アウトソーシング Research Memo(9):最終年度2020年度に売上高3,870億円と高い成長を目指す
■成長戦略
(1)中期経営計画
アウトソーシング<2427>は2017年12月期を最終年度とする中期経営計画を推進してきたが、2016年12月期の業績が1年前倒しで売上高計画を達成する見通しとなったことから、新たに2020年12月期までの中期経営計画「VISION 2020:新フロンティア創出への挑戦」を策定した。
国内メーカーによる生産拠点の海外移管(国内生産の縮小)や国内人口の減少、産業構造のパラダイムシフトなど、国内外のマクロ環境が目まぐるしく変化するなか、従来のビジネスモデルは崩壊し、その延長線では大きな成長が望めないばかりか、変化に対応できずに淘汰される可能性が高まっている状況に対応すべく、これまでの景気変動の影響を受けやすい事業特性からの脱却を図るとともに、いかなる事業環境にも打ち克つ企業体へと進化させていく方向性に大きな変化はない。
「国内製造系アウトソーシング事業」はPEOスキームに特化することで長期事業領域への転換を図る一方、IT及び土木建築分野(国内技術系アウトソーシング事業)やコンビニ業界向け(国内サービス系アウトソーシング事業)など製造とサイクルの異なる分野や、米軍基地向け(国内サービス系アウトソーシング事業)や公的サービスの民間委託分野(海外技術系事業、海外サービス系事業)など景気の影響を受けない分野を伸ばす計画である。すなわち、PEOスキームにより景気悪化時に雇用を維持してもグループ全体で黒字を確保し、景気回復時には正社員派遣により即対応できるグループ体制を構築しつつ各事業を成長させるため、「国内製造系アウトソーシング事業」のEBITDA構成比率は結果として全体の10%未満となり、残り90%については、製造とサイクルの異なる分野、環境変化や景気の影響を受けない分野で、今が黎明期となるアウトソーシング事業をグローバルに拡大する方針としている。
最終年度である2020年12月期の売上高は3,870億円(5年間の平均成長率は年36.8%)、EBITDAは315億円(同47.6%)と高い成長を目指している。なお、来期からIFRSへ移行するため、これまでの「のれん償却額負担」がなくなることなどから、IFRSによるEBITDA※での目標設定(時系列比較)となっている。
※営業利益にのれん償却額や減価償却費を足し戻した数値
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
《HN》
提供:フィスコ