化の効率低下のリスクを下げることに寄与すると弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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