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テンバガーを追え! 発見「10倍株」生む“働き方改革”銘柄 <GW特集>


―人材関連は大化け株の宝庫、2020年117万人「雇用増」がもたらすもの―

 少子高齢化社会、人手不足の深刻さについては、今の日本では何かにつけて時候の挨拶のごとくメディア上で取り上げられている。いうまでもなく構造的に回避できない大きな問題で、今後も時間軸の進行とともに深刻の度合いは増していく。

 しかし、これを極めて前向きなかたちで政策命題としたのが安倍政権であり、ずばりそのネーミングは「一億総活躍社会」。経済成長の隘路である少子高齢化のデメリットを全員参加で食い止めるという国家百年の計、端的に言い換えれば「国民フル出動体制で働こう」という政策アナウンスであり、数ある国策テーマのなかでも、実は最もスケールが大きく、最も強力に国民に向けた政府からのメッセージが発信されたケースといってよい。そして、それを補足するかたちで具体性を持たせたのが労働市場における「働き方改革」で、大筋で言えば女性、高齢者、障害者の活躍を促す一方で、残業時間の低減化などを図るというものだ。

 安倍政権が打ち出した「一億総活躍社会」では、東京オリンピック開催年度の2020年度に117万人、さらにその5年後には204万人の労働者数増加を見込んでいる。これは掛け声だけの数値目標ではなく、社会の構造変化の延長線上に掲げられた現実的な数値目標といえる。

●ディップ60倍高の真実、次なる大出世株は

 2013年の有期契約社員の保護を主目的とした労働者契約法の改正や、まだ記憶に新しい2015年9月の派遣法改正で企業はその対応を迫られた。これに続く「働き方改革」で、実際にいち早く活躍の舞台を確保したのは、総合人材サービス大手のテンプホールディングス <2181> やリクルートホールディングス <6098> をはじめとする人材サービスのプロ集団である。

 株式市場では比較的軽視されがちだが、人材サービス関連は大化け銘柄の宝庫で、とんでもない大出世株が眠っているセクターなのである。例えば求人サイト大手のディップ <2379> は2013年の年初の株価は時価をベースとした株式分割修正値でたったの50円。それが15年7月には3218円台まで上昇しており、わずか2年半で株価は何と64倍に大変貌した。これは特別な例としても、人材サービス関連株は、この数年間で飛躍的に株価の居どころを変えている銘柄が数多いことは事実である。そしてこの背景には、大化けのプロセスをファンダメンタルズ面から肯定することが可能な収益の急成長があることは言うまでもない。

 ディップの場合、13年2月期の業績は本業のもうけを示す営業利益ベースで2億4800万円だったが、その後は毎期飛ぶ鳥を落とす勢いで成長し、前期実績(17年2月期)では91億1900万円まで拡大している。アルバイト向け求人サイト「バイトル」を主力とする同社は、スマートフォンの普及加速が“神風”となった。経営手腕もさることながら、社会の構造変化に乗ることがいかに企業の業績、そして株価を飛躍させるバネとなるかを物語っている。

 ディップによると「求人サイトは競合が増えてきているが、当社独自のプロモーションで今後も成長性を維持する方針。例えば、正規社員の増勢がいわれるなか、フリーターから正規社員を目指す『バイトルNEXT』などの伸びもここにきて顕著となっている」という。株価が60倍以上に変貌してもそこは決して終着点ではない。成長の伸びシロはまだ十分に確保しているという自信が会社側には漲っている。

●バブル期以来の求人倍率はまだ上昇余地あり

 企業の求人需要は引き続き旺盛だ。厚生労働省が前週末4月28日に発表した3月の有効求人倍率は1.45倍とバブル期の1990年11月以来26年4ヵ月ぶりの高水準を記録した。有効求人倍率は、昨年12月、そして今年1月、2月と3ヵ月連続で1.43倍と高原状態を続けていた。3月はそこからさらに水準が切り上がったことになる。わが国の労働市場では2013年11月に6年1ヵ月ぶりに有効求人倍率が1倍を超えたが、3月までで3年4ヵ月が経過した。この間、求人倍率は一貫して右肩上がりで、今後も上昇基調が続く可能性は高い。

 企業の人材不足は顕著であるが、安倍政権主導による「働き方改革」では長時間労働の是正により、一人当たりの最大労働時間を減らす方向にある。これに伴い企業側は労働力を確保するための人材を外部に求める動きが顕在化している。これは人材サービス関連株の収益機会拡大へとつながっていく。

 市場関係者も同セクターの株価の先高観を示唆する声が強い。「主力輸出株は日経平均連動で海外株市場や為替の影響をどうしても受けやすい。一方、内需株は人口減少のなかで中期的な成長シナリオが描きにくい弱みがある。そうしたなか、少子高齢化をネガティブではなくビジネスチャンスに結びつけることが可能な人材関連は、内需の成長セクターとして構造的な追い風が意識されそうだ」(国内ネット証券アナリスト)という見方を示す。

 また、働き方改革の効果について、準大手証券ストラテジストは「最重要課題となっているのは何と言っても『同一労働 同一賃金』だ。これが導入される方向となれば、人材派遣を手掛ける企業にとっては福音となる」とし、時価総額の小さい銘柄が多いだけに「テンバガー(10倍株)が相次ぐ可能性」を指摘している。

●10倍高の可能性内包する「人」に関わる銘柄群

 人材の派遣・紹介・育成などを手掛ける企業として注目されるのは前出のテンプHD、リクルートHDのほかパソナグループ <2168> もマーク。人事コンサルティングで高実績を持つリンクアンドモチベーション <2170> も市場の注目度は高い。家電量販店などの店頭販売支援ではウィルグループ <6089> やヒト・コミュニケーションズ <3654> 、ライク <2462> などが有力だ。介護・医療関連ではエス・エム・エス <2175> 、ツクイ <2398> 、ヒューマンホールディングス <2415> [JQ]、高齢者に特化したユニークなビジネスを展開するキャリア <6198> [東証M]も業績飛躍に向けた可能性を内包している。障害者の就職支援ではLITALICO <6187> が注目される。アルバイト人材紹介と給与計算事務代行のフルキャストホールディングス <4848> や就業情報システムトップのアマノ <6436> なども折に触れて脚光を浴びる銘柄だ。

 また、有効求人倍率が記録的な高まりをみせるなかで、特に派遣技術者など高スキルを必要とする人材確保が困難を極めている。企業の求める人材が払底している状況下にあって、IT業界や自動車業界向け技術者などを育成して派遣する新たな潮流が生まれている。関連銘柄としてはアルプス技研 <4641> 、テクノプロ・ホールディングス <6028> 、夢テクノロジー <2458> [JQ]、メイテック <9744> 、UTグループ <2146> [JQ]、アウトソーシング <2427> 、トラスト・テック <2154> などが挙げられる。また、建設業界向け技術者派遣では夢真ホールディングス <2362> [JQ]が代表的な銘柄だ。

 職を求める側と企業を結ぶ情報を扱う、いわゆる求人情報サイトでは前出のディップのほか、転職分野で群を抜く実績を持つエン・ジャパン <4849> [JQ]も目が離せない。

 女性の社会進出を手助けする企業群にもビジネスチャンスが巡る。保育施設運営で業界最大手のJPホールディングス <2749> や事業所内保育所受託や保育園を運営するサクセスホールディングス <6065> 、首都圏中心に保育所などを展開するグローバルグループ <6189> [東証M]、教育出版大手ながら子育て支援事業も手掛ける学研ホールディングス <9470> などは要注目となる。このほか家事代行を行うダスキン <4665> にも穴株妙味がある。


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