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2471 エスプール

東証P
307円
前日比
-6
-1.92%
PTS
308円
21:41 04/19
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
13.3 3.04 3.26 27.61
時価総額 243億円
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エスプール Research Memo(8):障がい者雇用支援サービスは大阪に初進出、3大都市圏で事業拡大を推進へ


■エスプール<2471>の今後の見通し

2.事業セグメント別見通し
(1) ビジネスソリューション事業
ビジネスソリューション事業の売上高は前期比27.2%増の7,408百万円、営業利益は同15.7%増の1,873百万円を見込んでいる。主要サービスの見通しは以下の通り。

a) 障がい者雇用支援サービス
障がい者雇用支援サービスの売上高は前期比27.1%増の4,240百万円、営業利益は約7%の増益を見込んでいる。新規農園の開設は前期と同じく6施設となり、エリア別では千葉県1施設(市川市)、埼玉県1施設(越谷市)、愛知県2施設(名古屋市、長久手市)、大阪府2施設(摂津市、枚方市)となり、大阪府には初進出となる。また、長久手市、枚方市の2施設は自治体との連携案件となっている。市川市と名古屋市、越谷市、摂津市は独自開発で、このうち摂津市と名古屋市の2施設は屋内型農園となる。

開設時期は、2021年11月期第2四半期に4施設(越谷市、名古屋市、長久手市、摂津市)、第3四半期に2施設(枚方市、市川市)を予定している。2021年3月に障がい者の法定雇用率が従来の2.2%から2.3%に引き上げられる予定となっており、雇用率の算定基準日(6月1日)までに障がい者の雇用需要増大が予想され、新規農園も需要のピークに合わせて開設する。なお、今後の需要動向次第では第4四半期に1施設を追加で開設することも視野に入れている。

販売区画数は前期比99区画増の1,035区画(第1四半期:138区画、第2四半期:351区画、第3四半期:255区画、第4四半期:291区画)を計画している。2020年11月期末の受注残は約50区画に減少していたが、1月中旬には200区画以上の水準まで積み上がっており、法定雇用率の引き上げに伴う需要増や大阪府への進出による関西圏企業の需要取り込みを図ることで、販売計画の達成は可能と弊社では見ている。コロナ禍の影響について見ると、営業活動に関しては前期にオンラインセミナーの開催など非対面型の営業プロセスを確立しており懸念は少ない。ただ、感染拡大により経済活動に深刻な影響を及ぼす状況となれば、障がい者の教育訓練も含めて販売の進捗に影響が出る可能性はある。

売上高の内訳は、設備販売で前期比20.3%増の1,645百万円、運営管理収入で同45.3%増の2,247百万円、その他(人材紹介)で同16.4%減の352百万円となる。設備販売については、販売区画数の増加に加えて屋内型農園の開設により平均販売単価が上昇することも増収要因となる。また、期末の運営管理区画数は解約が無ければ前期末比27.0%増の4,864区画となる見通しだ。運営管理収入についても、屋内型の販売増加を主因として1区画当たりの平均売上単価が上昇する。なお、その他収入についてはやや保守的に減収で見込んでいる。

b) ロジスティクスアウトソーシングサービス
ロジスティクスアウトソーシングサービスの売上高は前期比19.0%増の1,400百万円、営業利益は同13%の増益を見込んでいる。売上高の内訳はEC通販サービスで前期比16.7%増の1,230百万円、物流センター運営代行サービスで同45.3%増の170百万円を見込む。EC通販サービスに関しては、引き続き市場拡大を追い風にして2ケタ成長を目指す。物流センターの稼働率がフルに近い状況となっていることから、つくばセンターの移転増床を2021年夏頃に予定している。床面積は既存センターの約2倍となる2~2.5千坪に拡張するほか、生産性向上を目的として自動化システムの導入も計画している。投資負担の増加によって利益率は一旦、低下するものの、増収効果によって増益は維持する。また、既存センターについても坪当たり売上高の向上(低収益案件の入れ替え、生産性の改善)に継続して取り組み、収益の最大化に注力していく方針となっている。物流センター運営代行サービスについては、主要顧客の受注回復を見込んでいるが、コロナ禍が長期化すれば2020年11月期と同様に下振れするリスクがあるが、利益面へのインパクトは小さい。

