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2471 エスプール

東証P
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PER PBR 利回り 信用倍率
13.5 3.10 3.19 27.61
時価総額 247億円
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エスプール Research Memo(9):新中期経営計画で25年11月期に売上高410億円、営業利益50億円を目指す


■今後の見通し

3. 新中期経営計画
エスプール<2471>は2021年11月期からスタートする5ヶ年の中期経営計画を発表した。基本方針には「社会的価値と経済的価値創出の両立」を掲げ、業績数値目標としては2025年11月期に売上高410億円、営業利益50億円を掲げた。年平均成長率で見ると、売上高で14.3%、営業利益で17.5%となり、2ケタ成長を継続していく計画となっている。

前提となる環境認識としては、短中期的には景気の不透明感が継続するものの、弊社では人材流動化や企業のアウトソーシングニーズの高まりは継続していくものと考えている。こうしたなかで同社固有の要因として、弊社では障がい者雇用義務の拡大、EC通販市場の拡大、環境保護機運の高まりといった点が成長機会につながるものと考え、既存事業の成長だけでなく、次の10年を見据えた第3、第4の収益柱を育成していく期間と位置付けている。

今後の成長戦略は以下の通り。
(1) 既存事業の深掘りによるオーガニック成長
a) 障がい者雇用支援サービス
障がい者雇用支援サービスでは、「一人でも多くの障がい者雇用を創出し、社会に貢献する」ことをミッションとし、5年間で運営管理区画数1万区画、障がい者雇用5千名、60農園の創出に取り組んでいく。1万区画の達成は3大都市圏での展開だけでも達成可能な水準と考えており、今後は行政連携を各エリアで推進していくことで、年間6~7園のペースで新規農園を開設し、2022年11月期以降は年間1,300区画の販売ペースで積み上げを図っていくことになる。弊社では、順調に進めば、2025年11月期には売上規模で約80億円、営業利益率で40%弱の水準になるものと予想している。2025年11月期においても全体の営業利益の過半を同事業で稼ぎ出すことになる。

b) ロジスティクスアウトソーシングサービス
ロジスティクスアウトソーシングサービスでは、「環境に配慮した次世代型のロジスティクスサービスの確立」をミッションとし、EC通販を軸とした事業規模の拡大と、日本初のゼロ・エミッションを実現した自社物流センターの開設に取り組んでいく方針だ。ゼロ・エミッション物流センターの開設時期は2022~23年頃を目途として準備を進めていく。環境経営に対する意識の高い企業が関心を示している。売上高は年率2ケタ成長を目指している。

c) 採用支援サービス
採用支援サービスでは、「雇用創出を通じた地方創生支援」をミッションとし、事業規模の拡大を推進していく。アルバイト・パートの採用支援業務で業界トップシェアの獲得を目指すほか、採用から定着化までの総合的なサービスの提供にも取り組むことで、事業規模の一段の成長を目指していく。

d) 人材派遣サービス
人材派遣サービスでは、「未経験者や就労経験の少ない若者の多様な働き方の実現」をミッションとし、コールセンター派遣分野でのトップシェア獲得、並びに新たな派遣領域(自動化への代替が難しい業務の開拓、未進出地域の開拓)への展開に取り組んでいく。売上高としては年間25億円ペースでの拡大を継続し、2025年11月期で275億円を目指す(年率12.5%成長)。

(2) 新たな事業領域における成長機会の獲得
新規事業としては、ブルードットグリーンで展開する環境ビジネス領域の育成に注力していくほか、BPOビジネス領域の取り込みも進めていく。ブルードットグリーンでは現在、CO2排出量算定から削減コンサルティング、削減目標の未達成分を補填するためのクレジット仲介などを展開しているほか、CO2排出削減プログラムも現在開発中で、同サービスの提供により更なる成長を目指している。2025年10月期の売上高としては10億円を目標としている。一方、BPOビジネス領域では、既存事業の周辺領域となるEC通販・人事領域のほか、行政分野への展開も進めていく意向となっている。このほか、事業シナジーが期待できるベンチャー企業への投資などもノウハウを持つ企業と協業して進めていく予定としている。

(3) ESGを基盤とした経営基盤の強化
組織戦略として、ESGを軸とした経営基盤の強化に取り組んでいく。E(環境)分野においては、ロジスティクスアウトソーシングサービス事業において「再エネ100宣言RE Action」※へ参画するなど、自発的な環境配慮の取り組みによる自らの環境負荷の軽減を図っていくほか、ブルードットグリーンを軸にした環境関連事業の活動を通じて環境課題の解決に貢献していく。S(社会)分野においては、女性従業員の管理職への積極登用など、ダイバーシティの推進と一体感のある組織運営に取り組んでいくほか、社会変化や課題を敏感に察知し、主体的に解決に取り組む社会的感度の高い人材の採用・育成に取り組んでいく。G(ガバナンス)分野においては、高い経営の透明性と適切な情報開示の継続に取り組んでいくほか、コンプライアンスや情報セキュリティ対策を徹底し、ガバナンスの更なる強化を図っていく。

※企業、自治体、教育機関、医療機関等の団体が使用電力を100%再生可能エネルギーに転換する意思と行動を示し、再エネ100%利用を促進する新たな枠組みのこと。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《ST》

 提供:フィスコ

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