信用
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2388 ウェッジHD

東証G
82円
前日比
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80.3円
23:29 04/25
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
17.4 1.24
時価総額 34.9億円
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決算発表予定日

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すご腕投資家さんに聞く「銘柄選び」の技 すぽさんの場合-最終回

「最後は自分を信ずる」で、遅咲きでも5年で10倍化

登場する銘柄
エスプール<2471>、ウェッジホールディングス<2388>、享泰<00197>

文・イラスト/福島由恵(ライター)、構成/真弓重孝(株探編集部)

すぽさんすぽさん(ハンドルネーム、40代・男性)のプロフィール:
幼いころから企業分析が大好きな、自称「企業分析おたく」。確定拠出年金(DC)をきっかけに会社員時代から株式投資を行う中、リーマン・ショックで運用資産の半分以上を吹き飛ばすという苦々しい大ヤラレを経験。以降、「高成長」「優れたビジネスモデル」「割安」にこだわった独自の投資方法を編み出す。その後は爆発的&安定的な資産拡大に成功し、約6年で資産10倍超を遂げる。2018年7月から勤めていた会社を退職し専業投資家に転身。会社員の頃から継続している『すぽさん投資ブログ』では、読者参加型で個別の企業分析などの意見交換ができるスタイルが好評。自身も有効な情報収集&投資スキル向上のツールとなっている。数々のマネー誌等に登場するのと並行し、19年には『10万が100万になる株の本当の探し方』(ぱる出版)を出版。現在運用資産額は数千万円、億り人に向かって邁進する日々だ。

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 これまで何度か触れてきたように、今回登場中のすぽさん(ハンドルネーム)は、サラリーマン時代にわずか5年強という短い期間で資産を10倍化させたすご腕だ。

 投資に割ける時間が限られる忙しい勤め人であったにも関わらず、メキメキと成果を上げたその秘訣は何なのか。話を聞くうちに、すぽさんは、自分の成功体験に溺れることなく、常に「自分の取っている行動が最善なのか」という問題意識を持って改良策を模索する姿勢が浮かび上がってきた。

 もちろん、自身が犯した失敗とも逃げずに向き合い、そこから必ず何かを学び取り、再び繰り返さないよう具体的な対応策を講じる前向きさも忘れない。

 これまで当コラムで登場したすご腕さんも、そうした姿勢で取り組む人が多く見られたことを考えると、すぽさんの目覚ましい成長も、いい意味で最善を求めることに欲張りな態度が力になっているものと捉えられそうだ。

 最終回では、すぽさんのこれまでの投資の道のりを振り返っていく。そこから、一度味わった成功体験に自惚れることなく、これまでの成功の法則が通じにくくなれば次善策を考え、そして考えるだけでなく実際に行動に移すことや、大損失を被った失敗談からの学びについて見て行こう。

 迷いや不安が生じたら、それを回避する策を思考し、そして具体的に行動に移す。当たり前のことだが、なかなか完遂しにくいことをしっかりやり抜くのが、すぽさん流の勝ち技だ。

遅咲きでもぐんぐん成果を上げていく

 3回目記事で触れたように、すぽさんが株式投資に本格的に乗り出したのは、社会人になり30歳を過ぎてからの2005年の頃だ。これまで本連載で紹介してきたすご腕投資家さんたちは、20歳台や時には学生時代に投資を始めた人も多く、その人たちと比べると遅咲きの投資家だ。

 それが短い期間で資産を増やすことができたのは、生まれつき企業分析が好きな体質であることと、成功している人から貪欲に学ぶ姿勢があったから。それらは前回紹介したように小学生時代に日本マクドナルドを創業した藤田田氏の本に感銘し、投資を始めてからは邱永漢氏(故人)の書籍から座右の銘を得たエピソードが示している。

 そして、今回の本題である成功体験に固執せず、壁に当たったら思考し、打開策に打って出る行動力がすご腕投資家の道を歩ませている。

 すぽさんは、投資して間もなく始めた中国株投資で順調な滑り出しをするも、その後、本格的に日本株投資にシフトしてからは2008年のリーマン・ショックで、ほとんどの投資家と同様に大きく凹む憂き目に遭う。しかし、11年以降は安定して日経平均株価を上回る成績に。この後は、5年4カ月で資産10倍化を一気に遂げる好成績を打ち出した。

 この時期に投資成果を押し上げた秘訣は何だったのか。その大きな要因の1つは、「企業の成長性」に特に目を向けるようにかじ取りを変えたことだ。

■すぽさんの2011年11月以降の運用成績と日経平均株価の伸びとの比較
【タイトル】
注:2011年11月を100として指数化

「成長力」へのかじ取り変更が奏功

 それまではPER(株価収益率)が10倍前後の割安水準で買い、20倍程度で利益確定という割安狙いの手法をメインにしてきたのだが、それを20倍超えとなっていても「躊躇なく買う」ように切り替えたのだ。

 その背景としては、株価の動きをよく観察するうちに、自分が「お買い得」と思って選んだ銘柄の株価の伸びはイマイチなのに、一方で「ちょっと割高かも?」と思える銘柄の方が、それ以上にぐんぐん伸びていることに気付き、その動きに意識が強まったことがある。

 株価水準を測る代表的な指標がPER、そしてPBR(株価純資産倍率)だ。この値が市場平均や業界平均などと比べて小さいと、割安と見るのが一般的。かつては、すぽさんもPERでは、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などの主要指数の平均値である14~18倍の水準より低い10倍程度にとどまる銘柄を選び、平均より高めになる20倍になるまで株価上昇を待つという割安株投資に軸足を置いていた。

 だが、先の意識変革により、「PER20倍はゴール」という概念は捨てることに。むしろ、より成長力を重視して、そこからさらなる伸びを期待して、PER20倍水準を買うスタート地点とすることにチェンジした。そして、それを思い切って実行するために、思考の整理として作った地図のような役割が次の4段階評価表だ。

■すぽさんの4段階の成長株評価法
【タイトル】

PERが高くても伸びる銘柄を買う

 評価表では、各銘柄の成長力を見極めつつ「S」「A」「B」「C」の4段階に区分して評価。そして投資対象として狙うのは、年率20%の高成長を続ける実力があると思えるSランクに属する銘柄群とする。

 そして、このSグループをよく観察し、株価が限りなくAランクに近いPER20倍程度の水準に留まる時期を見計らって買い出動していく。本来実力はあるのに、ちょっとした需給の悪化で売り込まれたり、今回のコロナショックほどの大暴落に至らないような一時的に株価が凹んだりしたタイミングなどを狙うのだ。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



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