c) 採用支援サービス
採用支援サービスの売上高は前期比22.0%増の690百万円、営業利益は同67%増の増益を見込んでいる。コロナ禍により外食業界の需要低迷が続くものの、デリバリーサービスやスーパーマーケット、コールセンター事業者などからの需要拡大を見込む。また、2020年9月に提供を開始した適性診断サービスなど、付随サービスの販売強化によるアップセルでの売上増も見込む。これらの新サービスは月額システム利用料と成果報酬を徴収するビジネスモデルで、売上構成比はまだ数%程度と小さいが、コロナ禍においても、採用成果の向上や効率化など、継続した需要が見込まれるため、今後の成長が期待される。

d) 環境経営支援サービス
環境経営支援サービスの売上高は235百万円、営業利益に関しては保守的にゼロベースで計画に織り込んでいる。売上高の9割を占めるクレジット仲介サービスは粗利益率で15%程度と見られ安定収益源となるが、今後はCO2排出量算定から排出量削減に向けたコンサルティングサービスにも注力していく方針となっている。

政府では2050年のカーボン・ニュートラル実現を方針として掲げており、今後、大企業を中心に環境経営に対する取り組みが活発化していくことが想定され、同社にとっては追い風になるものと予想される。2021年11月期は将来の取引拡大に向けた新規顧客の開拓に注力していく方針で、RE100※参加企業に対して営業提案を進めており、今後の動向が注目される。利益面では、営業体制強化のための人件費増を見込んでいる。

※企業が自らの事業の使用電力を100%再エネで賄うことを目指す「Renewable Energy 100%」の略で、英国を拠点とする国際環境NGO団体がRE100プロジェクトを2014年に創設した。2021年1月時点で日本企業で46社、世界では約280社が参加している。

e) その他
コロナ禍の影響を受けたセールスサポートサービスについては、シニア向けを対象とした健康食品や飲料品等の販促キャンペーン案件を受注するなど、足元は回復感が出ていることから増収増益を見込んでいる。また、プロフェッショナル人材バンクサービスについても、コロナ禍において新規顧客開拓のための営業活動が制限される環境下において、見込み顧客先のキーパーソンとネットワークを持つ人材に対するニーズが強く、増収増益を見込んでいる。なお、新型コロナウイルス感染防止対策として2020年7月に開始した抗ウイルスコーティングサービスについては、月間数百万円程度の売上規模となっているが、競争が激しいこともあり積極的な拡販活動は行っておらず、グループ取引先企業を中心に提供を行っている。

(2) 人材ソリューション事業
人材ソリューション事業の売上高は前期比14.8%増の17,500百万円、営業利益は同9.8%増の1,930百万円となる見通し。売上高の内訳は、コールセンター業務が同13.1%増の13,800百万円、販売支援業務が同15.6%増の2,500百万円、その他が同35.3%増の1,200百万円を見込んでいる。

コールセンター業務では「No.1戦略」を掲げ、主要顧客先での取引シェア拡大を目指す。現在、主要顧客のうち1社でトップシェアを獲得しているが、これを3社まで増やすことを目標としている。また、新規顧客の獲得も進め売上の底上げも図っていく。販売支援業務では家電量販店や携帯ショップ向け派遣に加えて、携帯電話販売代理店事業者が展開している法人向けスマートデバイスのキッティング業務に対する派遣の需要も増加する見通しとなっている。その他では、需要が旺盛な介護領域の派遣が引き続きけん引役となる。

年率2ケタ成長を継続していくため、事業拠点を前期末の18拠点から20拠点に拡大するほか、グループ派遣の核となる現場常駐社員(FC)も、前期末の298名から350名まで増員する予定となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《ST》

 提供:フィスコ

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