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2427 アウトソーシング

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アウトソーシング Research Memo(1):2016年12月期は大型M&Aなどで過去最高の売上、営業利益を更新


 

■要約

アウトソーシング<2427>は、メーカーの製造ライン向けに人材派遣及び業務請負を行う「国内製造系アウトソーシング事業」やIT 及び土木建築系企業等に対して技術者派遣等を行う「国内技術系アウトソーシング事業」を展開するほか、米軍基地向け事業や海外展開にも積極的に取り組んでいる。海外を含めた人材提供数(外勤社員数※1)は4.2 万人を超え、技術・製造系では業界最大の規模を誇っている(2016年12月末現在)。旺盛な人材ニーズを背景として、業界全体が好調に推移しているなかで、景気変動の影響を受けやすい事業特性からの脱却や今後の環境変化への対応を図るべく、事業構造の変革に取り組んでおり、「国内技術系アウトソーシング事業」や「国内サービス系アウトソーシング事業」、「海外事業」に注力している。また、創業以来の事業である「国内製造系アウトソーシング事業」においても、独自の事業モデルであるPEO※2スキームによって、これまでの短期の生産調整領域から長期事業領域での人材ニーズの創出と顧客の囲い込みに取り組んでおり、同社ならではの成長戦略は順調に進展している。

※1外勤社員とは顧客メーカーにおける現場作業従業者の総称で、稼働中の派遣契約社員も含む(同社の定義を使用)。
※2 Professional Employer Organizationの略。


「今後の成長が期待できる事業領域及び地域へ、グローバル規模で体制を構築するための先行投資期間」と位置付けられた2016年12月期の業績(国際財務報告基準(以下、IFRS))は、売上収益が前期比66.0%増の134,283百万円、営業利益が同82.3%増の5,672百万円と大幅な増収・営業増益となり、過去最高の売上、営業利益を更新した。特に、海外事業において、前期に進出した欧州及び南米の企業が期初から寄与したことや、当期に買収した豪州・英国・マレーシアの各企業が上乗せされたことが増収に大きく寄与した。また、「国内技術系アウトソーシング事業」や「国内製造系アウトソーシング事業」も独自のPEOスキームや人材育成カリキュラム等の活用により伸長したほか、「国内サービス系アウトソーシング事業」は米軍基地向け事業が順調に拡大している。海外を中心に大型M&A(投資総額約430億円)を複数実施しており、「先行投資期間」としての成果も大いに残すことができたと評価できる。

同社は、新たなM&Aの影響などを加味して、2020年12月期を最終年度とする中期経営計画を増額修正した。ただ、方向性に大きな変更はない。引き続き、成長性及び付加価値の高いIT及び土木建築分野を中心とした技術系に加えて、米軍基地やコンビニ業界向けなどのサービス系、海外では公的サービスの民間委託分野などを大きく伸ばす方針である。2020年12月期の目標として、売上収益を4,410億円(4年間の平均成長率は年34.6%)、EBITDAを344億円(同47.3%)と意欲的な水準を掲げている。

2017年12月期の業績予想については、売上収益を前期比58.6%増の213,000百万円、営業利益を同67.5%増の9,500百万円と見込んでいる。同社は当期よりIFRSに移行しているが、EBITDAでも前期比73.2%増の12,400百万円と大幅な業績の伸びが継続する見通しである。ただ、「次の飛躍に向けた戦略的踊り場」と位置付けており、大規模なM&Aは予定していない。オーガニックな成長と既に基本合意しているM&Aが業績の伸びに寄与する想定となっている。事業体制の構築及びシナジー創出により投資回収期間の短縮や財務基盤の強化に取り組む方針である。

弊社では、外部要因(派遣ニーズの拡大、業界淘汰の動き、先進各国における公的サービスの民間委託分野の拡大等)及び内部要因(事業構造の変革、事業領域の拡大、PEOスキームなど独自戦略の進展等)の両方が同社にとってポジティブな状況にあることから、2017年12月期の業績予想を含め、中期経営計画の達成は十分に可能であるとみている。また、相次ぐ大型M&Aにより財務内容が大きく変化しており、有利子負債の拡大やのれんに対する減損リスクを懸念する見方もできるが、弊社では、同社のM&Aは各国政府や米軍基地向けのアウトソーシング分野など、固定資産を保有せず、キャッシュ・フローが安定的にプラスとなっている企業を対象としているため回収期間が短く、景気変動の影響を受けにくいことから、財務リスクは小さいものと分析している。

■Key Points
・2016年12月期は大型M&Aなどが寄与して過去最高の売上、営業利益を更新
・好調な外部環境や独自戦略の進展等により中期的にも高い成長性を継続する見通し
・2017年12月期も大幅な業績の伸びを見込む一方、事業体制の確立や財務改善にも取り組む

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《TN》

 提供:フィスコ

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