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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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2371 カカクコム

東証P
1,717.0円
前日比
-58.0
-3.27%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
19.4 7.06 2.68 6.27
時価総額 3,403億円
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決算発表予定日

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Iスペース Research Memo(5):16/9期は増収、各利益も増益の見通し


■今後の見通し

(1) 2016年9月期業績見通し

インタースペース<2122>の2016年9月期の連結業績見通しは売上高が前期比8.8%増の21,826百万円、営業利益が同72.2%増の600百万円、経常利益が同73.1%増の600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同8.3%増の328百万円と期初計画を据え置いている。第2四半期までの通期計画に対する進捗率は、売上高で50.8%、営業利益で67.4%となっており、特に利益面での進捗率が高くなっている。第2四半期累計業績が期初計画を上回ったこと、足元の売上動向が引き続き好調を持続していることから、今後市場環境に大きな変化がなければ会社計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。

下期のリスク要因としては、SFAが通信キャリアの販売施策の影響で減少する可能性があることが挙げられる。ただ、同リスクについては会社側でも期初計画段階で想定しており、予想以上に落ち込むようなことがなければ業績への影響も限定的と考えられる。また、下期のコスト増要因としてはシンガポール子会社の稼働開始に伴う費用増と、「X-lift」など新規事業の拡販に向けた費用増などが見込まれている。ただ、シンガポール子会社に関しては月額で1百万円程度の費用となり、新規事業に関しては拡販が順調に進めばプラス要因となる可能性もある。事業セグメント別の見通しは以下のとおり。

○インターネット広告事業
インターネット広告事業の売上高は前期比9%増の21,200百万円を計画している。このうちアフィリエイト広告はeコマースや金融、サービスカテゴリーの広告需要が伸び、前期比7%増の15,700百万円となる。ただ、上期で8,123百万円と計画を上回って推移し、足元も好調な販売が続いていることから、下期も上期並みの売上高は維持できるものと弊社では見ている。

一方、SFAの売上高に関しては、前期並みの3,600百万円程度を計画している。2016年度における大手通信キャリアの携帯電話販売台数は1ケタ台のマイナスを見込んでいることもあり、下期は上期比で減少することが想定される。ただ、上期の売上高が計画を上回ったこともあり、今後の状況次第では通期でも計画を上回る可能性はある。

その他広告サービスについては、前期比45%増の1,700百万円程度を計画している。「X-lift」の連携メディア向けにネイティブ広告の販売増が見込まれる。「X-lift」の連携メディアを下期はさらに拡大していくことで、ネイティブ広告の販売増を加速化していく考えで、年間売上高で3億円程度を見込んでいる。既に、自社メディアの「ママスタジアム」などにも導入しているが、ネイティブ広告は従来のディスプレイ型広告に比べて、メディアと広告との親和性が高く、ユーザーも広告を違和感なく情報として取得するため、広告効果を高めやすい広告手法としてここ数年で需要が急速に拡大している市場となっている。同社ではネイティブ広告に積極的に経営リソースを投下し、アフィリエイト広告に次ぐ収益柱に育てていきたい考えだ。

また、海外事業に関しては売上高で前期比約2倍増となる50百万円程度が予想される。期初計画の3倍増からはやや下回る格好となるが、これはインドネシアでアフィリエイトシステムの強化(不正防止対策を目的)を優先的に進めていることが要因となっている。なお、インドネシアでは2016年1月より、カカクコム<2371>が展開する東南アジア最大級の購買支援サイト「Priceprice.com-Indonesia」に同社のデータフィード最適化サービス「SimpleDataFeed」を連携させたことによって、eコマースカテゴリーの広告プログラムも増加し始めており、今後の成長が期待される市場であることに変わりはない。

なお、シンガポールでは周辺国も含めて現地企業向けにアドネットワークサービスを開始する。実際の営業活動はインドネシアやタイ、ベトナムなどのグループ会社が行うことになり、シンガポールはハブ拠点としての位置付けとなる。なお、海外事業の損益についてはシンガポールの立上げ負担はあるものの、前期比で若干の赤字縮小が見込まれている。

○メディア運営事業
メディア運営事業の売上高は前期比9%減の630百万円を見込む。メディア広告については増収となるものの、ソーシャルメディア・アプリ、コンテンツ事業の縮小が続くため。営業利益については10百万円程度を計画しているが、既に第2四半期累計で20百万円と計画を超過しており、上回る可能性は高いと見られる。

特に期待されるのは育児支援サイトの「ママスタジアム」を中心としたメディア広告収入となる。「ママスタジアム」はユニークユーザー数の増加に伴って媒体価値が上がってきたことから、同サイトと親和性の高い教育や料理、娯楽などの業種からのタイアップ広告が増え始めてきたためだ。従来はアフィリエイト広告が大半を占めていたが、今後はタイアップ広告やネイティブ広告などが増加することで、広告収入が一段と伸びていくことが予想される。

また、新たな取り組みとして2016年4月に電力自由化情報サイト「マイエネルギー」のサービスを立ち上げた。同サイトでは電力自由化関連のニュースや口コミ情報などを掲載するほか、電力プランのシミュレーションサービスを行い、診断結果から直接電力会社の契約切り替えを行えるサービスなども提供していく予定となっている。今後の広告収入増加に寄与することが期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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